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第57話 愛しき家族と、永遠に解けない祝福の毒

「トウマ様、見てください! 別荘の庭園に咲いた『神聖ルピナス』が、トウマ様の魔力を浴びて七色に輝いていますわ!」


 雲一つない青空が広がる『世界樹の別荘』。


 セレフィナちゃんが、白銀のドレスの裾を揺らしながら、花束を抱えて駆け寄ってきた。


「ああ、綺麗だな。お前の髪色によく映えている。」


 俺が彼女の黄金色の髪を優しく撫でてやると、セレフィナちゃんは顔を真っ赤にして蕩けた笑みを浮かべる。


「もう……トウマ様ったら、最近ますます甘い言葉をさらっと仰るんですから……っ!」


「セレフィナだけズルい! トウマくん、私にも……私にも髪なでなでしてくださいまし!」


 ツインテールを揺らしたエレノアが、焼きたてのクッキーが入ったバスケットを抱えて割り込んできた。


「おにいちゃん!ミィナもお頭なでなでしてほしいのです!」


 犬耳のミィナが激しく尻尾を振りながら俺の膝へ飛び乗り、頭をすりすりと押し付けてくる。


 俺は二人の頭も同時に優しく撫でてやった。


 テラスのテーブルでは、イザベラさんが優雅に紅茶を注ぎ、ヴィオレ、ダークエルフのフィオナ、元刺客のレイラ、始祖の王女アバちゃん、帝国皇女シャルロットが、幸せそうに歓談している。


 俺の胸ポケットでは、ポンコツミニ女神が、クッキーの欠片を両手で抱えて「主様の魔力の味がしますわぁ……っ」とうっとりしていた。


 世界中の悪意や呪い、病気や貧困までもが、俺の【全界概念統一(グランド・リフォーム)】によって解毒されてから、穏やかな時間が流れていた。


「ふふ、本当に……平和になりましたね、トウマ様。」


ヴィオレが淹れたての紅茶を俺の前に置き、深々と微笑む。


「ああ。静かで、退屈なくらいにな。」


 俺は紅茶を一口すすった。


「トウマ様……これだけの美少女・美女に囲まれていて、『退屈』なんて言わせませんわよ?」


 イザベラさんが妖艶に目を細め、俺の腕に豊満な胸を押し付けてくる。


「そうですわ! 私たち全員、トウマ様の『妻』として、一生トウマ様を甘やかし続けるんですから!」


「一生どころか、生まれ変わってもトウマ様の妻になるんだからね!」


 妻たちからの、溢れんばかりの愛と情熱。


 俺が世界に掛けた【神毒】は、すべての悪意を消し去る解毒の力であると同時に――。

俺と彼女たちを一生涯、決して解けることのない『至高の幸福』で繋ぎ止める、甘美な祝福の毒でもあったのだ。


「やれやれ……。お前たちといると、本当に飽きないな。」


 俺は立ち上がり、愛しい家族たちの姿を愛おしそうに見渡す。


「さあ――今日も俺たちの『永遠の楽園』を楽しもうか。」


 俺は不敵に口元を吊り上げると、右手を高く掲げ、親指と中指を静かに重ねた。


――【神毒・『永遠のハッピーエンド』】


 パシィィィィィィィン……!!!


 世界で一番高く、澄み切った指の音が響き渡り、祝福の光が世界中を温かく包み込んでいく。


 世界を解毒した最強の男と、愛しきハーレムの物語は―― 永遠に終わることのない、最高に幸せな日常へと続いていくのだった。


『万象解毒の追放者』、これにて【完結】となります!

最後までお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございました!


「無能」と追放されたトウマが、概念すらも書き換える【神毒】で敵を自滅させ、世界中の悪意をデトックスして最高のハーレムを築き上げる物語……楽しんでいただけましたでしょうか!?

 

 これまで【ブックマーク】や【評価(ポイント)】、温かい応援で作品を支えてくださった読者の皆様に、心からの感謝を申し上げます!


 8月10日(月) 21:00~ 新作「幽霊たちの未練を叶えるお人好し転生者、気付けば伝説の霊たちに愛されすぎていました~怪異たちをケアしていたら、周囲から『無詠唱の即死魔法使い』と恐れられるようになりました~」がスタートします。ぜひ覗いていただけると嬉しいです!

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