表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓、終末の僕らへ  作者: 仁乃 戀
第三章
56/79

クラッシャー

 「では、これでビンゴ大会は終わりま~す! 協力してくださった先生方、ありがとうございました~!」


 「いや~、面白かったぁ! 澤谷先生面白すぎるよぉ~」


 隣では、目尻にうっすら涙を溜めて明梨が笑っている。

 どうやら、ビンゴ大会での澤谷先生の暴れっぷりがツボにはまったらしい。


 ビンゴ大会は司会と先生が前に出て進行をしていたが、その時澤谷先生はちゃんと座って真面目にビンゴをしていた。

 問題……と言っていいのかはわからないが、事が起こったのはその後だ。

 ルールは、配られた25マスの用紙の真ん中は既に開けられていて、他の24マスに2桁の好きな番号を書いて、ビンゴになったら申告し、先着順で景品が貰えるという至って普通のものだ。


 この大人数だからと、景品は多めに用意され、回数も25回とかなり少なめの設定にされていた。

 どこかのネットで見た情報だと、25回までにビンゴが出る確率は10パーセントとかなり低いらしい。

 だから、10回以内にビンゴを引くような人は相当な運の持ち主だ。


 さて、ここまで喋ったら、察しの悪い人でも多少は予想がつくだろう。

 そう、澤谷先生は、()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 そのときの澤谷先生の喜ぶ姿は歓喜とかそういうレベルじゃない。

 発狂に近かった。


 「しかも、4回でビンゴを出しただけでも信じられないのに、2人目のビンゴが出る前にもう一回ビンゴ出してるからね、先生」


 そうなのだ。

 澤谷先生の強運っぷりは止まるところを知らないようだった。

 確か2人目がビンゴを申告したときはちょうど10回目。

 なんと澤谷先生は、その1つ前に再びビンゴが出たと申告したのだ。

 ルール上、景品は一人一個だと司会の生徒が伝えていて、澤谷先生が悲壮な表情をしていたが、それを見た周りの生徒の提案によって澤谷先生だけは景品を2つもらうことになった。

 ……その後も、2回ビンゴだと言って騒いでいたが。


 「あの人、絶対運使い果たしたよな…………?」

 「だろうねぇ…………」


 後ろを見てみると、景品で貰ったワイヤレスイヤホンと猫のぬいぐるみを大事そうに抱えていた。

 視線に気付いた彼は、自慢するかのように2つの景品を目の前に掲げる。

 ……多分、今までで一番腹が立った。


 「楽しそうだね……。 あの人、私たちよりも楽しんでるんじゃない?」

 「だろうな。 まさかワイヤレスイヤホンを真っ先にかっさらうなんて、大人げない……」


 2回目は流石に自重してぬいぐるみで我慢したようだが、イヤホンはやめろ、イヤホンは。

 そしてそれを周りに見せびらかすな。

 そろそろ殴られるぞ。


 「では、次はお待ちかねのカラオケ大会でーす! 参加者はステージの方に来てくださーい!」


 「さてと、控えめに頑張りますか」

 「いやいや、勝負だからね? 一番投票数が少なかった人は他の3人に奢りだから!」

 「今初めて聞いたんだが…………?」


 そう言って、ステージに向かう。

 周りにも参加者らしき人がちらほらいるようだった。

 思ったよりも参加者は多いみたいだ。


 澤谷先生はまだ暴れ足りないのか、席を立ってステージに向かおうとしていたが周りの先生や生徒に止められていた。

 澤谷先生が立ったときに見せた司会の顔を俺は忘れないだろう。

いつも読んでくださりありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、是非ブックマークや評価をしたり、感想を送ってくださるとすごく嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ