告白
席に戻ってきてみれば、明梨はどうやら眠ってしまっているようだった。
静かとはいえ、よくカフェで寝れるな。
相当疲れていたみたいだ。
「明梨ー? おーい、起きろー」
揺すっても起きる気配はない。
どうしようか……。
「もうちょっと、寝させていてもいいんじゃないかな? なんか、起こすのも可哀想だし……」
「でも、こんなところで寝ていて大丈夫なのか?」
「まあ、あんまり良いことではないと思うけどね……。 でも、別に明梨1人で来てるわけじゃないし、私たちも一緒にいるんだから、少しくらい平気だよ」
「そっか。 まあ、少ししたら起きるかもしれないしな」
そうして机の上に置いたカップを口元に持っていく。
……そういえば。
このまま飲むと間接キスになるじゃないか……。
嫌だというわけではないが、どうしても意識してしまう。
どこか恥ずかしい気がする…………。
そうして飲まずにカップをまた机の上に戻すと、玲がくすくすと小さく笑っていることに気がつく。
まったく…………。
「そんなに面白いか、僕は」
「いや、うん。 なんか、見てると面白くて」
「それもこれも玲のせいなんだけどな……まったく…………」
「じゃあ私のこれ飲む?」
そう言って彼女が手に持っていたカップを差し出してくる。
席に着いてまだ飲んでいるところは見てないが、僕は彼女が飲んでいたところをしっかり目撃している。
引っかかってたまるか。
「玲だって、それもう口付けたろ。 いいよ、もう気にしないし、普通に飲むさ」
「ふーん…………」
そう言って再びカップを持った僕を、じろじろ見てくる玲。
…………なんか気まずいんだよな……。
「……あーもう、なんでそんなに見てくるんだよ恥ずかしい」
「あはは、優ってかわいい」
「褒めてるんだか貶してるんだかどっちなんだ」
挙げ句、意を決して飲んで、彼女の方を見てみれば何の反応もない。
なんだこいつ。
確信犯じゃないか。
「ところでさ、優って明梨のことどう思ってるの?」
「……え?」
これまた唐突でエグい質問をぶち込んでくる。
いつからこんな小悪魔キャラになったんだ?
「だってさ、優は入学式の日から明梨と一緒で、クラスも一緒で、すっごく仲良いじゃん!」
「ああ、確かにそうだね。 話しやすいし、良い人だと思うよ」
そうやって実際に思っていることを伝えると、彼女は何故か僕の顔を覗き込むようにして見る。
「え、今度はどうしたの」
「いいや? 何もないよ? 決して、優君は嘘つきだなー、とか思っていません!」
「いや、何故それをあえて言葉にした?」
「じゃあこれもあえて聞くね。 優は、明梨のことが好きなの?」
……どうやら僕は墓穴を掘ってしまったみたいだ。
好奇心に満ちた視線を僕に容赦なくぶつけてくる。
「…………答えないとダメか?」
「いや? 強制ではないけど…………答えてほしいなー……とは、思ってるよっ?」
そうして上目遣いで僕を見てくる。
こいつは小悪魔なのか、それとも小動物なのか……。
……これは、逃げられなさそうだ。
「……言うなよ?」
「もちろん!」
「僕は……明梨のことは…………好き……だ」
あ、今絶対僕の顔赤い。
そして、玲はというと……。
「そうなんですって、明梨さん。 今の聞きましたか?」
全力で明梨のことを起こそうとするのを見て、僕は必死に彼女のことを止めるのだった……。
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