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52.奇跡の鍛冶師3

 アースルトの外見は褐色の肌、金髪碧眼、背は高く全体的にがっしりしている。顔立ちも精悍さがある美青年と言う体である。他の線の細い半精霊たちとは少々異なる外見である。

 また、体中に刺青のような文様が在り異彩を放っていた。この文様は半精霊の証の一つの形であるが、アースルトは瞳も宝石のような輝きを持っている。これもまた、半精霊の証の一つである。大抵、半精霊の証は一つしか発現しないのでとても珍しい。アースルトはそれぞれ四属性の高位精霊の加護を受けていたらしい。

 そのアースルトは、というと


「ん~!美味い!!飯は久々だな~」


 とニコニコしてバスケットの中身を貪っていた。ちょっと吃驚するくらいに。


「そんなに食べたかったのか・・・」

「アースルトはとにかく良く食べますから」


 そんなアースルトを見てレストとミルシェは会話をする。レストはデザートの桃を食べている。ミルシェは食後のお茶を飲んでいる。そのことから分かる通り、確かに首を傾げるくらいの大きさのバスケットだったがアースルトの食べっぷりからすると丁度いいのだろうと推測される。なるほど、とレストは納得するのであった。

 満足したようにフォークを置いたアースルト。因みにバスケットの中身は空である。そんなアースルトにミルシェがお茶を渡す。ミルシェに礼を言い、アースルトはお茶を受け取り、満足げに飲み干すのだった。


「料理人に美味かったありがとうと伝えておいてくれ」

「えぇ、喜ぶでしょう」

「それにしても悪かったな、他にも菓子を用意してくれていたのに昼食までなんて」

「貴方は人間嫌いではないですが出不精ですからね。予想は付きますよ。たまには食事も食べたいでしょう」

「感謝する。甘味には困らないんだがなぁ」

「あぁ、度々彼らが来ているようですからね」

「あぁ、でもあいつ等は兎角面白い案件を持ち込む。こちとら鍛冶師なんだが、法具職人と間違えられている感がある」

「仕方ありません。特殊な法具となると初めは貴方に頼らざるをえないでしょう」


 アースルトとミルシェの会話はレストにはよく分からないが、“彼ら”が度々アールストを訪れているらしい。誰だろう、とレストは首を傾げる。それを見たミルシェがそれに答えた。


「レスト様はまだあの方たちにはお会いしていませんでしたね。エトルア国の四公爵家の内のニ家の御長男方なんですが、転移装置を開発した方々です。レスト様と同年齢ですから“学院”に通うようになればお会いになると思いますよ」

「そうそう、この前来て近々転移装置の改良版を出したいからと試作品依頼をされたところだ。ところでレストたちは何の依頼なんだ?ミルシェがいるから武器だろうが・・・」

「えぇ、レスト様の武器を依頼しようと思いまして」

「“精霊石”が入用ってことか?」

「えぇ、レスト様は用途ごとに武器が欲しいとおっしゃっていまして」

「なるほど、元の型はどうする?」


 アースルトは鍛冶師の顔になりレストに訊ねた。レストは少し考えてから


「じゃぁ、刀でお願いします」


 と言った。剣帯状態が一番邪魔にならず無難かと思われたからである。また、とっさの武器としては剣系が一番扱いやすいだろうと言う事をふまえたうえで、である。


「・・・元の型?」

「それは形が変わるからさ」

「伝説の武器とかで出てきたりする・・・?」

「そうさ。アレ等は俺が造った武器だからな」


 確かにミルシェに聞いていたがレストはそこの所は真実半分程度に考えていたのだ。何故なら変形する素材など無いはずであったから。


「だから“精霊石”が必要なのさ」


 そう言って、アースルトは不思議そうなレストに向かってウインクをして見せたのだった。


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何時も読んで頂いている方も有難うございます。

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