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10.誕生日プレゼントへの道のり6.5

更新が遅くなりまして…


 時は少し遡り、レストがまだカルスタールが話し合いをしている最中のことだ。ルシルードは書類準備の他、レストのパーティー準備のためメイドたちを尋ねていた。今は世話係りに当たる者たちを尋ねていた。

 ルシルードの前には3人のメイドたちがいた。一人は背が高い20代前半の娘だ。何処と無くルシルードに似ている。次には10代後半の娘で、目が少々吊上がっており表情は無い。だが、全体的には整った顔をしており無表情の上に更に何を考えているか分からないような精巧な人形の様な娘だ。最後には10代中ごろの娘である。まだまだ少女と言って差しさわりの無いあどけなさがある。あと数年たてばなかなか美人になりそうな娘だ。


「さて、リーファ。今、お客人がいらっしゃっているのを聞いていますか?」

ルシルードは背が高い20代前半の娘にそう声をかけた。

「はい、聞き及んでおります。父様」

ルシルードに似ているのは娘であるからであるらしい。

「そのお客人は我々の主の一人になる方です」

「…まさか旦那様は本当に坊ちゃんの願いを?」

 無表情のメイドがルシルードに訊いた。

「頭の痛いことだが、その通りです。ミルシェ。幸いなことにレスト様は聡明な方でとても10歳とは思えない程の譲歩も理解もしてくれていますがね…」

ルシルードは頭を振りつつ一つ溜息を吐いた。

「どうかしましたか?フルーレ」

 フルーレと呼ばれた10代中ごろの少女が答えた。

「あの、なぜ私も呼ばれたのですか?」

 心底不思議です、と顔に書いたような表情で訊いてきた。

「あぁ、君にはレスト様付きの侍女になってもらおうと思いましてね」

「えぇ!?私が、ですか?!」

「ええ」

「でも、私はまだまだ新米ですし…主様方の御付が出来るほどとは程遠いと…」

「いいえ、十分だと判断しました。二人がそう言っていましたからね」

「先輩方…」

「大丈夫です。自身をお持ちなさい、フルーレ」

 勇気付けるようにリーファが言い、それにミルシェが頷いている。

二人がフルーレを励ましているところにルシルードは更に続けた。

「フルーレ、あなたに決めた決め手は他にもあるのですよ」

「他ですか?」

 フルーレはまた不思議そうに返した。

「ええ、あなたは『祝福持ち』でしょう?」

 フルーレはそれが何か関係あるのだろうかと困惑しつつも頷く。

「あなたの主になる方も『祝福持ち』です。因みに鉱山などがある地方から来た方で、何時も周りには多くの地精霊が多くいる土地からいらっしゃったのです」

 フルーレは成程、と頷く。

「わたしの加護精霊も地精霊であるからですね。安心していただくためですか?」

「その通りです。環境が変わると人は不安になり不安定になりやすいです。その為にあなたが適任であると思ったのです。引き受けて頂けますね?」

「はい、若輩な我が身でありますが引き受けさせていただきます」



 余談ではあるが、このフルーレという少女、本来はメイドとして雇われた者ではない。本来の姿は技師である。彼女の出身地は温泉地帯にあり、彼女の実家も温泉宿を経営している。そんな彼女は地精霊の加護もあり、温泉作りの技師になったのである。彼女は『祝福持ち』の恩恵もありとても優秀だった。10代半ばで、既に温泉技師でもトップクラスの人材なのである。そんな彼女を引っこ抜いたのがカルスタールである。ファガー前侯爵は隠居し、今はファガー家領の田舎に引っ込んでいる。その屋敷に温泉を引こうと思ったことと、この屋敷にもついでに温泉作ろうとの安易な考えのもと雇われたのであった。しかも最高な技師がいいな、ということだったらしい。だが、しかし作った後はメンテナンスなどのみである。専属技師として雇われたもののそちらの仕事はそう無い。故に彼女はメイド仕事もするようになったのである。幸いなのはこちらの才能も持っていたことであろう。そのような裏事情が彼女にはある。



 フルーレの事情は置いておいて、ルシルードは目の前の3人に早速仕事を申し付けた。

「あなたたちも今日は忙しいでしょうが、レスト様の準備をお願いします。まず、入浴していただくので、そのお手伝いをして差し上げてください。レスト様はずっと浮浪児として生活なさってきていた様です。精霊たちが相当頑張っていたのか、浮浪児としては小奇麗ではありますがのぞむべくもありません。石鹸等もお使いになったことが無いのは想像に難くないです。その辺りも踏まえてお願いしますね」

「「「分かりました」」」

 三人は返事をして綺麗にお辞儀をした。



 こうして三人は浴室に向かう事になったのだった。

 そして、レストは三人に洗われることになるのだった。

今回はまた短いです。横道的なお話になっております。

とりあえずレスト付きの侍女が決まりました。


お気に入り登録していただいている方有難うございます。

何時も読んで頂いている方も有難うございます。

今後もよろしくお願いします。

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