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離婚できないなんて…  作者: マーたん


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38/52

最終章:家族になる、その先へ

登場人物(最終章:家族になる、その先へ)


⸻


■ 神崎(かんざき) 蓮(れん)


本名:相沢 蓮


職業:俳優


物語の主人公。


自由人。

感情で動くタイプ。

モテる。

面倒くさい。

でも、人を惹きつける。


最初は軽く見えたが、


* 本当は孤独を抱えていた

* 弱音を隠していた

* “平気なフリ”が上手かった


ことが徐々に明かされていく。


真希と出会ったことで、


* 怒られる

* 止められる

* 心配される

* 逃げられなくなる


という“普通”を知っていった。


最終章では真希へ正式にプロポーズし、結婚。


結婚後も、


* 服を脱ぎっぱなし

* 夜中にラーメン

* 怒られる

* でも懲りない


という相変わらずの性格。


しかし以前よりも、“帰る場所”を大切にするようになった。


一言でいうと

愛されながら矯正されていく男


⸻


■ 西園寺(さいおんじ) 真希(まき)


職業:警察官


真面目で不器用。

責任感が強く、“正しさ”を優先して生きてきた女性。


蓮との出会いは、スピード違反の取り締まり。


最初はただの問題人物だと思っていたが、


* 放っておけない

* 心配してしまう

* 感情を無視できない


状態へ変化していく。


この物語の中で最も変わった人物でもある。


朝比奈や蓮の家族と関わることで、


「正しさだけでは人は救えない」


と知っていく。


最終章では、


* 蓮の弱さを受け入れ

* 支える覚悟を決め

* 結婚を選ぶ


ことになる。


結婚後も完全に尻に敷くタイプ。


一言でいうと

正論で夫を管理する最強妻


⸻


■ 朝比奈(あさひな)


職業:芸能マネージャー


蓮を長年支えてきた女性。


冷静。

有能。

完璧主義。


しかしその実態は、


「全部一人で抱え込む人」


だった。


蓮を守るために自分を削り続けていたが、真希の存在によって少しずつ変わっていく。


最終章では初めて涙を見せ、


「隣で支えてあげてください」


と真希へ託す。


恋愛感情だったのか、家族愛だったのか、依存だったのか。


最後まで明確には語られない。


だからこそ切ない存在。


結婚後も相変わらず蓮のスケジュールに怒っている。


一言でいうと

誰よりも支えて、最後に手を離した女


⸻


■ 相沢(あいざわ) 美玲(みれい)


蓮の母。


元気。

豪快。

騒がしい。

感情全部出す。


しかし誰よりも家族を見ている。


蓮の変化にも、朝比奈の限界にも、真希の本気にも最初に気づいていた。


神戸署長とは幼馴染。


斜別管理官とは過去に関係があった。


最終章では、


* 父と大喧嘩

* 息子の結婚で号泣

* 式場で暴走


と最後まで嵐だった。


一言でいうと

全部引っ掻き回して全部愛してる母


⸻


■ 斜別(しゃべつ) 管理官(かんりかん)


職業:県警管理官


蓮の父。


圧が強い。

怖い。

無口。


だが実際は、不器用な父親。


仕事人間だったため家族との距離を作ってしまった過去がある。


真希との結婚には反対したが、本当は


「息子が誰かを本気で好きになったこと」


に戸惑っていただけ。


最後は不器用ながらも認める。


なお式では終始怖かった。


一言でいうと

愛情表現が壊滅的に下手な父


⸻


■ 神戸署長(こうべしょちょう)


蒼城中央警察署の署長。


この物語最大の被害者。


* 部下の恋愛

* 芸能人騒動

* 管理官

* 美玲

* マスコミ


全部に巻き込まれた。


常識人枠。


しかしなんだかんだ最後まで二人を見守っていた。


一言でいうと

胃痛で全てを支えた男


⸻


■ 若手署員たち


署内で全てを見届けた人々。


最初は野次馬だったが、最後には完全に応援勢になる。


* 公開プロポーズ

* 修羅場

* 夫婦喧嘩

* 交際疑惑


全部リアルタイム観測済み。


一言でいうと

一番楽しんでいた観客たち


⸻


■ この物語について


『結婚って何?』は、


恋愛だけの物語ではありません。


* 支えること

* 家族になること

* 誰かの弱さを受け入れること

* 正しさだけでは生きられないこと


を描いた物語です。


そして最後に残ったのは、


完璧な愛ではなく、


喧嘩して、怒って、振り回されても、

それでも隣にいる関係でした。


⸻


最後の一言


離婚しそうでしない夫婦が、

たぶん一番強い。

最終章:家族になる、その先へ


 結婚は、ゴールではない。


 むしろ。


⸻


 本当の地獄は、そこから始まる。


⸻


 特に。


⸻


 人気俳優。

 警察官。

 暴走する母。

 圧の強すぎる父。

 泣きながら怒るマネージャー。


⸻


 そんな人間たちが集まった場合。


⸻


 なおさらである。


⸻


*


「結婚!?!?」


⸻


 蒼城中央警察署 が揺れた。


⸻


 原因。


⸻


 もちろん。


⸻


 神崎 蓮 。


⸻


「なんで言うんですか!!」


⸻


 西園寺 真希 が真っ赤になる。


⸻


「え、ダメだった?」


⸻


「順番があります!」


⸻


「もう指輪あるけど」


⸻


 署内停止。


⸻


「は?」


⸻


 真希も止まる。


⸻


 蓮がポケットから小箱を出す。


⸻


「いや待ってください」


⸻


「サイズ合うかな」


⸻


「待ってください!!」


⸻


 若手署員たち。


⸻


(公開プロポーズだ……)


⸻


 地獄だった。


⸻


*


 その日の夜。


⸻


 神戸署長 は頭を抱えていた。


⸻


「なんでうちの署でプロポーズが発生する」


⸻


「青春ねぇ」


⸻


 笑うのは

相沢 美玲 。


⸻


「お前は笑うな」


⸻


 その時。


⸻


 ドアが開く。


⸻


 現れたのは――


⸻


 斜別 管理官 。


⸻


 空気、即終了。


⸻


「聞いたぞ」


⸻


 低い声。


⸻


「……何を」


⸻


「結婚」


⸻


 神戸署長、逃げたい。


⸻


*


「反対だ」


⸻


 即答だった。


⸻


「はぁ!?」


⸻


 美玲が立ち上がる。


⸻


「なんでよ!」


⸻


「蓮にはまだ早い」


⸻


「何歳だと思ってんの!?」


⸻


「真希を巻き込む」


⸻


「もう巻き込まれてるわよ!!」


⸻


 父と母。


⸻


 最終戦争、開幕。


⸻


「そもそもお前の育て方が――」


⸻


「アンタが仕事人間だったからでしょ!」


⸻


「誰のせいで県警で胃を壊したと思ってる!」


⸻


「知らないわよ!」


⸻


 神戸署長、遠い目。


⸻


「帰りてぇ……」


⸻


*


 一方。


⸻


 屋上。


⸻


 夜風。


⸻


 真希は黙っていた。


⸻


 その隣に、

朝比奈 が来る。


⸻


「……怒ってます?」


⸻


「少し」


⸻


 即答。


⸻


 真希が苦笑する。


⸻


「でも」


⸻


 朝比奈が空を見る。


⸻


「安心しました」


⸻


「え?」


⸻


「やっと、あの人」


⸻


 少し笑った。


⸻


「帰る場所作れたから」


⸻


 真希が黙る。


⸻


「朝比奈さん……」


⸻


「私ね」


⸻


 静かな声。


⸻


「ずっと怖かったんです」


⸻


 初めてだった。


⸻


 朝比奈が、こんな声を出すのは。


⸻


「人気が落ちたら」

「壊れたら」

「誰もいなくなったら」


⸻


「全部、一人で抱える人だから」


⸻


 真希が聞く。


⸻


「だから管理し続けた」


⸻


「……」


⸻


「でも、それじゃダメだった」


⸻


 少しだけ笑う。


⸻


「あなたが来てから、あの人ちゃんと怒られるようになったし」


⸻


「それ褒めてます?」


⸻


「かなり」


⸻


 二人で少し笑う。


⸻


 そして。


⸻


「お願いします」


⸻


 朝比奈が頭を下げた。


⸻


「今度は、“隣”で支えてあげてください」


⸻


 その目が少しだけ赤い。


⸻


 真希は静かに頷いた。


⸻


*


 数ヶ月後。


⸻


 結婚式。


⸻


 大騒ぎだった。


⸻


 芸能記者。

 警察関係者。

 美玲の号泣。

 斜別管理官の怖すぎる無言。

 朝比奈の徹夜管理。


⸻


 地獄。


⸻


 しかし。


⸻


 幸せだった。


⸻


*


「誓いますか?」


⸻


 静かな式場。


⸻


 蓮が笑う。


⸻


「はい」


⸻


 真希を見る。


⸻


「この人、放っとくと危ないんで」


⸻


「誰がですか」


⸻


「俺」


⸻


 会場が笑う。


⸻


 真希も、少し笑った。


⸻


「……誓います」


⸻


 その声は、昔よりずっと柔らかかった。


⸻


*


 そして。


⸻


 新婚生活。


⸻


 当然。


⸻


 平和ではない。


⸻


「蓮!!」


⸻


「はい!!」


⸻


「また服脱ぎっぱなし!!」


⸻


「俳優だから!」


⸻


「関係ありません!」


⸻


 怒られる蓮。


⸻


 近所の住民。


⸻


(仲良いなぁ)


⸻


*


「離婚危機って本当ですか!?」


⸻


 記者の声。


⸻


 数年後。


⸻


 蓮がため息をつく。


⸻


「しません」


⸻


 即答。


⸻


「なんでそんな噂が」


⸻


「夫婦喧嘩撮られた」


⸻


「……何したんですか」


⸻


「夜中にラーメン食った」


⸻


「それで怒ったんですか」


⸻


「健康管理」


⸻


 真希である。


⸻


「でも」


⸻


 蓮が少し笑う。


⸻


「離婚はない」


⸻


「なんでです?」


⸻


 その質問に。


⸻


 蓮は即答した。


⸻


「好きだから」


⸻


 真希、真っ赤。


⸻


「テレビで言わないでください!!」


⸻


 スタジオ爆笑。


⸻


*


 夜。


⸻


 家。


⸻


「……疲れました」


⸻


 真希がソファに倒れる。


⸻


「お疲れ」


⸻


 蓮が隣に座る。


⸻


「なあ」


⸻


「なんですか」


⸻


「結婚してよかった?」


⸻


 少しだけ不安そうな声。


⸻


 真希は数秒黙り。


⸻


 そして。


⸻


「……波瀾万丈ですけど」


⸻


 蓮を見る。


⸻


「悪くないです」


⸻


 その返事に。


⸻


 蓮は静かに笑った。


⸻


*


 出会いは、スピード違反だった。


⸻


 最悪だった。


⸻


 面倒だった。


⸻


 振り回された。


⸻


 怒った。

 泣いた。

 逃げた。

 ぶつかった。


⸻


 それでも。


⸻


 二人は、家族になった。


⸻


 その先もずっと、騒がしく。


⸻


 だけど確かに、幸せに。


⸻


完結


『結婚って何?』


⸻


離婚しそうでしない夫婦、ここに完成。

蓮と真希の夫婦生活 〜絶対に尻に敷かれている男〜


『結婚って何?』を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


さて。


最終章のあと、多くの人が気になったと思います。


「この二人、結婚後どうなるの?」


答えは簡単です。


蓮、完全に尻に敷かれます。


もう見事なくらい。


芸能界では、


* 色気がある

* ミステリアス

* クール

* 女性人気が高い


と言われている男。


テレビでは余裕たっぷり。

インタビューでも落ち着いている。

現場スタッフにも優しい。


なのに家では。


⸻


「蓮」


⸻


「はい」


⸻


「脱いだ服」


⸻


「はい」


⸻


「床」


⸻


「すみません」


⸻


 一瞬で負ける。


完全敗北。


しかも真希は別に怒鳴らない。


静かに圧を出すタイプ。


警察官特有の、


“静かな正論”


で追い込んでくる。


これが怖い。


蓮は元々、人に強く言われることに慣れていません。


芸能界では基本的に周囲が気を遣う。


だから最初は、


「なんでこんな怒られるんだ俺」


状態でした。


ですが、真希は容赦しません。


人気俳優だろうが関係ない。


むしろ。


有名人扱いしない。


ここが蓮にとって、ものすごく大きかった。


例えば。


夜中二時。


蓮、ラーメンを食べる。


すると。


⸻


「……何してるんですか」


⸻


 背後に真希。


⸻


「えっ」


⸻


「それ今日何杯目ですか」


⸻


「……二」


⸻


「三ですよね」


⸻


「はい」


⸻


 終わりである。


しかも真希は、ちゃんと健康面から詰める。


* 塩分

* 睡眠

* 体調管理

* 撮影スケジュール


全部把握済み。


朝比奈と方向性が似ている。


そのため蓮は時々言います。


⸻


「管理する女が増えた」


⸻


 しかし。


⸻


「何か?」


⸻


「いえ」


⸻


 即終了。


学習している。


結婚後の蓮は、“帰りたがる男”になります。


これはかなり大きな変化です。


昔は。


仕事が終わっても帰らない。

一人でいる。

誰にも弱音を吐かない。


そういう人間でした。


でも今は違う。


撮影終わり。


インタビュー終わり。


飲み会。


全部終わると。


⸻


「帰る」


⸻


 になる。


周囲が驚くほど早い。


俳優仲間にも、


「神崎、お前変わったな」


と言われる。


本人は否定します。


⸻


「別に」


⸻


 でも。


スマホを見る回数が増える。


真希からの、


⸻


『牛乳買ってきてください』


⸻


 みたいな連絡を見て、普通にスーパーへ行く。


国民的人気俳優なのに。


ネギ持って歩いてる。


しかも変装が雑。


結果。


バレる。


⸻


「神崎蓮だ!!」


⸻


「違います」


⸻


「ネギ持ってる!」


⸻


「だから何」


⸻


 意味不明である。


さらに夫婦喧嘩。


当然あります。


むしろ多い。


理由もしょうもない。


* 夜中のラーメン

* 洗濯

* 服

* スケジュール

* 無断外出

* ファン対応


など。


特に蓮は、


「黙って出かける」


癖があります。


これは独身時代の名残。


ふらっと一人になる。


すると真希は。


⸻


「連絡」


⸻


「忘れた」


⸻


「何かあったらどうするんですか」


⸻


「ごめん」


⸻


「既婚者です」


⸻


「はい」


⸻


 怒られる。


ただし。


本当に大事な喧嘩は、ちゃんと向き合う。


ここがこの夫婦の強さです。


逃げない。


蓮は昔、逃げる人でした。


病院からも逃げた。


感情からも逃げた。


でも真希は追いかける。


怒ってでも止める。


それを繰り返した結果、蓮も少しずつ変わっていった。


だから結婚後は、


「ちゃんと謝る」


ようになる。


これがかなり大きい。


真希もまた、変わっています。


昔は。


正しさ。

規則。

線引き。


それを何より大切にしていた。


でも今は。


“正しさだけでは守れない人がいる”


と知っている。


だから蓮の面倒くささも、弱さも、全部込みで受け入れている。


ただし甘やかしはしない。


絶対に。


そこが真希です。


あと重要なのが。


この夫婦、距離感が近い。


本人たちは無自覚ですが、かなり仲がいい。


例えば。


蓮がソファで寝落ち。


すると真希は文句を言いながら毛布をかける。


逆に真希が仕事で疲れて帰ると。


蓮は何も言わず、隣に座る。


別にドラマみたいな言葉はない。


でも。


自然に隣にいる。


それがこの二人です。


そして何より。


蓮は真希の前だと、かなり子供っぽい。


外では完璧な俳優。


家では。


⸻


「真希ー」


⸻


「なんですか」


⸻


「腹減った」


⸻


「さっき食べました」


⸻


「でも腹減った」


⸻


「知りません」


⸻


 大型犬である。


一方真希は。


絶対に世話焼き。


放置できない。


なので結局、


⸻


「……何食べますか」


⸻


 になる。


負けているようで、実は全部真希のペース。


蓮もそれを分かっている。


だから安心して甘える。


つまりこの夫婦。


一見すると、


“真希が尻に敷いている”


ように見えます。


実際かなりそうです。


でも本当は。


蓮が、“尻に敷かれる安心感”を覚えた。


これが一番大きい。


昔の蓮は、ずっと一人で立っていた。


誰にも頼らず。

弱さを隠して。

壊れそうでも笑って。


でも今は違う。


怒られても帰る。

喧嘩しても隣にいる。

面倒くさいと言われても笑う。


それができる場所を、やっと見つけた。


だからこの物語は、


「結婚して幸せになりました」


では終わりません。


これからも。


喧嘩する。

怒られる。

週刊誌に追われる。

朝比奈に説教される。

美玲が突撃してくる。


全部ある。


それでも。


たぶんこの二人は離婚しません。


なぜなら。


問題だらけでも、“帰る場所”になっているから。


それが、家族だからです。

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