表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女✖️モトカノ ~この恋、どちらが正しい?~  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/2

第二章:彼女の笑顔に、嘘はなかったか

第二章を読んでいただきありがとうございます。


今回は、蓮の前に再び現れた元カノ・椎名みくとの再会が中心になります。

過去に終わったはずの関係が、なぜ今になって動き出すのか。

そして、今の彼女・さくらとの関係にどんな影響を与えていくのか。


この章から少しずつ、三人の想いがすれ違い始めます。


静かな再会が、やがて大きな波になる――

そんな始まりの回です。


それでは第二章、本編をお楽しみください。

第二章:彼女の笑顔に、嘘はなかったか


 その夜、椎名みくからのメッセージを見つめたまま、俺は動けなかった。


 《まだ終わってないよ、蓮》


 その短い一文が、まるで鎖のように過去へ引き戻してくる。


 スマホの通知音が再び鳴った。


 《明日、少しだけ話せる?カフェ・アルクで、午後三時。話さないと、前に進めないでしょ》


 なぜ今なんだ。

 なぜ、三年も経った今になって――。


「蓮? まだ起きてたの?」


 台所からさくらの声が聞こえた。パジャマ姿でコップを持った彼女が、リビングへ顔をのぞかせる。

 俺は慌ててスマホを伏せた。


「ああ、ちょっと、レポートの締め切りが近くて」


 それは嘘だった。彼女に見抜かれていないか、内心ビクビクしていた。


 だが、さくらは微笑んだだけだった。


「頑張って。明日の朝、ちゃんと起きられるようにアラームかけてね」


 その笑顔が、胸に刺さった。


 今、俺は彼女に――嘘をついた。


 ***


 翌日、午後三時。

 俺はカフェ・アルクのドアを開けた。


 そこには、三年前と同じ横顔の椎名みくがいた。コーヒーに口をつけながら、俺が来るのを当然のように待っていた。


「……来てくれて、ありがと」


 その声は静かで、どこか懐かしい響きを持っていた。けれど俺は、席につくまでに深呼吸を二回した。


「本題から話せよ。俺は、今の彼女とちゃんと付き合ってる。お前に会いに来たのは――」


「まだ何も言ってないじゃん」


 椎名はふっと笑った。だけどその目には、妙な熱があった。


「“会いに来た”って時点で、まだ私に何か残ってるってことじゃないの?」


「そんなことない」


 そう言い切ったはずの言葉が、自分でも薄っぺらく聞こえた。


「私ね、三年前、ちゃんと謝れなかった。あなたを傷つけた理由も、本当のことも言わなかった」


「……今さら、謝られても」


「違うの。謝るだけじゃない。――私、やり直したいの」


 俺は言葉を失った。


「今さら何言って――」


「あなたの今の彼女、春日さくらちゃん。文学部の図書委員でしょ。優しくて、真面目で、料理が上手くて……でも、本当にあなたのこと、全部知ってるの?」


 何かが背筋を這い上がる。


「彼女は、あなたの“過去”を知らない。だけど私は、全部知ってる。あの時、あなたが壊れかけてたことも。私が、何をしたかも」


 椎名は静かに、それでいて確信に満ちた目で俺を見た。


「――彼女にはできないこと、私はできる。そう思ってる」


 俺は椅子の背もたれにのけぞった。


 これはもう、“再会”じゃない。


 宣戦布告だった。

第二章を読んでくださり、ありがとうございます。


ついに元カノ・椎名みくが本格的に動き出しました。

蓮にとっては終わったはずの恋ですが、みくにとってはまだ終わっていないのかもしれません。


そしてこの章では、蓮が少しずつ「嘘」を重ねていく流れになっています。

誰かを守るための嘘なのか、それとも自分のための嘘なのか――

これからの物語で、その意味が変わっていきます。


次の章では、さくら側の視点や、さらに深い過去の話も出てきます。

三人の関係がどう壊れていくのか、見守っていただけると嬉しいです。


感想・評価などいただけると、とても励みになります。

今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ