違和感ありまくり
メイドが出ていったのを確認した私は飛び起きて
赤いドレッサーまで行き鏡で顔を確認した
まず、部屋が赤と白で統一されている時点で予想は付いていたけどビンゴ!!
私が読んでいた転生悪役令嬢様の悪役令嬢アレン・ミカエリアの顔だ!小説の挿絵の顔そのもの!まさかこんな綺麗な顔になれるなんて…幸せ♡
いやー!夢にまで見た転生悪役令嬢としてこーして動けるなんて…♡あの時の穴に感謝しなきゃね♡
あ!でも、もしこのまま知ってるストーリー的に進んでいったら、お父様から皇子からのパーティーの招待状を受け取ったアレンがヒロインに嵌められて断罪イベントになるって事を思い出して試行錯誤しながら追放及び死刑をくぐり抜けて婚約破棄だけに終わらせるけどヒロインが納得いかないとか駄々こねだして皇子からヒロインへの償いとして魔王の住む城の魔王が大切にしている腕輪を献上しろとか言って〜…なんだったっけ…
「あれ、あんだけ読破したのに!!覚えてないなんてー、!」
あ、またつい口から出てしまった…
「お嬢様!?大丈夫ですか!?」
またあのメイドが勢いよく入ってきた
「だ、大丈夫よ、何でもないわ…」
やばい、絶対頭がおかしくなったとか思われたよな…
「そ、そうですか。…そろそろお時間が…当主様がお待ちですよ?…」
それだけ言うとメイドは部屋を出ていった
あー、忘れたー。とりあえずシナリオ通りに行こう
身支度を整えていざ!お父様の部屋に!
GO!!
コンコンっ
あれ?よし行くぞーって気合を入れたのに誰だろう?
「はい?どうぞ」
「失礼するゾ」
そういうと入ってきたのはもちろん
お父様
あー、待たせすぎて来ちゃったか
すまないね、お父様よ
「アラン・ミカエリア。」
低い少しハスキーボイスのお父様の声
へーこんな声なのか!
って感心してる場合じゃなくて
その声には少し怒りが混じっていた
「お、お父様…も、申し訳ございません。お父様のお呼び出しとの事で恥にならない格好をと思いましたら手間取ってしまい…急ぎ向かおうと思っておりましたが、久しくお会いしてなかったので…少々恥かしく…((/////」
みよ!長年磨き上げた語力の力!
「ふん、過ぎたことを機にする事はしない。」
よっしゃー!!!勝った!
「アラン、お前に招待状が届いていたのでな、それを渡そうと思って呼んだのだ。差出人は…」
「キール殿下ですね!」
「?あ、あぁ。よく分かったな」
やばいやばいつい、食いついてしまった…
シナリオ通り!まさにこの展開ですよ!!
「それでお父様!招待状はどこにあるのですか?」
興奮を抑えながらお父様に聞いた
「それなんだがあの招待状1度読むと消える仕組みになっていたらしく間違って開けてしまって消えてしまったんだ」
はい?ちょ、待って?ん?なんかおかしくない?
あれれ?私が間違ってる?1度読むと消える?
え?小説にはそんなの1文も書かれてなかったよ?
「だから、ワシが読んだ内容をお前に伝えようとここまで来たんだ」
おい、何読んどんじゃ、さっき間違って開けた言うとったやん!!
気になって開けたんだな。絶対意思あって開けたな!
「そ、それで招待状にはなんと?」
仕方ないから抑えてあげるよ。だから、一言一句間違えずに伝えてよね!お父様
「一月後の午後9時からキール殿下主催のパーティーを開くことになったから必ず出席するようにとのことだ」
うん、略さず書かれたとおりに仰ってくれよ
略すなよ
「わ、わかりましまわ。それではパーティーのために急いでドレスを仕立てなければ」
くっそーまぁいいや、とりあえずドレスを仕立てなきゃ内容は元より頭の中に入ってるし
ムカつくほどでもなかったけど味わいたかったじゃん?世界をさ…
お父様が部屋を出ていってからあの心配してたメイドが入ってきた
「お嬢様、ドレスの仕立て屋が来ました、」
早くない!?お父様とのお話終わってまだ数分だよ!?
「お嬢様の声が聞こえまして、すぐ手配を致しました」
「そ、そう。ありがとう、すぐに呼んで」
そう言うと少し驚いたメイドは、はい!っと明るく返事をして仕立て屋を呼びに行った
そういや、小説でも、いつもはお礼や謝罪なんてしないアランがメイドにお礼を言って驚かれるってシーンがあったはず…まさか、これなのかな?確かにありがとうとは言ったけど、こんな感じなのかな?
そんなことを考えてたらいつの間にか仕立て屋が入ってきて早速サイズやイメージなど話した
たしか挿絵のアランは整った顔に綺麗な黒髪で赤いドレスを身に纏った貧乳女子だったはずなのだが
「バストが急激に大きくなられましたね…」
って、仕立て屋おい、それ悪役令嬢様に言ったらぶち切れられるよ!
よかったね!転生悪役令嬢だから怒らないけど!
普通の悪役令嬢様だったら相当お怒りだからね!
でも、まぁたしかになんかスタイルは前の私にそっくり
顔だけアランで体は私?
なんか想像してたのと違ってるけど
いいのかしらね?