四十三話目。“でっかいちっさい”
ぽぽぽんに入り、静絵さんのとこへ向かわんとした時に……。
…………はあ、また変なの出た。
2m近くはある巨体のおっさんが目の前に現れた。
がっしりした体つき。
顔は……
一言で言うとしゃくれ。
……でいいよな。
「……あ、ああ、私もそう思った」
「………」
何だよーーー!喋れよーーー!
ってかどけよーーー!
「…………よろぴく」
!!!!
な、なにがっ!!?
意味わかんないしっ!?
よろぴくって!!
ぴっって!?ぴぃーーー!?
「け、健太くん。
落ち着きたまえ。
何やら握手を求めているようだぞ」
んえ?!ああ……
手を出してるのはそういう意味か……。
しないと、いけないパターン?
金剛は頷き、
「しないと、いけないパターン…だと思う……」
断ったら……多分、ねじ潰されそうだもんな……。
でも、ただ手…でかすぎ……。
僕の倍はあるよね。
握手したら、それはそれでやばいかも……。
「やらんと、やられるぞ」
金剛…間違いないな、それは。
……し、仕方ない。
僕は恐る恐るおっさんと握手するべく手を…!!!
<がちっ!!!>
「ぢゅああああああ!!!!」
痛い痛い痛いぃーーーー!!!!
手が潰れるぅーーーー!!!!
予想通りの展開。
おっさんに手を握られた瞬間、かっくじつに鳴ってはいけない音が聞こえたもん。
やばいっす!!
へーーーるぷっ!!!!
「親父ぃ!!そこまでにしたれぇっ!!
この子、痛がっとるやろっ!!」
おっさんの後ろからお止の言葉が聞こえ、それと同時に、僕は握手固めから開放された。
何方かはわからないけど……
何にせよ、助かったぁ〜……。
ありがと〜っす。
「健太くんのもがく姿は、いつ見ても飽きないな」
……この痛みはいつか、金剛にも味あわせてやるからな。
覚悟しとけよ……。
「……遠慮しておこう」
金剛との野暮な会話をしてる時、僕を救済してくれた主がひょっこりと登場。
「お前、名前何て言うねん」
声が聞こえた方向に目を向けても……いない?
いやいや、はい、目線を下へー……。
………………小さっ!
「お前今わいの事、ちび思うたやろ……。
…………んなこたぁわーっとるわ!!
はよ名前教えんかいっ!!」
怒られた……。
まだ何も言ってないのに怒られた……。
んー…まぁいいや……名前ね。
「……ケンタ…デス」
犬岸も言った方が良かったかな?
でもあれ言いにくいしなー。
「声ちいさーて、よー聞こえへんわー。
もっかいゆーて?」
あれが精いっぱいなのに……。
「…………ケンタ……デス」
これでどーだ!?
「……あーイライラするわー……
男ならこう……大きい声で、
バーーーーーーーーン!!!
と言えへんか?」
バーンのとこで大げさなジェスチャーを加えながら、この子はそう僕にまたもや怒る。
だで、精いっぱいだっての……。
………。
これはこれで嫌だ……。
<カンカンカンカン……>
ん…階段から誰かが降りてきた。
……静絵さんだ。
「道哉くん、そこまでにしてあげて。
この子は私のかわいい弟なんだから。
あんまり苛めると怒っちゃうわよ〜?」
静絵さんは笑顔で言った。
最後のとこは右手をグーにして、顔の横に添えながら。
あ、ちょいかわいい……。
ああ、何はともあれ静絵さん。
……助かりました。




