四十二話目。“ぽぽぽんの不思議”
「そういえば犬岸、あんま喋れんのだったな。
俺が一方的に話すがいいか?」
「……ウン」
ええ、全然構いません。
どんどん喋って下さいませませ。
「そうだな…………俺の名前はもう知ってるもんな」
「……ウン」
宮崎 翼くんですな。
ご承知ですぞ〜。
おっ…階段に差し掛かりますな。
「……犬岸はもう、部活決まったのか?」
「……ウウン」
部活か……。
絶対やんないと不味いのかな……。
「そうか……俺のお勧めは、運動部より文化部のほうがいいぞ。
サボれるからな」
ありゃ、見た目は真面目そうなのに、不真面目な事言いますな。
「ちなみに俺は陶芸部ってとこだ。
以前は卓球に入ってたがな、詰まらんから転部したんだ」
……以外に地味ねえ〜。
「あそこはいいぞ〜。
特に何もしとらんからな。
……まあ、あんまり顔を出すこと自体、しないがな」
……行けよ。……下駄箱に到着です。
「でな…うしっと、特にやりたいものがなければ、俺のとこに来な。
……でも、白川にもう誘われてるか。はっはっは!」
僕も靴を履いて…っと。
う〜んやりたいものね〜〜。
…………あれ?上様は何部なんだろ?
上様と一緒のとこでいいや。
「ふむ。
美樹はたしか……手芸部だったな」
おっ、そうなのか金剛。
たまには役に立つな〜。
「私のことを道具みたい言うな!
これでも神だぞ」
…………でも見習いのくせに……。
「うっ……!」
金剛の相手はこれまでにしてっと……。
……校門を出ますな。
「……なあ、犬岸に聞きたいことがあったんだがいいか?
はい、か、いいえだけでいいんだ」
「……ウン」
宮崎くん、何でしょかな〜?
「犬岸は日本人か?」
「………」
…………犬だから、いいえかな?
どーなの金剛?
「そーだな……」
金剛が考え込んでる中、宮崎くんが更に、
「けっこう何かさ、顔が外の人っぽいだろ?
あと、言葉を喋れないとなるとそう思うのも無理はないだろ」
僕、そんな風に見える?
「うむ。見えなくもない。
……だがここは日本人で通したほうが無難だな」
そうか。じゃあいいえか。
「どうなんだ、犬岸」
ふたたび、宮崎君が聞き返した。
ここがいいタイミングかな。
「……ウウン」
「なんだ違うのか。
……俺の推測は外れか」
推測って……。
僕をどーゆー存在に思ってたの!?
……あ、着いた。
「ん、ここが犬岸の……
お前、ぽぽぽんに住んでんのか!?
すげぇーな!」
?
何が??
「ああ……
特に大した意味は無いんだ。
じゃあな、また月曜だな」
そう言って左手を上げ、宮崎くんは去っていった。
…………
最後のどーゆー意味なんだろ……?
金剛わかる?
「……さあ?」




