十八話目だ。“僕ジェントルらしいよ?”
「ごめんカナりん何なのかさっぱり分らない」おっ……。「え?わかんない?北極でクマと暮らしてるペタペタだよ」うまく伏…「北極?トド?」…「惜しい!」どこが…「違うの?じゃあ、アシカ!」…。「そーゆータイプじゃないんだなー」「でも北極のペタペタなんてこれくらいしか」「ヒントは鳥!」「!! あ〜〜〜〜!!ペンギンね!!」「ペンギン……そうよ!!それそれ!!何か姿出てきたけど名前ド忘れしちゃって」「何それ〜〜!」
「ハハハハハ〜〜〜!!」「ハハハハハ〜〜〜!!」
あ……終わっちゃた。
「あっ!
そうだ!
この後みきやんの家で勉強しようっ事なってるんだけど、
犬岸くんも来るよね。
来るに決まってるよね。
もしかして、
行きたくないなんて思ってないよね?
来るよね?
来てくれるよね?
絶対、
来るよね?
はい!
決定!!
みきやん、
犬岸くん来るって〜」
僕は一切、
リアクションを取っていません。
断りたかったけど……
その余地がありませんでした。
金剛〜……。
「仕方ないな。
最終手段だ。
走って逃げろ」
いいの?
それで?
「でも健太くん。
勉強どころでは無いだろう。
逃げたまえ。
海にダイブするまで逃げたまえ!!」
遠い!!
それ!!
大体!
カバン盗られたままだし!
僕のカバンはしっかり白川さんの肩にかかったままだ。
(滝水中のカバン………。
男子はショルダータイプ、
女子は手提げタイプなーーのです)
「じゃあ、
承諾したふりをしてかばん返して、
と彼女に願ってみたらどうだ」
で、返してもらったら、
即、逃げ、と。
「うむ」
では早速チャレ〜〜ンジ!!
僕は自分の肩を指差し、
カバン、カバン、と白川さんにジェスチャーで訴えた。
「あッ!
ごめんね〜」
返ってき……
あれ?
何で彼女は自分のカバンまで僕に渡すの?
「みきやん!みきやん!
犬岸くん!
カバン持ってくれるって!
やっぱり他の男子たちと違って、
紳士よね〜
犬岸くんって!」
何でそうなりますか……。
ああっご主人さままで!!
……ハア。
「これは……
まいったな。
しかしな自分のカバンは戻ったんだ。
彼女たちのカバンを置いて逃げるってのも手だ」
いや〜無理っしょ。
「仕方ないな……。
機を待つとしよう」
で、僕はご主人さまの家まで……
僕ん家でもあるか。
まあ、カバン持ちやらされるはめに……。
何とかしてよ金剛〜。
「どら焼きと交換条件だ」
持ってねーよ!!
……やっぱり、
静絵さんと同じネタの引き出しなんだな。
「言ってる意味がよくわからないが……?」
あ〜流してもらってもいいよ。
うん。
トドとかって北極にいましたっけ?
………。
気にしちゃ〜だめだね。
いるさ!!
信じれば夢は叶うんだ!!
……よね?