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孤独の栽培人~栽培アプリで生活向上~  作者: 骨肉パワー
二章 ブラッド・バケーション

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第43話

「地獄への片道切符をくれてやる…!!」


 間髪入れずに大助に止めを刺そうと女が追撃に出る。


「最高だ…ワクワクが止まらねえよ!!」


 それに合わせ大助も前に出る。予備の十手をスマートフォンから引き抜き迎撃態勢へと移行。


(チャンスは1度だけ。タイミングもシビア。だがやるしかない。まあ失敗したら死ぬだけの話さ)


「さあ来いよっ!そのオモチャなら俺を殺れるかもなぁ!?」


「馬鹿が…!!防御など意味がない事にまだ気が付かないのか!?」


「それは刃の部分だけの話だろ?」


 大助が大鎌の刃の部分を避け、持ち手を狙い十手を打ち付ける。


「なっ…!?」


 そして勢いが落ちた大鎌を、大助はその体で受け止めていた。


「お~痛たたたた…!おいおい~どれだけ俺を喜ばせれば気が済むんだ?」


 刃が大助の腹部に突き刺さり肋骨を抉る手前で停止する。それは捨て身の作戦。大助は自身の肉と骨を使い敵の武器を無力化したのだ。


「ダメだな~…しっかり体重を乗せないと人間の骨は断てないのさ」


「貴様っ…!?」


「返礼と言っちゃなんだが、特別に面白いものを見せてやるよ」


 噴き出す血を気にも留めず大助がスマートフォンから新しい十手を取りだす。その十手は「封」という文字が刻まれた白い布でグルグルに巻かれていた。


「なんだ…?…その武器は……」


「気づいたか?こいつはまだまだ調整中のヤバいやつさ」


 マッチを擦るかのように布に十手を擦り付けながら大助が十手を構える。その手にもつ十手は深紅へと色を変えていた。大助が反撃の一撃に転じる。


「曰く。こいつは竜でもブッ飛ばせるくらいの威力をしているらしい」


 左手で女の喉元に十手をエグリ込ませる大助。


「むぐぐぐっ…!?」


「試してみようじゃないか。___‘魔草術<彼岸花>‘」


 十手の先端部分に仕込まれていた自爆草が爆発し女の纏う風の障壁を貫通。中空に鮮やかな血と魔力の花を咲かせ、女の体は再びホテルへと吹き飛んだ。


「お~…凄い火力だな。これなら十分切り札として使えそうだ……ん?」


(結界が解除されたのか?)


 僅かに口元を歪ませる大助。それはつまり女にはもう結界の維持に意識を割く余裕が無いということの表れだ。


(余剰なエネルギーをカットして俺に対処するつもりか。まあ当然の判断だな)


「だけどな…マニュアル通りの行動がいつも正解とは限らない。だからこそ面白いんだよなぁ!?」


 大鎌を腹から抜き出し、今度は大助の方から猛スピードで追撃を仕掛ける。


(スーパーポーションでは欠損した右腕は治らない。だが今はそんな事はどうでもいい。あんたも奥の手を見せた以上短期決戦で決着を付けたいんだろ?ならこっちから仕掛けてやるよ)


 ホテルの壁をブチ壊し寝室のベッドを蹴り飛ばしながら奇襲攻撃を仕掛ける。女が手にしていた謎の瓶を蹴り飛ばし女への追撃を続ける大助。


「…ぐうっ…!?」


(あの瓶が回復薬だな。だが残念、それは使わせない)


「さあさあさあ!!クライマックスにはまだ早いだろ!?もっと俺に見せてくれ!!土壇場で光り輝くあんたの命の躍動を…!!」


 迎撃に転じてきた女のナイフでの突きをギリギリで受け流し、十手の鈎を使いナイフの刀身を右斜め方向に弾き飛ばす。


「化け物が…!!」


「もっと楽しめよ!?二度と訪れない「今」「この瞬間」を!!」


 そのまま体の軸を逸らさずに右足蹴りを女の頭部に叩き込む大助。だがこれは失敗。しっかりと女の左腕でガードされてしまう。


(そうだ。これだよこれ。この輝きが俺の魂を震わせる)


 絶頂に打ち震えつつも大助は攻めの手を緩めない。隙を見て女の足を刈り取り地面へと転がす。


「ぐっ…!」


「おっとっと…!!」


 女の左腕を足で抑えつつ右腕を十手で拘束する大助。場は再び拮抗状態に突入した。


「Whoooooooo!!流石は歴戦の殺し屋だ!あんたクソ強いな!!」

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