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  作者: リバー
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6/6

○○○の心臓の音

街から、一つのグループに関わった人間たちが完全に消え去った。

和也、大介、真由、賢治、そして達也。警察もマスコミも、この連続失踪事件の真相を掴めずにいた。

最後に残されたのは、和也の隣の部屋に住む、ただの大学生、タクヤだった。

彼は、隣室から始まった一連の怪異の「音」を、壁越しにすべて聞いてしまっていた。

時計の遅れる音。耳鳴りのような呟き。階段を這い上がる無数の足音。ノイズ。

そして、肉を喰らう音。 

それらの音が、毎夜、確実に自分の部屋の壁へと近づいてくるのを、タクヤは生きた心地がしないまま耐えていた。

今夜も、壁の向こうから


「ミシ……ミシ……」


と、何かが這い回る音が聞こえる。


「もう嫌だ……何も聞きたくない!」 


タクヤは狂ったように叫ぶと、机の引き出しから、工業用の強力な遮音耳栓を取り出した。

それを指で細く丸め、両方の耳の奥深くへと、鼓膜が破れるほどの勢いで押し込んだ。


世界が一瞬で変わった。 すべての音が消えた。

壁の擦れる音も、外を走る車の音も、風の音も、何一つ聞こえない。完全なる無音の世界。

タクヤはベッドに倒れ込み、ようやく訪れた平穏に、涙を流して安堵した。

(勝った……。音が聞こえなければ、あいつらも僕を見つけられないはずだ) タクヤは目を閉じ、眠りにつこうとした。 

しかし、完全な静寂の中で、別の音が自己主張を始めた。 


「ドクン、ドクン、ドクン。」


それは、彼自身の体内を巡る血流の音であり、激しく脈打つ心臓の音だった。

遮音された世界では、自分の内側の音が、まるでスピーカーで拡声されたかのように大きく響く。 


「ドクン、ドクン。」


 タクヤはその音を聞きながら、次第に呼吸を落ち着かせていった。

鼓動の間隔が少しずつ長くなる。 


「ドクン……、ドクン……、ドクン……。」そのときだった。タクヤの心臓の音が、一瞬、不自然に跳ね上がった。


 「ドクン、トントン」 


心臓の鼓動のすぐ後ろに、別の小さな「リズム」が混ざった。

それは、まるで誰かが、タクヤの心臓を内側から指先で叩いているかのような音だった。

(な、んだこれ……? 僕の体の中……?) タクヤはパニックになり、耳栓を引き抜こうとした。

しかし、焦るあまり指が滑り、耳栓はさらに耳の奥へと押し込まれてしまう。

体内の音は、さらに鮮明になっていく。


「ドクン、トントン、クチャ」


不快な咀嚼音が、自分の胸の裏側から聞こえる。

肺が、肋骨が、内側から何かによって削り取られていく音が、骨を伝って脳へとダイレクトに響いてくる。


そして、タクヤの喉の奥から、彼自身の声帯を無理やり震わせるようにして、聞き覚えのある「五人の声」が混ざり合った音が響いた。


『見ーつけた』 


タクヤの口が、彼の意志とは無関係に、大きく引き裂かれるように開いた。

耳栓で守られた静寂の世界の中で、彼は自分自身が内側から


「喰い尽くされる音」


を、最後の瞬間まで誰よりも特等席で、鮮明に聞き続けることになった。

翌朝、主を失った部屋には、ただ、秒針の止まった一つの時計だけが、静かに壁に残されていた。


さて、6つの音の物語はどうでしたか?楽しめましたでしょうか?

うん?

なにか聞こえますね。

これは.........心臓の音?これはだれの心臓の音かな?


とても大きな音ですね。なにかが音がんるほうに向かって行きましたね。


「コツ、コツ、コツ」


「後ろだよ後ろだよ後ろだよ後ろだよ」


「クチャ、クチャ」


あら、見つかってしまったみたいですね。絶対に後ろは振り返らないでくださいね。



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