表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

はじまり の はじまり

 少女は、菊の花に水をあげていた。


 

 作られたモノ(・・・・・・)である彼女はそれをするように命令されていて、それしか知らなかったのだ。


 今日も独り、訪れるはずのない製作者(・・・)のために、この核シェルターの住み心地を良くしようと腐心する。


 そうして、いつの間にかシェルターは一面、菊の花畑になっていた。


 ……トントン……


 ふと。


 何年も訪れるものがなかったシェルターの扉を、叩く音がした。


「ここであってるの、スネイク?」


『“アップル”と同じ最新技術を使ってるのは、ここだけだからなあ。


 ここに誰かいなきゃ、もうどこにも誰もいないさ』


 そんな声が、扉の向こうから聞こえる。


 『……旅して思ったけどよお。


 お前ら有機体(・・・)は疲れたり燃費が悪かったりで、マジで面倒臭いのな。

 

 俺や製作者(・・・)みたいに機械だったら良かったのによお』


「ははっ、まあね。

 お陰で、コピーして増えることも出来ない」


『……ん?


 おい、アダム(・・・)


 お前、人間の増やし方(・・・・・・・)、知らないのか?』



 製作者(・・・)作られた人間の少女(・・・・・・・・・)……イブ(・・)は、初めて聞いた、自分以外の声に衝撃を受けた。



 そして、そのままフラフラと扉へ近づいて。


 取っ手を、ゆっくりと、握りしめる。


 不思議と、怖さはなく。


 これから(・・・・)何もかもうまく行く(・・・・・・・・・)……そんな気が、していた。

他にも変な小説書いております。


短編 『市販の水素水には健康に良いと言う科学的根拠は全くない』とか言う無知蒙昧な人々に『私が間違っていました』と泣いて全裸土下座させることを目的とした小説

http://ncode.syosetu.com/n6297eb/


中編 『ブレーメンの屠殺場』http://ncode.syosetu.com/n9431ct/


長編 『豚公爵と猛毒姫』

http://ncode.syosetu.com/n8014ci/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 少女のいたシェルターの名前、リリスですかねぇ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ