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半分男

 「ねぇ、しってるー?半分男が出たらしいよー」

「ハンブンオトコ?」

 発音は、『はんぶんおとこ』ではない、『はんぶん、おとこ』だ。

 そんなよくわからない話はすぐに頭から消えた。

 しかし、意外にもその日のうちに、わたしは遭遇した。

 半分男に。

 放課後、ひとりで帰宅していたわたしの前に、半分男は現れた。

 頭のてっぺんから股下まで、すっぱりと縦に割られ、その片割れだけが器用に片足で跳ねている。

 わたしは恐怖から、動くことも叫ぶこともできず、ただ立ち尽くしていた。

 半分男はぴょんぴょんと跳ねながら、近づいてくる。

          ぴょん。

       ぴょん。

    ぴょん。

 ぴょん。

ぴょん。

ぴたり。

 止まった。わたしの、隣で。

「…」

 半分だけの顔が、値踏みするかのようにのぞきこんでくる。

 そして、半分だけの唇が、上向く。

「みーつけた」











「ねぇ、しってるー?半分女が出たらしいよー」

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