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卵の眼
休日のお昼。わたしは袋ラーメンのトッピングとして茹で玉子をつくることにした。
鍋に水を張り、そこに卵をいれる。そのまま10分少々煮込めば完成だ。
ぼうっと待つのも退屈なので居間でテレビを見る。
しばらくして、キッチンに戻る。
ぐつぐつと音をたてる鍋の中で卵が煮込まれている。しかし、その卵から雲のような白い塊が吹き出していた。
しまった。わたしは火の勢いを弱める。どうやら卵にヒビが入っていたようだ。
箸を取りだし、塊を取り除く。
ころん。鍋の中で卵が転がる。ヒビがあらわになる。そこには、眼が。
箸が止まる。
眼は光沢のある黒一色。人のそれではない。鳥の眼だ。
視線が合う。何か訴えるような、その眼。
気づくとわたしは卵を三角コーナーに流していた。そしてコーナー、そして鍋もゴミ袋に突っ込んだ。
その後しばらくは水以外は口にいれる気にならなかった。しかしそれも三日もすると収まってきた。
ただ、いまでも卵だけは食べる気になれない。あの眼が出てきそうで、たまらなく不安になる。




