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私、太っちゃった(はーと)
とある女性たちの会話。枝毛のひとつも見当たらない見事な黒髪をなびかせ、ひとりが話題の口火を切る。アーモンド型のパッチりとした瞳をきらきらさせて、いかにも嬉しそうに。
「きいてよー。わたし、やっと45キロきったのー」
話しかけられた他方は、ショートカットの似合う快活そうな女性。透き通るような白い肌が清廉な雰囲気を高めている。
「えー、いいなー。あたしなんてまだよんじゅ…やだ!言わせないでよー」
きゃっきゃっと騒ぐふたり。二人とも見た目も、性格もまったく違うが、共通しているのは、どちらも「不美人」であるということだった。
その時、彼女たちのそばを一組のカップルが通りかかった。
二人は、ピタリと会話を止め、そのカップルが見えなくなるまで凝視した。
やがて、黒髪の女性が嘆息する。
「はぁ、さっきの女性、ホンとにキレイだったね」
「うん。…あの細い手足、みた?羨ましい」
「そうそう、骨と皮だけで、ムダがまったくなかったよね。それに頬なんかべっこりへこんでてー」
「わかるー!やっぱり頬が痩けるくらいじゃないとね」
二人は大きくため息をついた。
「「やっぱ、30キロ切らないとねー」」




