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人の部屋に土足で入るってどんな神経?

「いたっ!いま、噛んだでしょ」

「ごめんごめん。つい、ね」

「もー、やさしくしてよー」

 甘く、やわらかな午後のひととき。狭いアパート一室は、秘密の愛の巣。愛し合うふたりのむつごとが交わされる。

 やわらかな午後のひととき。いざ、その時が近づく‥

 突然開かれる玄関ドア。どかどかと土足で男女が上がり込む。手にはカメラとマイクが。

 彼らは、驚き固まるカップルをよそに、カーテンを勢いよく開け、窓を押し開いた。そこには聴衆が。なにかを期待するように待ち構えていた。

「あなた!女性の体に噛みつくなんて、旧時代の男尊女卑の感覚をまだ引きずっているのね!許せない!それに、まぁ!なんてこと!女性の上に跨がるだなんて!女性の権利に対する冒涜だわ!きぃー!恥を知りなさい!」

 激しくシャッターが切られる。カップルはなすすべもなく、ただ布団に身を隠すだけ。

「あなた!つい一年前に別れたばっかりでしょう!?もう別の男の同じベッドで寝るだなんて、破廉恥極まりないわね!許せない!‥ここで、彼女の元恋人からのコメントをどうぞ!」

【‥あぁ、あいつ?ちょっとMなんだよねー】

「あぁ。なんていやらしい。不潔だわ!きぃーー!恥を知りなさい!写真とるんだから、隠さないで!‥スタッフ!!!」

屈強なスタッフが布団を剥ぎ取る。カップルはガタガタ震えるばかり。

「さぁ、お聞きのみなさん。こんな破廉恥なふたりをどう思いなりますか?」

「「わーわー(聞き取れず、文字起こし不可。意味不明な文言のようであった)」」

 キャスターは満足げに頷き、カップルにぐっと顔を寄せる。

「私たちはこんなことしたくないの。でも、ほら、視聴者が求めてるから、ね?」

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