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全てカウントダウン!
カウントダウンが、はじまる。
「さあ!運命の人と出会うまであと、3!」
休日のカフェの店内で、唐突にはじまった。僕は読んでいた文庫本をおいた。
「2!」
視野を広く、撫でるように周囲を見渡す。
「1!」
カランコロン。入り口のベルがなり、ドアが開く。
「0!」
こうして彼女と出会った。
「さあ!初キスまであと、3!」
少し遠出して、絶景の夜景を彼女と二人味わっている時だった。
「2!」
そっと手を握る。
「1!」
顔を寄せる。
「0!」
そのあと、別のカウントダウンもあったのだが、こればっかりは余計だと思った。
「さあ!子どもが産まれるまであと、3!、」「さあ!喧嘩になるまであと、3!」「さあ!仲直りまであと、3!」「さあ!、」「さあ!」「さあ!」「さあ!」「さあ!」「さあ!」
「さあ!奥さんのご臨終まであと、3!」
年老い、シワだらけの妻の手を握る。
「2!」
僕も、老いた。
「1!」
孫たちが妻の横たわるベッドに駆け寄る。
僕は妻に身を寄せた。
「愛しているよ」
「わたしも」
「0!」
医者が脈をとる。看護師たちはばたばたと慌ただしい。
息子夫婦や孫たちは呆然と立ち尽くし、あるものは泣き崩れていた。
そのとき、例のカウントダウンが始まった。
「さあ!奥さんのもとにいくまであと、3!」




