同罪と合コン
暴行、恐喝、強盗、殺人、麻薬。犯してない罪のほうが少ない。そんな俺が死刑なのは当然だ。
首に縄をかけられ、絞首台の上に立たされる。あとはオチルだけだ。
ふと、隣に視線を移す。いち、にぃ、さん…3人いる。俺と同じように首に縄をかけられている。
執行人に話しかける。
「同時に吊るすとはね。あいつらは何やったんだ?コロしか?」
「いや」
「ふん。じゃあテロとかか?」
「いや。あの3人はなーにもしちゃいねぇよ。強いていえば、おまえと同じ町の出身ってことだな」
捕まった時以上の衝撃。俺と同郷?それだけの理由で?
若い執行人は、驚き目を剥く俺をみて楽しそうに笑った。
「連座制ってやつさ。お前みたいな犯罪人を二度と生みださねぇためのイケニエってとこだろ。犯罪抑止に効果あるみたいだぜ?なにせ、まるで関係ない犯罪人のために自分が巻き添えくうかもしれねぇってんだからな。いまや、みーんな互いを見張ってるよ」
人と人との関係が希薄になっているとは言うが、こんな行き過ぎた方法があるなんて。
「で、でもあの3人はまったく関係ないんだろ。だったらせめて罰金とか、」
「犯罪者が語ってんじゃねぇよ」
若い執行人が俺の脛を蹴りつける。
「あの3人が死ぬのはてめぇのせいだ。あーあ、かわいそうになぁ、一人は平和な家庭の主婦で、一人は、未来有望な野球少年で、一人は子供ができたばったの働き盛りの会社員。その3人の人生はてめぇのせいでもうオワリだ」
「こんなの間違ってる!」
「だから、それはてめぇのせいだって言ってんだろ!」
若い執行人が拳を振り上げた瞬間、怒声がとんだ。
「やめろ!さっきからなにやってるんだ」
上司だろうか。ガタイのいいもう一人の執行官が現れた。
「遅いから様子を見に来たらこれだ。いつまでだらだらやってんだ」ちらりと時計をみる。「合コンに遅れるだろうが」
「さーせん、先輩。ちゃっちゃとやりまーす」
ふざけた敬礼。
なんなんだこれは。これは現実か。こんなの間違っっっ-------
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