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《凶宴-CARD》  作者: shogo5


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61/117

『死を纏う四枚目』【13】

A「安らかに――」



A「眠ってくれ」









一方――





シオン「…………父上」





目の前に――



立つ。



一人の男。





かつて。



アルヴェリア王国を――



治めていた王。





そして――



シオンの。



父。





シオン「…………」





分かっている。





父は――



死んだ。





あの日。



崩れた王城で。





自分の手で――



触れた。





冷たくなった――



その身体に。





それでも。





シオン「父上――」





国王「…………」





返事は――



ない。





ただ。





剣を――



構える。





シオン「…………!」





その構えを。



シオンは――



知っていた。





何度も――



見てきた。





幼い頃から――



ずっと。





国王「…………」





ダッ――!!





シオン「――ッ!」





来る。





いや――





見えている。





振り下ろされる――



剣。





その軌道も。





避けるべき――



場所も。





その先まで――



見えている。





なのに。





シオン「…………父上」





自分へ――



剣を振るう。



父。





その姿に。





ほんの――



一瞬。





身体が――



止まる。





シオン「――ッ!」





ギィンッ――!!!





咄嗟に――



受ける。





シオン「くっ……!」





重い。





剣を通して――



腕が。



痺れる。





国王「…………」





間髪入れず――



次の一撃。





ギンッ!!



ギィンッ!!!





シオン「くっ――!」





受ける。



流す。



下がる。





見えている。





次も。



その次も。





それでも――





シオンから。



剣は――



振られない。





国王「…………」





ブンッ――!!!





シオン「――ッ!」





また――



見える。





剣が。



どこを通るのか。





どう避ければ――



届かないのか。





分かっている。





一歩――



下がればいい。





それだけで――



躱せる。





なのに。





その未来にいるのは――



自分へ剣を振るう。



父。





シオン「…………ッ」





一歩が――



遅れる。





ザシュッ――!!





シオン「ぐっ……!」





刃が――



肩を。



斬り裂く。





鮮血が――



飛ぶ。





シオン「…………ッ」





見えなかったんじゃない。





見えていた。





それでも――



避けきれなかった。





国王「…………」





止まらない。





踏み込み。





横薙ぎ。





シオン「――!」





ギィンッ!!!





受ける。





だが――



傷ついた肩に。



力が入らない。





ガキィンッ――!!!





シオン「ぐっ――!」





剣が――



弾かれる。





直後。





ドッ――!!





シオン「がっ……!」





国王の蹴りが――



腹へ。



突き刺さる。





シオンの身体が――



吹き飛ぶ。





ドサッ――!!





ザザザザッ――!!!





地面を――



転がる。





シオン「っ……」





口元から――



血が。



一筋。





シオン「…………」





それでも――



剣を支えに。



立ち上がる。





国王「…………」





再び――



構える。





シオン「…………ッ」





その姿を。



知っている。





その足運びも。





剣の構えも。





何もかも――



知っている。





だからこそ。





シオン「…………父上」





身体が――



動かない。





国王「…………」





ダンッ――!!





再び――



迫る。





シオン「――ッ!」





未来が――



見える。





踏み込み。





横薙ぎ。





一歩――



下がる。





それだけで――



いい。





シオン「…………」





だが。





目の前には――



父の顔。





シオン「くっ――!」





また――



遅れる。





ザシュッ――!!!





シオン「ぐあっ――!」





脇腹を――



刃が。



斬り裂く。





鮮血が――



地面へ。



落ちる。





シオン「はぁ……」



シオン「はぁ……」





肩。





脇腹。





口元。





身体に――



傷が。



増えていく。





それでも。





国王には――



傷一つ。



ついていない。





シオン「…………」





未来は――



見えている。





攻撃が――



見えないわけじゃない。





国王の剣が――



速すぎるわけでもない。





自分が――



弱くなったわけでもない。





ただ。





父が――



自分へ。



剣を振るっている。





その事実を――



目の前にするたび。





心が――



止まる。





そして。





身体が――



遅れる。





国王「…………」





ダッ――!!





シオン「くっ――!」





ギィィンッ!!!





再び――



剣がぶつかる。





シオン「ぐっ……!」





傷ついた肩が――



軋む。





押される。





一歩。





また――



一歩。





シオン「…………ッ」





剣を返せ。





そうすれば――



いい。





未来は――



見えている。





次の攻撃を躱し。





そのまま――



踏み込めば。





自分の剣は――



届く。





シオン「…………」





父へ。





シオン「…………ッ」





できない。





父を――



斬れない。





死んでいると――



分かっている。





あの日。





父の死を――



自分自身で。



受け止めた。





それでも。





目の前で――



動いている。





父の姿を。





もう一度――



斬ることなど。





シオン「…………できるかよ」





国王「…………」





ブォンッ――!!!





シオン「――ッ!」





ギィンッ――!!!





辛うじて――



受け止める。





シオン「ぐっ……!」





剣と剣が――



噛み合う。





目の前に。



父の顔。





シオン「…………」





違う。





父が――



こんなことを。



望むはずがない。





死してなお――



剣を握らされ。





自分の息子へ――



剣を振るう。





こんなことを――





シオン「…………ッ」





シオンの目が――



動く。





父の向こう。





一人の男。





No.4。





そして――



その傍ら。





地面に立てられた――



巨大な棺。





シオン「…………」





こいつだ。





父を――



こんな姿にしたのは。





シオン「No.4――!」





No.4「…………」





ギィンッ――!!





国王の剣を――



弾く。





シオン「父上を――」





シオン「解放しろ」





No.4「…………?」





国王「…………」





ダッ――!!





シオン「――ッ!」





また――



未来が見える。





避ける。





そのはずが――





ザッ――!!





シオン「ぐっ……!」





刃先が――



胸元を。



浅く裂く。





また。



一歩――



遅れた。





それでも。





シオンの視線は――



No.4から。



逸れない。





シオン「聞こえなかったのか……!」





荒い――



息。





傷口から――



血を流しながら。





シオン「父上を――」





シオン「解放しろ!!」





No.4「…………」





僅かに――



首を。



傾げる。





No.4「…………解放?」





シオン「…………」





No.4「何から――?」

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