『変幻の三枚目』【11】
セイ「弓だ」
シオン「…………!」
その瞬間――
シオンの視界が。
揺らぐ。
――未来。
紫の閃光が――
シオンの頭を。
貫いていた。
シオン「――!!」
考えるより――
先に。
身体を――
倒す。
次の瞬間。
ヒュォォォォン!!
シオン「っ!!」
紫の閃光が――
頭上を。
通り過ぎる。
そして――
ドガァァァァン!!!
背後の――
岩山を。
貫いた。
シオン「…………!」
巨大な岩に――
ぽっかりと。
穴が開いている。
シオン「なんだ――」
シオン「今の威力……!」
セイ「…………」
シオン「どこから撃って――」
セイ「止まるな!!」
シオン「――!」
再び――
未来。
今度は。
シオンではない。
シオン「…………?」
見えたのは――
セイ。
そして。
その身体を――
紫の矢が。
貫いていた。
シオン「――!!」
未来が――
途切れる。
シオン「セイ!!」
セイ「――?」
ヒュォォォォン!!
シオン「避けろ!!」
セイ「――!!」
セイが――
振り向く。
紫の閃光。
既に――
目の前。
セイ「っ!!」
咄嗟に――
身体を。
捻る。
だが。
間に合わない。
ズドッ!!
セイ「がっ――!!」
シオン「――!!」
紫の矢が――
セイの身体を。
貫いた。
そのまま――
身体が。
吹き飛ぶ。
ドガッ!!
岩場へ――
叩きつけられる。
シオン「セイ!!」
セイ「…………っ」
崩れ落ちる。
脇腹から――
血が。
地面へ――
落ちていく。
シオン「…………」
一瞬。
何も――
聞こえなくなった。
シオンの視線は――
倒れたセイだけを。
見ていた。
脳裏に――
蘇る。
アルヴェリア。
炎。
瓦礫。
倒れていく――
人々。
そして。
父。
シオン「…………」
剣を握る手に――
力が入る。
ギリッ――
シオン「…………ふざけんな」
遠く。
岩山の上。
巨大な弓を――
構える。
一つの影。
《三相》――
第三相。
巨大弓。
No.3「…………」
再び――
紫の光が。
弓へ。
集まっていく。
シオン「…………」
シオン「お前らは――」
シオン「いつもそうだ」
No.3「…………?」
シオン「面白いとか――」
シオン「退屈だとか――」
シオン「そんな理由で」
シオン「人の命を――」
シオン「玩具みたいに扱いやがる」
No.3「…………」
シオン「…………」
倒れたセイを――
一瞬。
見る。
シオン「セイが――」
シオン「何をしてきた奴かなんて」
シオン「俺が一番分かってる」
シオン「それでも――」
シオン「今――」
シオン「こいつがやられんのは」
シオン「ムカつくんだよ」
No.3「…………」
紫の光が――
さらに。
膨れ上がる。
シオンは――
ゆっくりと。
剣を構える。
シオン「だから――」
シオン「今は」
シオン「お前をぶっ飛ばす」
No.3「…………」
その瞬間――
巨大弓から。
紫の矢が――
放たれた。




