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《凶宴-CARD》  作者: shogo5


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38/118

『変幻の三枚目』【5】



A「三枚目だ」



シオン「…………」



セイ「…………」



シオン「知ってるのか?」



A「正確な居場所までは知らない」



シオン「…………」



シオンは――



ゆっくり。



セイを見る。



セイ「なんで俺見るんだよ」



シオン「別に」



セイ「絶対なんか思っただろ」



A「ただ――」



二人の会話を遮るように。



Aが――



口を開く。



A「手掛かりならある」



シオン「手掛かり?」



A「ああ」



A「お前と別れてからも――」



A「俺は各地を回ってた」



シオン「…………」



シオン「また決闘か?」



A「もちろん」



セイ「相変わらずだな」



A「お前に言われたくない」



セイ「なんでだよ」



A「強い奴を見つけては戦って――」



A「また次を探す」



A「俺はそれでいい」



シオン「…………」



A「その中で――」



A「少し気になる話を聞いてな」



シオン「どんな?」



A「鍛冶師だ」



シオン「鍛冶師?」



A「ああ」



A「武器を扱う奴なら――」



A「一度は名前を聞いたことがある」



A「伝説とまで呼ばれてる鍛冶師がいる」



シオン「…………」



セイ「へぇ」



A「そいつのところに――」



A「少し前」



A「妙な客が来たらしい」



シオン「妙な客?」



A「ああ」



A「持ち込んだ武器が――」



A「普通じゃない」



シオン「…………」



A「巨大な鎌」



セイ「…………」



A「二振りの剣」



セイ「…………!」



A「そして――」



A「巨大な弓」



シオン「…………」



セイ「…………」



一瞬――



沈黙。



シオン「……三つ?」



A「ああ」



シオン「随分――」



シオン「変わった組み合わせだな」



セイ「…………」



シオン「セイ?」



セイ「……No.3だ」



シオン「…………?」



セイ「そいつ――」



セイ「間違いなくNo.3だ」



シオン「なんで分かる?」



A「俺も――」



A「同じことを思った」



シオン「…………」



A「巨大な鎌」



A「双剣」



A「巨大な弓」



A「この三つを聞いた時点でな」



シオン「どういうことだ?」



セイ「No.3が使う武器だよ」



シオン「武器?」



セイ「ああ」



セイ「No.3の武器は――」



セイ「《三相》」



シオン「……三相」



セイ「ああ」



セイ「巨大な鎌――」



セイ「双剣――」



セイ「巨大な弓――」



セイ「三つの姿を使い分けて戦う」



シオン「…………」



シオン「三つ持ち歩いてるのか?」



セイ「違う」



A「一つだ」



シオン「…………?」



セイ「全部――」



セイ「同じ武器だよ」



シオン「……は?」



セイ「《三相》は――」



セイ「戦いながら姿を変える」



セイ「鎌から双剣へ」



セイ「双剣から弓へ」



セイ「相手との距離や状況に合わせて――」



セイ「形そのものを変えるんだ」



シオン「…………」



A「近距離」



A「中距離」



A「遠距離」



A「全てを――」



A「一つの武器で補う」



シオン「…………」



セイ「それが――」



セイ「No.3だ」



シオン「…………」



シオンは――



少し考える。



そして。



セイを見る。



セイ「…………?」



シオン「ってことは――」



セイ「?」



シオン「今回――」



シオン「お前いなくても能力知れたな」



セイ「…………」



シオン「…………」



セイ「今回はたまたまだろ!」



シオン「そうか?」



セイ「そうだよ!」



A「…………」



A「本当に仲良くなったな」



シオン・セイ「なってない!」



A「そうか」



シオン「…………」



セイ「…………」



シオン「それで――」



シオン「その鍛冶師はどこにいる?」



A「ここから北だ」



A「山奥に工房を構えてる」



シオン「山奥か……」



A「ああ」



A「それと――」



A「もう一つ」



シオン「?」



A「《三相》は――」



A「まだ鍛冶師のところにある」



セイ「…………!」



シオン「まだ?」



A「ああ」



A「今も調整中らしい」



シオン「…………」



A「仕上がるのは――」



A「二日後」



シオン「二日後……」



A「そして――」



A「持ち主も」



A「その日に取りに来る予定らしい」



シオン「…………!」



セイ「…………」



A「つまり――」



A「そいつが本当にNo.3なら」



A「二日後」



A「鍛冶師のところへ現れる」



シオン「…………」



セイ「探す必要――」



セイ「なくなったな」



シオン「ああ」



A「行くなら急いだ方がいい」



A「山までは――」



A「ここから一日以上かかる」



シオン「…………」



シオン「なら――」



シオン「今すぐ出る」



セイ「ああ」



シオン「…………」



セイ「?」



シオン「甘いものは諦めろよ」



セイ「…………」



セイ「それは別だろ!」



シオン「別じゃない」



セイ「お前、王子だろ!」



シオン「関係ない!」



A「…………」



Aは――



そんな二人を。



しばらく眺める。



そして――



僅かに。



笑った。



シオン「じゃあな、A」



A「ああ」



セイ「…………」



シオンとセイは――



北へ向かって。



歩き出す。



A「シオン」



シオン「?」



呼び止められ――



振り返る。



A「また――」



A「何か掴んだら教えるよ」



シオン「…………」



シオン「随分――」



シオン「親切なんだな」



A「言っただろ?」



A「面白いからだ」



シオン「…………」



シオンは――



小さく笑う。



シオン「ああ」



シオン「じゃあ――」



シオン「頼んだ」



A「ああ」



再び――



歩き出す。



セイ「…………」



セイ「なあ」



シオン「なんだ」



セイ「その前に――」



セイ「甘いもの」



シオン「諦めろ」



セイ「ケチ」



シオン「うるさい」



二人は――



街を抜け。



北へ。



目指すは――



山奥に工房を構える。



伝説の鍛冶師。



そして――



二日後。



そこへ現れるであろう。



三枚目。



No.3。



三つの姿を持つ――



変幻の武器。



《三相》。



次なるCARDとの――



戦いが。



静かに――



近づいていた。

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