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第66話 オタ研VS女将 最終戦は“敗北の味”

今回で『第一章 まのんと悠斗』終了です。

第二章は作成次第、UPしていきます。

体脂肪ボディファットの行進の後

合宿最後の露天風呂と食事。


いや、女将と最後の(イタズラ)合戦である!


まずは汗を流すため、

普通に入れたら快適な露天風呂に向かったオタ研


何か仕掛けがある?


警戒させて何も起きない?


さぁ!どっちに掛けるオタ研!


7:00 女子風呂にて


「まのん先輩。警戒しても無駄です。

 堂々と、受けて立つのみ!参りましょう!」


「そうね。守のん。

 みんな行くわよ!」


まのん、守のんは露天風呂に飛び込んだ


「痛ぇぇぇ!」

「冷たいぃぃぃ!」


かすみん、彩夏が爆笑しながら、言い放った。


「入口に『当宿自慢の足つぼ、冷泉温泉をお楽しみください』って

 大きく書いてありましたよぉ~♪」


「くっ……!」

「読まれた……」


続いて男子風呂である。


「“Wのん”に巻き込まれたが……まあ大丈夫だろ」

悠斗が肩を回しながら言う。


「入口の張り紙も確認したしな」

「一応、湯の温度もチェックっすね」


慎重に露天へ足を踏み入れる二人。


「……よし、普通だな」

「勝ったな」


その瞬間――開くはずのない

女子風呂側からの扉が開き、


「失礼しまーす♪」

「お邪魔しまーす♪」


聞こえるはずのない、柔らかい声。


「……え?」

「……は?」


振り返った先。


そこには――


湯あみ着をまとった女性客の集団が、

当たり前の顔で露天風呂へ入ってきていた。


「……ちょっと待て」

「状況整理いいっすか」


「ここ男子風呂だよな?」

「男子風呂っす」


「なんで女性が入ってきてる?」

「わからないっす」


入口の


――看板が、変わっていた。


館内放送

『男性風呂を8:00まで混浴として解放しております♪』


女性客の一人が微笑む。


「大丈夫ですよ〜気にしないでくださいね♪」


「あ、ありがとうございます……」

「ど、どうもっす――」


女性陣は気にする様子もなく、

普通に湯に浸かり、普通に会話を始める。


「ここの景色いいですね〜」

「朝風呂最高〜♪」


――地獄だ。


「……目、どこ見ればいいんだ」

「逆に、俺たち見られてますよ」


「タオルで隠せ!」


全裸の二人は不自然なほどに目が泳ぐ。


「厳ちゃん、見えてる!」


「タオル!タオルで隠せ!」


「足りないっす!!」


さらに追い打ち。


「すみませーん、前を失礼しまぁ~す。」


逃げ場はない。

出ようにも――


「……女性、途切れないな」

「途切れないっすね」


次から次へと女性客が入ってくる。


「悠斗先輩……俺、もう限界っす」

「俺もだ……」


「精神が……削られる……」


「……本当ならパラダイスなのに、これ」

「なんのだよ!!」


結局――


二人は、ただひたすら隠しながら、

8:00まで湯に浸かり続けた。


湯あたりした悠斗と厳ちゃんが戻り、

フルメンバーになったオタ研


最後の決戦場 食堂へと向かう!


復讐に燃える悠斗が吼えた!

「いいか!入口のネバネバ、張り紙、看板の裏側。

 細心の注意を払って参るぞ」


守のんが応呼した


「負けっぱなしで帰るなんてあり得ません!

 報復あるのみ!」


まのんが言った

「宿敵 女将が総攻めを仕掛けるならば、

 我らも応えなければいけませんわ!」


「まず総大将である、私一人で突撃します。

 みなさんは私の連絡を待って、食堂に来なさい。」


キタのぽんが頭を抱える

『まのんのヤツ――またコント始めおった。。。』


まのんの気迫に飲まれた悠斗

「まのん……無理をするなよ」


「まのん先輩!私も行きます。

 これは私の戦いでもあります!」


「いいの、守のん。

 部長である私が決着をつけるわ。

 もしもの時は、逃げるのよ。」


「生きてさえいれば、必ずいつか好機が来る。

 今は耐えなさい。」


意を決したまのんが単騎で食堂へと突撃を開始した


残された者たちが言った

「ご武運を!」


だが――


5分後


10分後


15分後


まのんから連絡はなかった――


「……やられたか」

「くっ……!」


悠斗の拳が震える。


「みなの者……まのんの仇を討つ」

「狙う首は女将、ただ一人!」


「――突撃ぃ!!」


勢いよく食堂の扉を開ける。


その瞬間。


世界が、止まった。


――静寂。


聞こえるのは、箸の音だけ。


「……え?」


視線の先。


そこには――


「おいひぃ~♪」


満面の笑みでご飯をかきこむ、まのんの姿。


外はカリッと、中は肉汁が溢れ出す鶏の唐揚げ。

それに、炊き立てで一粒一粒が立っている白米。


まのんの理性を焼き切るには、それで十分すぎた。


その横に――


白旗。


「……は?」


「これ……やばいわ……」

「止まらない……♪」


完全に、陥落していた。


女将がゆっくりと振り返る。


「正々堂々――勝負はついたわね」


「敗者には、礼を尽くす」

「それが“おもてなし”よ」


「さあ、ご家来衆も――遠慮なく召し上がれ」


一同、沈黙。


そして――


「……いただきます」


箸を取る。


ひと口。


「……うま」


「なんだこれ……」

「やばい……」


「……負けたな」

「ああ……完全に負けた」


悠斗が苦笑する。


「これが……敗北の味か」


もう一口。


「……悪くねえな」


その瞬間。


「大盛りおかわりー!!」


「俺も!!」

「唐揚げ追加!!」


戦いは終わった。


完全敗北。


――だが。


誰一人、不満そうな顔はしていなかった。


――こうしてオタ研の合宿は無事終了して

帰路についたが……


まのんが悠斗の袖をちょんと掴んで、

「来年も、また来たいね」と小さく呟く。


その横顔を見て、悠斗は「……ああ、そうだな」と、

照れながら笑みを浮かべた。


まのんと悠斗の関係は確実に新たなステージに進んだ。

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