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第3話 まのん部長、狙い撃ち(ロックオン)!

『絶望の修羅場、学食に轟く罵声!』


「あ〜あ……もう、大学二年生だなんて……」


会計学の重たい講義を終えた私は、

学食の隅で、魂が抜けた声を漏らした。


片手にはポテチ、反対の腕にはコーラ。

どう見ても大学の闇属性代表である。


尼砥 真音 十九歳。


奇跡的に名門大へ滑り込んだことを今さら後悔している、

コミュ障・オタク界の残念星人だ。


今日はいよいよ、未公認サークル

「オタク文化研究サークル」の新入生体験会。


私と悠斗が二人で立ち上げた、いわゆる「オタサー」だ。。


部員が四人を超えれば、ついに念願の“部室”が手に入る。


部室さえあれば――

堂々と大学でポテチを食べられる。


さすがの私でも学食でコーラを

二リットルペットボトルで飲むのは……


恥ずかしかった。


……はい、動機はそれだけである。


だが、肝心の副部長・悠斗は教授に捕まって大遅刻。


新入生を呼び込むはずの広告塔がいないという、

地獄のワンオペ戦線が今ここに。


そんな私の前で――


「学食で大袋ポテチ食べながら、コーラ……?

 一人で――」


新入生の視線が痛い。


そして、軽蔑のまなこで――逃げた。

私を見た途端、逃げた。


残ったのは四名。

だが、その四名が……濃すぎた。


クセ強新入生、四天王襲来!


① 規律の鉄仮面、内側セクシー


法栗ほうりつ 守乃もりの/18歳

超厳格メガネの法律至上主義者。


が、好きなジャンルはまさかの……セクシー系コスプレ。

方向性を間違えた真面目さ、ここに極まれり。


「あなたが部長ですか?」

「は、はい。尼砥真音……です。入部希望?」


「はい。ただその前に。

 個人情報取扱規約とサークル運営規定をご提示ください」


(悠斗!今すぐ来いぃ!!)


② ふわふわ乙女、その実メカ狂


宇藤うとう 香純かすみ/18歳

見た目は妖精系。中身はミサイル搭載。


推しは戦隊モノとSFメカ。


「先輩〜♡ まのん先輩って、

 どの機動戦子カンタムン派ですかぁ〜?」


(誰かこの世界のBGMを止めて……)


③ ボーイッシュ&イケメン風、内面は恋する乙女


武田 彩夏あやか/18歳

立ち姿は王子様。


中身はピュア過ぎる恋愛脳。


「キミが部長さんかい? 今日からキミはぼくの推しね♡」


(悠斗ぉぉ!! 私の胃が爆散する!!)


④ 名前だけ強面、中身はただの陰キャ


加藤 厳蔵げんぞう/18歳

名前の圧に反してメンタル弱め。


アニメ・ゲーム・漫画を浅く広く愛する“量産型オタク”。


「ちわっす……ここ、オタク研……っすよね。仮入部で」


(悠斗ぉおおおお!! これムリゲーだぁぁ!!

 都会のオタク……怖いぃぃぃ(泣))


(強すぎるぅ……)


そして!始まる――学食バトロワ


守乃(厳格) vs 厳蔵(陰キャ)

この二人、未来永劫 相性が悪い。


「そこの男性! 先輩の前で足を組んでゲームなど言語道断!

 部長、罰則規定の適用を!!」


「……めんどくさ。構うなよ」


「大学生なら礼儀をわきまえなさい!」


「それ初対面で言う!? 重いなお前!!」


「まぁまぁ〜 仲良くしましょ〜」

――香純、謎の天使モードで油を注ぐ!


「そうだよ、子犬ちゃんたち」

――彩夏、王子ムーブでさらに注ぐ!


『油を注ぐなぁ!』まのんの心の叫び


手の震えでコーラの炭酸――


噴射ぁぁぁ!!


「外野に発言権はありませんわ!」

――守乃、再突撃!


「あぁ〜ん、やだなぁ〜♡」

――香純、ぶりっ子モードに変形!


「君、ぶりっ子やめな!」

――男役もどき、火に薪を追加!


「なんちゃって王子は黙っとけ!」

――厳蔵、謎の反撃!


「モブ男こそ黙りなさい!」

――守乃、主砲斉射!


様子見を見に来ていた願叶え神

キタのぽんがツッコむ


『よくこんな時にポテチ食えるな!?』


『黙れポテチ神!』


周辺の冷ややかな視線が痛い――

「悠斗!早く来い!!」


強面名前 源蔵――泣く!?

「う、うえぇ……ん」


「泣かないでよ! あなたが悪いんでしょ!」

――守乃、正論パンチ!


「泣かないで〜♡

 お姉ちゃんの飴ちゃんあげましゅよ〜♡」


――香純、抱擁モード!


「我がハニー……泣かないで♡」


――彩夏、恋愛脳フルドライブ!


「ありがとお……お姉ちゃんたち……♡」


――厳蔵、普通に乗っかるな!!


そして――


「……え? 私だけ悪者ポジションじゃない?」


――守乃、突然のブレイク。


まさに、地獄の四つ巴のバトルに発展。


「何よ、それ!」


「何だと!?」


「この堅物が!」


「ぶりっ子爆弾!」


「安売り王子!」


「モブ無礼マン!」


学食に轟く罵声の応酬。


「よし、このまま4人で勝手に争ってくれれば、

 私は静かにポテチを……」


混沌。

地獄。

修羅場。


もう誰か早送りボタン押してぇぇぇ!!


『今回、出番なくて助かったわ〜』

願叶え神ホッとする


……あれ? これ絶対――

最後の流れ弾、わたしに来るやつじゃん!!


……一瞬、学食が静まり返った。


まのん LOCK ON!!!

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