流されてきたのは従妹だった
「おいっ! 大丈夫かっ!?」
「うぅ‥‥‥。」
息はあるから命には別状は無いみたいだ。
「危なかったですね。このまま流されていたら滝に落ちて命はありませんでしたよ。」
この川の先には巨大な滝がある。
高さ10メートルだから落ちたら命はない。
とりあえず、少女を担いで家に戻る事にした。
しかし、この少女どっかで見た事あるんだよなぁ‥‥‥。
家に戻って来て少女を布団に寝かせた。
改めて顔を見ると育ちが良さそうな顔をしている。
多分、貴族の関係者だろうか。
「何処から流れて来たんでしょうか?」
「川の上流部だと思うんだが、彼処は確かうちの親戚が‥‥‥、 あぁっ!!」
「ひゃあっ!? ど、どうしたんですかっ!? いきなり大声をあげて?」
「思い出したっ! この子は俺の従妹の『アーニャ』だっ!」
俺より一つ年下の『アーニャ・イスタイル』、親父の弟の娘で、幼い頃よく遊んだ覚えがある。
あの頃は弟との差がそんなに出ていなかったから同年代の子達とは仲良くしていた。
でも、弟との差が現れてからはあからさまに俺を避けはじめて弟と仲良くなっていった。
そんな状況でも俺を兄と慕ってくれたのがアーニャだ。
まさか、こんな形で再会するとは思わなかった‥‥‥。
「う、うぅん‥‥‥、こ、此処は?」
アーニャが目を覚ました。
「アーニャ、わかるか? 俺だ、アルノイドだ。」
「ア、アルノイド‥‥‥様‥‥‥?」
最初、俺の顔を見てボーッとしていたアーニャだったが徐々に表情が驚きの顔に変わった。
「もしかして、アルお兄様ですか?」
「そうだ。久しぶりだな、アーニャ。」
「ア、アルお兄様ぁぁぁぁっっっっ!!!!」
アーニャは俺に抱きつき泣き始めた。
「夢じゃありませんよね? 本当にアルお兄様ですよね?」
「あぁ、本当にそうだよ。」
俺はアーニャをそっと抱きしめた。
アーニャは暫く俺の胸の中で泣いていた。




