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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第七十一話:真田十勇士・霧隠才華

「答えになってない!」

「だって、本当のことですし…!」


 玲奈と星荘(ほしな)の痴話げんかがヒートアップする中、彩花(あやか)が呆れたように、しかし核心を突く質問をした。

「それで…結局、効果はあったの?」


「うーん、わかんない…」

「何それ…」

「やっぱりさぁ…」

 ユウマと星荘(ほしな)が顔を見合わせて赤くなる。その場が、再び和やかな笑いに包まれようとした、その瞬間だった。


 キン!


 鋭い金属音と共に、一本のクナイがユウマの耳元を掠め、壁に深く突き刺さった。


「何奴!」

 服部夜刃(はっとり・やいば)が、誰よりも早く反応し、クナイが飛んできた方向を睨む。

 部屋の隅の影が、ゆらりと揺らめいた。


「ふふふふ…流石に、一筋縄ではいかないか」


 その声と共に、どこからともなく濃い霧が立ち込め始め、あっという間にミッドナイト基地の視界を奪っていく。

「ガス!?」

「いや、ただの霧だ!だが…この忍法は!?」


 夜刃の鋭い声に応え、天井から一人の忍びが舞い降りる。伊賀九曜衆筆頭、百地美奈美(ももち・みなみ)

「――この霧は、まさか!?『忍法・霧隠の術』!真田の忍か!」


「ご明察。――我が名は霧隠才華(きりがくれ・さいか)そして、佐藤玲奈は、頂いた」


 霧の奥から響いたその声が、全ての終わりを告げた。

「しまった!追え!」安倍聖華と服部夜刃が叫ぶ!


 戦乙女(バトル・メイデン)たちが一斉に臨戦態勢に入る。だが、霧が晴れた時、そこに敵の姿はなく、そして、玲奈の姿も、どこにもなかった。


 ミッドナイト基地は、一瞬にして大混乱に陥る。

「服部九曜衆、追跡を開始!」

 夜刃の号令一下、精鋭の忍びたちが即座に基地を飛び出す。

百地三奈美を筆頭に

藤林七海(ふじばやし・ななみ)

自来也妃花(じらいや・ひめか)

石川五愛萌(いしかわ・ごえも)

菅沼心愛(すがぬま・ここあ)

伊賀崎美知佳(いがさき・みちか)

空海美琴(くうかい・みこと)

源黒実(みなもと・くろみ)

服部・伊賀・九曜衆が瞬時に集結し即散開する。


敵の気配は完全に消えていた。


「GPSは!?」

「ダメだ!信号が途絶えてる!最後の発信場所は…池袋の西口公園だ!」

 健太の悲痛な声と共に、モニターに玲奈のスマホに残された、静止したままのGPSマーカーが映し出される。


「油断した…!」夜刃は、己の失態に奥歯を噛み締める。「まさか、豊臣配下の『真田十勇士』が、既にこれほど深く潜入していたとは…!」

「え?!豊臣華織は武技礼装(メイド・コス)破壊(・ブレイク)と霊核を根絶したのでは?」彩花がツッコむ。

「先の大戦では、真田幸(さなだ・みゆき)は結界を張って滅殺を撒逃(まのが)れたからな…黄金の羅針盤(アウレウスユニオ)は壊滅したが…」夜刃(やいば)は唇を噛んで下を向く。


「九曜衆、何としても敵の足跡を掴め!伏姫こと玲奈の確保が最優先だ!逆らう忍びは討て!ここからは、暗殺者同士(アサシン・ヴァーサス)追跡劇(チェイサー)だ!」

現代科学では追跡不可能な忍の足跡を同じ忍が追う逃避術と追跡術の対決が突如始まった。


ユウマは、突然身近な人間が訳も分からないまま連れされたことに、混乱していたが、星荘(ほしな)が「ユウマしっかりして!玲奈とのつながりを一番感じられるのはユウマなんだから!探して!!」と絶叫するのに我に返り意識を集中する。

「玲奈!」

しかし玲奈の意識がないのか、繋がりが弱いのか…ハッキリとした位置が分からない。


「おい、何でもいい情報を寄こせ!」健太が実況チャンネルを起動し、こういう時の視聴者たち仲間だろ!と目撃情報の収集を開始する。

「みんな、外に一歩出て見ろ!その目に何が写る?!忍者を探せ!」

視聴者のコメントが集まり始める「#看板の上に忍者?」「新宿歌舞伎町には忍者カフェ」「首都高をはしる黒い影ミタ」「宅急便トラックの屋根に乗ってるの忍者じゃね?」


「どうやら新宿方面じゃない?!…私の庭だよ勝手はさせない」桜親(さくら)が立ち上がりユウマにアイコンタクトを取る。「夜刃(やいば)さん!」夜刃(やいば)も頷く。


「…オレたちもいくぞ!」戦乙女達もミッドナイト基地から出撃する。

正面切って戦うやり方に慣れている八犬士とユウマ達だったが、こうした隠密が動くことも当然あり得ることは服部夜刃が関与している時点で推して知るべき事案であった。

「くそ!玲奈に何かったら俺は…」ユウマは息を切らせながら玲奈の無事を祈るしかなく、皆の活躍を期待するしかなかった。

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