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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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174 行けたら行きます

今回は話を分けたほうが良さそうだったので分けました。

もう一話あります。

◆◇Sight:鈴咲 涼姫◇◆




 パチリ パチリ

 静かなフェアリーテイルの新・ワンルームに響く音。

 薪の爆ぜる音ではない。

 ランナーからパーツを切り出す音である。

 このロボは世界を救うわけでも、誰かを救うわけでもない、どちらの正義が正しいかを決めるために作られた。――そんなロボットのパーツを切り出す音である。

 つまりプラモデルを作っていて、その様子を配信に乗せている。


「あ゛ー、ずっとこうしていたい」


 手元だけ映せば良いし。

 顔出ししなくていいし。

 ちなみにフェアリーさんのワンルームで、全天透明にして宇宙を背景に作っています。


❝宇宙空間でプラモ作り、神秘感すごい❞



「神秘といえば。――みなさん」


❝どした?❞


「前に食べ終えた鶏の骨に〖再生〗を掛けたんですよ」


❝え、なにそれ無限食料?❞


「いえ――それが・・・、黄泉の世界の寸前に行っちゃって」


❝なにそれ、こわっ!❞


「しかもなんか、ケルベロスがこっち睨んでました。というわけで死者蘇生とかはやらないほうが良いみたいです」


❝それはあかん❞

❝んだ❞


 よし、プラモパーツを全部切り終わった。


 切ったパーツは、ランナーとパーツを繋いでいた部分にできた尖った部分バリにヤスリを掛けておく。

 ちなみにランナーから切り離す時は、バリは長めにするのがコツ。

 そうした方が、バリは取りやすい。

 バリ取り作業で手を抜いてはいけない。綺麗にしないと、パーツを組み合わせた時にできる溝、合わせ目が見えないように消せない。


 私がバリをバリバリーと削っていると、コメントが流れる。


❝作り方がガチなんよ❞

❝女子高生のやってる配信だよな? これ❞

❝こんな作業やってたら、ネイルとかできなくない?❞


 ネイル? なにそれ美味しいの? 私の爪を塗るのは、マニキュアじゃなくてラッカーの飛沫だよ。


❝にしてもまた、マイナーな量産機を作るなあ❞


 私は〝分かってない〟コメントに「フッ」と返す。


「この脇役感がたまらないんです。親近感湧いちゃう」


❝なにが親近感やねん・・・❞

❝脇役(軍神)❞


「ア、アリスみたいなのを主人公っていうんですよ・・・」


 ちなみにアリスの人形がまた増えた。どう考えても猫にしか視えない丸っこくて可愛い人形が円らな瞳で獲物を狙う姿勢をしてるんだけど、その額に「てぃらのさうるす」と書いてある。

 多分、浮かれたモモンガと同じシリーズ・・・・アリスってこのシリーズ、どこから買ってくるんだろう。


 その後も私は、ポテチを割り箸でつまみながらパーツを切り出してバリを取っていく。


「じゃあシャワー室で、パーツを洗ってきます」


❝てら❞

❝俺のプラモ作りよりガチなんだが❞


 私はパーツを洗面器に入れて、シャワー室に来た。

 すると、突然開くウィンドウ。

 ひ、びっくりしたー・・・。


『スウくん、今良いかな?』


 あっ、ウェンターさんだ。


「お・・・お久しぶりです」


 私も、通信ウィンドウをウェンターさんに開き返す。


『――っと、シャワーを浴びていたのかい!?』

「あ、いえ、プラモのパーツを洗おうと」


 私がシャワー浴びてる時に、顔を映す訳ないじゃないですかー。


『プ、プラモ・・・・?』


 なんか反応が微妙だ――だってプラモデル好きなんだもん。


「今日はどうかしたんですか?」


『クレイジーギークスのクランマスターのスウさんに、参加して欲しい会合があってね』


 ――私がクランマスター?


「あの。私は、副マスターですよ?」

『あれ!? そうだっけ!?』

「は、はい。クランマスターはアリスです」

『え・・・ご、ごめん! ずっとスウ君がクランマスターだと思ってたよ!』


 私がクランマスターなんて、胃が痛くなりそうな事する訳ないじゃないですか。


「えっと、なんの会合でしょうか?」

『そろそろ起こる、都市奪還作戦の話なんだ』


 あー・・・・、そろそろなのか。


「会合には、ウチ以外にどんなクランが参加するんですか?」


 ウェンターさんが、参加クランを挙げていく。


『えっと、〝星間ノーツ〟』


 うわっ、所属人数3000人の日本最大のクランでてきた。


『〝空挺師団〟のアライアンス1から3までの小隊』


 結菜とスケさんのとこだ。もちろんここも大きい。第3小隊だけでも1500人所属してる。しかもほとんど全員が、ガチ勢かつ武闘派。同盟(アライアンス)全部合わせると、2100人。


『〝ビブリオ・ビブレ〟』


 ここは所属人数が1000人と少なめだけど(少ないとは言ってない)入ってる人がリアルチーター寄りな人が多いからなあ。ただ、知識系で空挺師団とは性質は逆。


『それから、ウチ。〝星の騎士団(ステラー・リッター)〟』


 ウェンターさんのトコ。2000人。

 もうちょい小さなトコ来ないかなあ。

 ていうか日本4大クラン揃い踏みしちゃってるじゃん。


「・・・えっと他にはどこが来るんですか?」

『以上かな』

「え?」


 まって、今挙げられたクランしか来ないって事?


「え、ウチ11人ですが」

『知ってるよ?』


 最近増えたんだけど、知ってるんだ?

 いや、そうではなく。


「その大人数クランだらけの中に、ウチが混ざれと!? ――ウチが何しに行くんですか!? 来る他のクラン所属人数が3000人、2100人、2000人、1000人って、正に桁違い――え、なにこれ怖い」

『いや、君のトコPvP大会の優勝クランだからね!?』

「それは人数が同じくらいだから勝てた訳で! 星の騎士団さんの全戦力で襲いかかられたら勝てませんよ!!」

『・・・どうだろうなあ――何人で掛かっても、スウくんを落とせる光景が思い浮かばないんだよなあ・・・なんだっけアイアン・ノヴァだっけ、アレとか撃たれたら全滅しかねない。――まあクレイジーギークスを呼んだのは、ウチと空挺師団の推薦なんで。来てくれると嬉しい』


 結菜とスケさんが、きっと一枚絡んでるなあ。


「じゃあ行けたら行きます」

『それ絶対に来ないやつだろう!? ―――君の場合、特に!』


 ひ、人聞き悪いなあ・・・。


『というか、クレイジーギークスって一騎当千が7人もいるだろう? 7000人みたいなものじゃ無い? 遊撃隊を頼みたいんだよね』

「一騎当千が、7にん・・・?」

『うん、まずスウくんだろ』

「まあ・・・一騎当千かなあ? とは思いますけど」


 1000人相手は流石に無理。ウェンターさんのクランの半分を相手にして1人で勝つってことでしょ? 無理に決まってんじゃん。


『で、アリスくん、リッカくん、メープルくん。この辺りがトップスリー』


 みんな強いもんねえ。リッカ辺りがもっとバーサスフレームに慣れたら、どうなるのやら。


『次点がさくらくん、オックスさん』


 二人も凄いよね。


『あとは、命理くん』


 え? 命理ちゃんはクランに――あ、そうか入れるのかな!? 今まで気づかなかった!!(後で確認した所NPP、NPCもクランに入れるそうで、速攻命理ちゃんには入ってもらった)


『じゃあ、スウ君明日だけど』

「まって下さい・・・話聞いてなかったんですか。私は副マスターですよ」

『いや、スウ君に来てほしいんだよ』

「怖いんで嫌です・・・」

『それで明日の1時から――』

「あ、この人話聞かない人だ」


 というわけで無理やり引っ立てられ、4大クラン会合とか言うのに参加しました。

 なぜか4大クラン会合なのに、5個目がいる不思議。しかも小クラン。

 怖いんで、保護者としてアリスに来てもらいました。


 ――で結果、作戦というか私達の役割が決まった感じ。


 私たちクレイジーギークスは、私の特別権限による自由に動いて良いという権利と、少人数の動きやすさを利用して遊撃部隊として行動。


 クレイジーギークスのみんなは私の指揮によって動くために、全員が私の部隊員になる。

 そうして手薄になってる所やピンチになっている所に加勢に行く。

 私が隊長だって。


 さらに私は、後半の少人数の奇襲部隊に参加という形になりました。

 大まかな作戦はビブリオ・ビブレが決めるけど、現場判断は私に一任。


「アリス・・・・私指示待ち人間だから、現場判断とかしたくない」

「して下さい、隊長・・・」


 私のぼやきは銀河の彼方に消えた。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 風呂場でプラモ乾燥…某サイトのプラモ作り動画見てると、(そのお宅の環境次第みたいですが)わりと有効みたいですね。後はメーカーさんが開き直って、半ばプラモ用として売り出してる某食器…
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