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【完結】くじ引きで竜帝国の皇太子妃に選ばれてしまった  作者: 夕凪 瓊紗.com
第8章 竜帝国の属国編

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カロンの王女


さて、ディルの前に、竜帝陛下をナンパしたという、

トンでも伝説を持つ、竜帝国の属国のひとつ・・・

人族の王国であるカロンの王女殿下が現れました。


髪はゆるふわウェーブロングのピンク・・・ピンクブロンド。

瞳は青緑色でぱっちりしております。

かなりかわいらしい顔だちの、アイドルのような女の子です。


・・・ピンクブロンドって・・・ピンク髪に入りますかね?

レオくんを見てみると・・・


“おのれピンク髪・・・おのれピンク髪・・・おのれ・・・”

と、ぶつぶつ呟いていました。

・・・あなたもピンク髪にそそのかされて、

手痛い目に遭いましたものね。

何だか言動も、下僕いぬ化も、種族は違いますが見た目も、

シンシャ兄さまを髣髴とさせますね。


「レオ、昔あの子にナンパされてたのよ」

と、アナからびっくり情報が出ました。


「え・・・マジですか」


「その時はディランさまが颯爽と現れて、

レオが土下座して別れさせられたんだけど」

まさかの2度やらかしてた―――☆


「でも・・・今のぼくは違うんだ・・・!

ぼくは・・・アナ姉上の・・・下僕いぬだから!」

下僕いぬ化すれば、イタイピンク髪ちゃんからの

呪縛から逃れられるのでしょうか。

※効果には個人差がありますよ・・・と。


「ですからどうかっ!私を妃にお迎えください!

ちんけな小国・ツェイロンの姫など、

ディランさまには相応しくないですわっ♡」

・・・言っちまったぁ―――。

別に、祖国ツェイロンをちんけとか言われても、

怒りませんけどね――――。

父さまのお仕事が増えるだけなので。

そこら辺は軽く受け流す。

私もユーリィ姉さまもそうしております。


「私が選んだ婚約者に、何か文句があるのか」

その途端、私たちは戦慄しました。

ディルは、物すっごく不釣り合いな笑顔で、

怒気を放ちながら、そう言ったとです。


あの・・・それ・・・さっき仰っていた

秘伝のセリフ・・・じゃないですよね?


隣でソシエさまが吹いてました。

この状況で吹けるソシエさま。

あれ、竜帝陛下が何か、ソシエさまが持っていらっしゃる台本に

書き込んでいらっしゃいますね。なんだろう・・・


・・・ねこちゃん。何故かねこちゃん描いてます―――。

何やってんだ、この両陛下。


「え・・・とぉ・・・」

さすがにお姫さま、黙りました。


「私の方が、かわいいです!」

んならウチはシアを出すぞ―――っ!!!

シアの方が天使級にかわいいっ!!


「妃として、ディランさまのお隣に立っていて、

恥ずかしくない容姿ではなくて?」

と、くるっとひと回りすると、

にこっと微笑まれました。


「ディランさまにもすぐわかりますわぁっ!」

と、またディランにすり寄ろうとして、ルゼくんが止めます。


「不愉快だ、去れ」

そう冷たく言い放つと、ディルは回れ右をして、

ルゼくんと私の方へ戻ってきます。


「メイリ・・・」

ディルが呼びかけたその時、

まさかの王女、追いかけてきたとです。


「あぁん、お待ちになってぇ!」

ビリリ・・・ッッ


あ・・・転んだ拍子に掴んだ・・・

いえ、転ぶために掴んだディルの装いが・・・

白地に金の刺繍が入った見事な一品が・・・

びびりっと・・・破れました。


どんだけ爪尖らせてマニュキュア塗ってんすか。


「あいったぁ・・・っ!ディランさま・・・これでは動けませんわ♡

どうぞ、運んでっ♡」

と、ウィンク。

さすがのディルとルゼくんもぽかーんとしています。


「・・・貴様・・・」

そして、ディルの体から・・・出てはいけないものがああぁぁぁっっ・・・


「ちょっと、ディルっ!」

急いで私が駆け寄ると、出てはいけないものを引っ込め、

ディルが私を引き寄せます。


「せっかく、全身メイリィコーデにしたのに」

ディルって、私コーデ、好きですよね。

まさかそれが破れたから出てはいけないものを

出していた・・・とかじゃないですよね・・・?


「ちょっと!カロンの王女である私が転んだのに・・・!

あんた・・・!ツェイロンの白髪しらが姫!

あなたがディランさまを誘惑して・・・!

聞いたわよ!竜帝陛下を誘惑して寵姫の座に収まった

ツェイロンから嫁いだ白髪しらが妃がいたんでしょう!?

その罰として、無様に殺された白髪しらが妃と同じく、

アンタも無様に邪竜の血毒を飲まされて殺されればいいんだわ!」

んな・・・っ、何てことを・・・

よりにもよって・・・

その方は、私の叔母で、父さまの大切な妹で、

竜帝陛下が大切になさっていた亡くなられたお妃さまで・・・

ディルの大切な弟・キーシャくんのお母さまですよ・・・?


「・・・貴様は・・・」

ディルの顔がこわばります。


「落ち着いて、ディル」


「だが、この女はお前のことを」

え・・・私・・・?


「確かに・・・叔母さまのことを悪く言われるのは・・・嫌ですけど」


「いや、メイリィを、殺されればいい、などと・・・!」

「姉上は兄上の婚約者なのに・・・!」

ルゼくんも怒っています。


「さすがに言いすぎですよね」

「それは、私の妹へ危害を加えると言う発言で、よろしいのかしら」

アレン義兄さまとユーリィ姉さまも出てきてくださいます。


思えば、私たちの席にいた全員が、彼女を取り囲んでいます。


「・・・みんな・・・」

叔母さまが非業の死を遂げたこと・・・

それは悲しい記憶です。

それを悪く言われるのも嫌ですが・・・

みんなも私を思って味方してくれるのが嬉しいです。


あれ・・・叔母さまの・・・亡くなられた原因・・・

何か・・・引っかかっているのですが・・・


「あの、ちょっといい?さっき、その方・・・」

そこで、ミフェイ姉さんが手を挙げます。


「なによっ!獣人族がっ!」

お姫さま・・・元気ですね。


「ミフェイさまは、ランディアの王家の姫・・・

それは、ランディアへの侮辱ととってよろしいか」

と、アレン義兄さまが語気を強めます。


「何よ、先王のめかけの子じゃない」


「・・・ならばお前は・・・」

その場に、冷たく低い声が響きました。


「お前は、私から全てを奪った、侵略者の一族だな」

そう、冷たく吐き捨てた人物を、私たちは一様に見ました。

何だか、竜帝陛下の周りから、冷気が出ているような・・・


さすがに、一度ナンパして痛い目を見た王女さまは、

その方をどなたかご存じだったようです。


「りゅ・・・竜帝陛下・・・?」


すっかり自分の世界に夢中になっていた彼女は、

こっそりとやってきた竜帝陛下とソシエさまに、

気が付かなかったようです。
















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