表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】くじ引きで竜帝国の皇太子妃に選ばれてしまった  作者: 夕凪 瓊紗.com
閑話集 その2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/188

幼き日の恋焦がれ

幼き日のディル視点のお話っ(/・ω・)/

ルゼ「あ・・・兄上の話!?はぁ・・・はぁ・・・っ」

※注:ルゼくんはヤンデレブラコンです


あの日、あの場所で、雪の妖精と出会った。


あの子は、あの竜帝である父を叱り、

号泣させていた謎の麗人・シャクヤの娘らしい。


俺は父に引き取られ、皇太子教育をされ、

必死に勉強もお仕事も礼儀作法もがんばった。


全ては、あの子に会うために。


今日は、父と一緒に、ツェイロンと言う人族の国を訪問する日だ。

なんでも、シャクヤの長男が立太子した記念のパーティーらしい。


俺は竜帝国の皇太子として、ツェイロンに赴き、

王太子の立太子を父と一緒に祝うためにツェイロンに赴くのだ。


ツェイロンでは、シャクヤと、その妻だと言う王妃、

王妃によく似た、金髪でエメラルドグリーンの、少し年上の男の子がいた。


俺は父と一緒に歓迎を受け、早速宴会会場へと招かれた。

最初に、ツェイロンの王族たちが挨拶に来る。

あの子はまだ来ないのかな・・・

他の王子王女の挨拶を適当に受け流し、

そしてあの子を探すが、あの子はいなかった。


だから、話し相手としてあてがわれた王太子に話しかけた。

一応、俺の方が年下だが、宗主国の皇太子なので、

俺の方が立場は上だ。


「この国の姫は、あのふたりで全部か」


「いえ、この国の姫は、全員で3人おります」

王太子のシンシャが答える。


「ではあとひとりは」


「姫のふたりは、体調不良のため、欠席しております」


「・・・?姫なら、あそこにふたりいる」

俺はシャクヤによく似た髪色の少女と、

王妃によく似た少女を見やる。


「あの金髪の方は、我が弟の“第2王子”です。

本人にはちゃんと挨拶させたはずなのですが、

誤解させたようで、申し訳ない」


「・・・っ!?」

その瞬間、俺は頭の理解が追い付かなかった。

“弟”?“王子”?

どう見ても、姫だろうに。

しかし先ほどの挨拶の時、

ひとりだけ、シンシャ以外に王子がいたはずだ。

彼女・・・?がその・・・王子なのだろう・・・


「王子なのに、何故、どれすを着ている」


「皇太子殿下のお気に障られたのなら申し訳ありません。

ただ、男が“ドレス”を着てはならぬ・・・と言う決まりは、

竜帝国にも我が国にもありませんから。

あと、本人に“男”であることを指す言葉を言えば、

父上が怒るので、できれば伏せていただければ嬉しいです」

あの万年仏頂面の父を叱り、号泣させるシャクヤが・・・

怒る・・・?俺に・・・?

それを考えると、何だか恐ろしかった。


「・・・わかった」

取り敢えず頷いた。


「じゃぁ・・・その、メイリィはこないのか?」


「・・・メイリィ・・・?あぁ・・・末の妹をご存じで?」


「あぁ」


「・・・そうですね・・・せっかく皇太子殿下にお越しいただいたのに、

紹介できないのは申し訳ないので・・・母と相談しながら、

もし来られそうでしたら、挨拶にだけ伺わせます」


「あぁ、頼む」

そう、伝えると、シンシャは張り付けたような笑顔で頷いた。

何か・・・誰かに似てる・・・

と、思ってハッとした。

そうだ・・・父を叱って号泣させている時の、

シャクヤの顔にそっくりだ。


この王太子には、注意しないといけない・・・と、そう思いつつ、

相変わらず媚びへつらってくる貴族どもを、

適当に受け流しながら、メイリィが来るのを、

今か今かと待ち望んだ。


―――


しかし、いつになってもメイリィは現れない。

会場の雰囲気には退屈していた。

でもそんな時、ふと、メイリィが近くにいる予感がした。


会場の端で、何やら大声が上がり、ざわついている。

すぐさま何かを察知した王太子は、

さっと俺に断りをいれ、そのざわつきの方向へと向かって行った。


多分、メイリィもこの先にいる・・・


そんな予感がして、俺もその場に急いだ。


その先には、真っ赤に目を腫らして、泣いているメイリィがいた。


誰がメイリィを・・・自分の中にあるだろう、

竜の本能が、怒りを燃やしていた。

しかし、そんなメイリィの周りを囲むのは、

彼女の兄姉たち。そして、シンシャだった。


シンシャはメイリィの頭を優しく撫でる。


「シンシャ兄さま?」

メイリィはかわいらしくシンシャの顔を見上げる。


「もう、大丈夫だ。兄さまが一緒にいてあげるから」


「でも、きょうは、竜帝国の、

皇太子殿下のお相手があるって、お母さまが・・・」


「大丈夫だ。妹や弟を守るのは、兄である私の務めだ。

皇太子殿下にも、弟君がいらっしゃるのだから、

きっとわかってくださるよ」


「・・・うん」

メイリィは戸惑いながらも頷いた。


「それにほら、こうして頭を優しくなでなでされると、

とっても安心するだろう?」

シンシャはメイリィの髪をくように、

優しく、その雪の色の髪を撫でる。


「うん、私、シンシャ兄さまのなでなで、大好き!」


「あぁ、それじゃぁ、私たちと一緒に、一旦裏に下がろう」


「うん」


―大好き・・・―


それは、欲しかった言葉。

メイリィだけに言われたかった言葉。


兄姉たちに付き添われ、退出していくメイリィは、

とても嬉しそうで、幸せそうだった。

途中で王妃も迎えに来て、仲良く奥に向かって行く・・・


何故だか、その輪の中には自分は入れない気がした・・・


どうして・・・


わからない・・・


こんなにも、メイリィに近づきたいのに・・・


俺も、シンシャのように、なでなでしたら、

大好きと、言ってもらえるのだろうか・・・?


いや・・・けれど、

まだメイリィに触れることすらできない。

触れに行くことすらできない・・・

一体・・・どうすれば・・・


「・・・弟・・・」

シンシャは、俺に弟がいると言っていた。

父に妃が他にもいることは知っているが、

会ったこともない。


ましてや、弟がいることも知らなかった。


父と共に生活し、過ごしているのは、俺だけだったから。


弟に会いに行って、なでなですれば、

俺も、メイリィに近づけるだろうか。

メイリィに触れるだろうか。


シンシャのように、“大好き”と、言ってもらえるだろうか・・・





ルゼ「因みに今回の話は、

魔動映像機に余すところなく録画し、

俺の私室に完備してある兄上コレクションミュージアムに納品しよう♡」

キーシャ「もへー?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ