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懐かしい再会


「メイリィ!!我が愛娘よ!会いたかった!!」

その日、何故か、ありえないひとが私の目の前にいたとです。


「・・・え・・・」

そのひとは、私と視線が合うと、一目散に私に腕を広げ、

迫ってきたとです。


だから・・・


急いでディルの陰に避難しました。

そして、嬉しそうなディルに“前においで”と、

抱き合う格好で、抱きしめられました。


「・・・め・・・メイリィ・・・?な・・・何故なんだぁ――――っ!!!」

いや・・・だって・・・




父さま臭が・・・。




「あら、久しぶりね、メイリィ!母さまにハグして!」

金色のゆるふわウェーブを華麗に揺らし、

エメラルドグリーンの瞳を輝かせた美女・・・私の母さまでした。


私は迷わず母さまの胸元に抱き着きました。


「うん!メイリィったら相変わらずかわいいわねっ♡」

ここに母さまがいることにも驚きですが・・・


すかさず銀糸の髪にアメジスト色の瞳を持つ、

美しい顔のイケメン父さまが迫ってきたので・・・


「ディル、私の後ろをガードしてください」

と、婚約者にエスコート(?)をお願いいたしました。


するとすかさず了承したディルが、

私を後ろから抱きしめ、母さまが歓声をあげました。


「やだっ!すっかりラブラブじゃないっ♡」


「な・・・ど、どうしてなんだ・・・メイリィ―――――ッ!!?」

父さまは床に手を付き、膝を付き、項垂れておりました。

いや、だって・・・




父さま臭が・・・




「あら・・・メイリィったら、シャクヤと何かあったの?

行く前は普通にハグしてたわよね?」

と、母さま。


「あの・・・その件で折り入ってご相談が・・・

でも、父さまのいる場所では・・・」


「まぁ、そうよね」

と、母さまも頷きます。


「・・・リ、リィリエ・・・」

父さまは目をうるうるさせながら、

母さまの名前を呼んで助けを乞うのですが、

母さま、それをとても楽しそうに眺めております。

父さま、完全に遊ばれていますね。


「ディランさま、ここは婚約者として・・・」

と、シア。

「打ち合わせした通りに!」

と、アナ。

「最初が肝心ですよ」

と、ミフェイさままで。

一体どうしたのでしょうか?


ディルはコクリと頷き、父さまの方に顔を向けます。


「シャクヤ王」


ディルの呼びかけに、父さまが反応し、立ち上がります。

さすがに、皇太子殿下相手には、しっかり致しますとも。


「はい」


「・・・娘さんを、私にください!」

それは・・・母さまと一緒に私をサンドイッチしながら

言うセリフとは思えないのですが・・・


「・・・っ」

父さまから、ピシリ・・・ッと言う音が聞こえてきました。


「・・・どうだ」

ディルがシアたちを見やります。


「・・・」

「・・・」

「・・・」

お願いだから、何かコメントしてあげて―――っ!!!


「まぁ、そんなことより、話ってなぁに?」

って、母さまっ!!

軽くすっとばした!

ここ、すっとばしちゃっていいんですかっ!!?


「あの・・・父さまを・・・」

どうしましょう・・・と、ディルを見ると・・・


ディルが父さまに近づきます。


「シャクヤ王」


「・・・くっ!」

悔しそうに顔をゆがめながらも、

相変わらず、美しい顔なのはどうでもいいので置いておいて・・・

父さまはディルの前に立ちます。


「何でしょう」


「お話がありますので、別室へご案内します」


「・・・話・・・か。同行しましょう」


「助かります」

と言って、ディルは父さまと部屋を後にしました。


「あの、何の話をしに行ったのでしょうか?」


「ルゼくんも付いていったし・・・大丈夫じゃないかしら」

と、アナ。

まぁ、護衛代わりにルゼくんもささっとついていきましたね。


「あらら、いろいろとあるのよ。父親として」

と、母さま。


「そうなのですか?と言うか、何故父さまと母さまがこちらに?」


「あら、メイリィが寂しいから会いたいって、手紙をくれたんじゃない!」


「・・・あ」

忘れていました。そう言えば、そんな手紙を出しましたね。


「今日着くって、手紙に書いたとシャクヤが言っていたんだけど・・・」

あ・・・そうだ。どうせろくなことが書いていないと思って、

まともに読まずに竜帝陛下の顔面におさまったのでした。


「それにしても、話って、なぁに?」


「あぁ・・・そのことなのですが・・・」

私は、父さま臭の件を、母さまに告発したとです。


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