ディル補正計画(シア編)
さて、今日のお茶会はシアの番ですね。
シアは早速おススメのフルーツティーを持ち寄って、
エストランディスでレシピをもらった
かの国のソウルスイーツを添えて、ディルと談笑しております。
もちろん我々監視隊も、ティアおススメのフルーツティー片手に、
スイーツをつまみながらもひもひしておりますとも。
さて、早速会話を聞いてみましょう。
「・・・それで、メイリィと妃教育で赴いた時の話なのですけど・・・」
あぁ・・・そう言えば、最近始まったのです。
ディルはそんなのいらないっ!と、ごねていたのですが、
さすがにそれは私も無視してはならない気がしていたら、
アナが“メイリィが恥をかいたらどうするおつもりですか!
世界を滅ぼしたりしたらメイリィに嫌われますから、
それ以外で案を上げてくださいませ!
できないのなら、殿方は黙っていらして!”
その叱責に、ディルが完全敗北しておりました・・・
いや・・・世界を滅ぼす・・・とか大袈裟・・・
いや・・・一度やりかけたことがありましたね・・・
そして、ディルを押し込めて、
私たち婚約者3人娘は、第3妃ユリアナさま、
第4妃・ソシエさまについて、妃になるためのお勉強をしているわけです。
因みに、ソシエさまは第4皇子・カイくんのお母君。
猫耳しっぽ萌えの獣人族の女性です。
「それから、ダンスの練習をしまして・・・」
と、シア。
確かに、そうでしたね。
「ダンスの際に着たドレスは、ワインレッドで・・・」
あの・・・シア・・・?何故私のその時のドレスの色の話を・・・?
てか、よく覚えてますね・・・?
記憶力がいいのでしょうか・・・?
「それから、刺繍講座の際には、
ディランさまのお好きな模様をさりげなくお教えしました」
え・・・?そう言えば、シアがディランの好きな模様を、
みんなで縫ってみようと提案していましたね・・・?
出来たらプレゼントしようかと話して盛り上がっていましたが。
「そうか、ご苦労」
と、ディル。
あれ・・・?何か、それをわざわざシアに頼んだ・・・
みたいな答えじゃありませんか・・・?
「あと、この間ディランさまの同席できなかった
朝食のメニューですが・・・」
何故、朝食のメニューまで報告してるの?
あれ・・・会話じゃなくて、これ何かの報告ですかね・・・?
名残惜しかったのでしょうか・・・
明日、同じメニューをだしましょうかねぇ?
「その時、味付け海苔のお話をされていて、
とても懐かしんでおられて・・・」
「そうか、ではそれを手配しておこう」
まぁ・・・味付け海苔が食べられるのは嬉しいのですが・・・
あの・・・何か引っかかるのは・・・気のせいですかね?
「あと・・・冬はふわもこケープが恋しいと話されていて・・・」
そう言えば・・・季節は秋に移ろうとしています。
最近まで夏だったわけですね。特に解説もしていませんでしたぁ―――。
秋が過ぎればあっという間に冬。
そろそろお国から送ってもらおうかとも思っておりましたが。
「この間、もっふぃフードが付いたふわもこケープのデザインを
仕立て屋さんに頼んでのです」
「それは、メイリィも喜ぶな」
なんと・・・もっふぃフード付きですと・・・!?
シア・・・そなたは天使を通り越して女神さまなのか!?
「だが・・・シア」
「はい、ディランさま」
何故かシアはきりっとした表情で、
真摯な目でディルを見つめます。
そして、ディルは静かに指を顔の前に組み、
瞼を上げました・・・
「・・・俺デザインのふわもこケープも注文しておくように」
「は・・・っ!私のしたことが・・・!わかりましたわ!」
えと―――。そのディルデザインのふわもこケープは、誰がつけるんですかね?
わ・・・私・・・?
「では、メイリィとルゼくんの分を」
やっぱり私の分か―――いっ!!
そして、ルゼくんの分ももれなく注文。
隣でルゼくんがハァハァしながら喜んでおりました。
「あぁ、任せたぞ」
ディルの笑みは、そりゃぁもう美しい微笑みでしたとも。
でも、何故でしょう?
このお茶会・・・なんだか気になるのですが・・・
まぁ、仲良くお話できているので・・・合格ですかね?




