竜皇家の色
ひと通り婚礼衣装の最終チェックが終われば、
3日後の婚礼に向けて、お肌をぴっかぴかに磨かれ、
爪のお手入れや、髪のお手入れをひたすらされました。
何故か竜族の侍女さんたちに混ざって、
シアとアナ、ミフェイ姉さんが監督役として来ていたのですが・・・
3人は、ご自分の婚約式の下見・・・のような感じなのでしょうかね?
私の爪のチェックとか、枝毛チェックもされましたが・・・。
「そう言えば・・・竜族の婚礼衣装も、白なのですね」
私の知る限りの属国の婚礼衣装と同じです。
正確にはアイボリーですが。
「あら、違うわよ」
と、アナ。
「え・・・では、竜皇家に嫁ぐから・・・特別な色なのでしょうか」
「ううん。大体は・・・相手が竜族なら、
相手の角の色を纏うのが慣習なの。
ディランさまの普段の角のお色は、象牙色だから」
だから、私はアイボリーなのですね。
「相手が竜族じゃないのなら、相手の髪や目の色を取り入れるの」
「では、パーティー用のドレスの考え方と似ていますね」
「えぇ、そうね」
「花婿さんは、どうやって色を選ぶのでしょうか?」
やっぱり、パーティーと同じく、お相手の色から・・・
もしくは竜族同士なら、角の色から選ぶのでしょうか。
「大体は、その家ごとに色があるから、その色を纏うの」
「竜皇家はもちろん、深い藍色ね」
と、ミフェイ姉さん。
「以前、ユリアナさまに聞いたのだけど、
昔、竜帝陛下が元皇后陛下と婚姻式を迎えられた際に、
元々の竜皇家の色を嫌がられたそうなの」
と、シア。
確か・・・深い藍色は、竜皇家の直系や、
その伴侶となる方が率先して着る・・・
竜皇家を代表する色だったはずです。
もちろん、一般のひとも着てもいいのですが、
公のパーティーなどで、竜帝陛下や皇太子のディルなど、
竜皇家の方々が出席される場では、
使用を控えるのがマナーだったはずですね。
「と言うことは、それ以来、
竜皇家のお色は、竜帝陛下の御髪の色になったのですね」
「らしいわよ」
と、アナが苦笑します。
しかし・・・それほどまでに嫌がったとは・・・
「昔の竜皇家のお色は、どのようなお色だったのでしょうか・・・」
「竜皇家の元々の角のお色だったそうよ」
と・・・言うことは、光のあたり加減によって、
金色にも、朱色にも見える色・・・のことでしょうか。
今はすっかり、竜皇家の角のお色は、
竜帝陛下の銀色の角を筆頭として、
ディルが魔法を使う際だけに見せる、
普通の金色・・・などとなります。
「それに、今の深い藍色と違って、一般庶民はもちろん、
貴族も、竜皇家の分家筋まで、
直系以外は一切身につけられなかったんですって」
と、アナが補足してくれます。
「今はその色の衣は生産されていないようなの。
竜帝陛下も何故かその衣の作成を、禁じてしまわれて・・・」
と、ミフェイ姉さん。
「では、竜皇家御用達のお針子さんたちや、
衣の材料の生産者の方々が、困ったのでは・・・?」
「お針子たちは、新たな深い藍色の衣を作るから、大丈夫なんだって。
それに、もうその不思議な色の、昔の色の衣は、
どうあっても手に入らないみたい」
と、シア。
「そうなのですか・・・では、仕方がないですよね・・・」
「その材料を提供する生産者も途絶えてしまったって言うわ。
だから、心配はいらないわよ」
と、アナが微笑みます。
「まぁ・・・その、被害がなかったのなら、何よりですよね」
「そうよ。お針子たちは、変わらず素晴らしい仕事をしてくれるのだし」
と、ミフェイ姉さん。
「そうですね。ステキな婚礼衣装を用意してくださった
お針子さんたちに感謝ですね」
私たちは、来たるべく婚約式を前に、
ちょっとだけウキウキしながら、そう微笑み合った。
ディル「メイリィを当日までひとときも離さず部屋で拘束し、監禁して・・・
それから当日は俺から一切離れぬように常にメイリィを片時も離さず
あぁ・・・でも、公務もあるし・・・ぶつぶつ・・・」
カイ「ディル兄上、イザナ兄上に相談してみるといいよ」
ディル「あぁ・・・っ!そうだな、ルゥ!ありがとう!」




