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プロローグ
雨の日の事だった。
また知らない景色が見えた。
濡れた石畳と時計塔、それに白い花束を抱えた誰かの後ろ姿。
その景色が何処なのか、何故雨の日にそれが時々見えるのか、それはルシャ本人にも分からなかった。
その景色の記憶を辿ろうとすると、決まって頭の奥で頭痛がする。
ルシャ「…また、だ…」
男性「君は、本当に何も覚えてないのか…」
雨音の向こうから聞こえた言葉に、ルシャの手が止まった。
古びたランプを持った、黒いコートの見知らぬ男。
その顔を見た瞬間、頭の中に鈍い痛みが走った。
知らない筈だし、会った記憶も無い。
だが、心の何処かで知っている感じがする。
そんな感覚が、胸の奥に残った。




