第23話 猫娘シロ
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「前にカレナークで助けてもらったにゃ!攫われて運ばれて閉じ込められて、そこでお兄ちゃんに助けてもらったにゃ!」
シロと名乗る猫耳の少女は手を握ってそう言っていた。
「あ。そういえば。」
ロイの頭に浮かんだ少女。
チェルシーが攫われたとき確かに助けた子供の中に獣人の子が居た
「まさか、君があの時の。」
腕を組みシロの顔を眺めると面影を感じた
「そんな見つめられると照れるにゃ。」
顔を赤らめ耳をぴくぴく動かしながらシロは言う
「逃げられたんだね、無事でよかったよ。」
安堵の表情を浮かべシロの頭を撫でるロイとゴロゴロと喉元を鳴らすシロ
「ほんとに猫だな、」
「お兄ちゃんはなんだか雰囲気が変わったにゃ。」
ロイの顔を見るシロ
「まぁいろいろあったんだよ。」
濁すロイ
街に行きかう人は多く話し声も絶えず聞こえる
「ちょっと僕は調べものがあるから出ていくよ。またここに戻ってくるから君はどうする?」
ロイはシロの頭を撫でながら席を立つ
「シロも一緒に行くにゃ!あと、君じゃなくてシロだにゃ!」
シロも立ち上がりロイの裾を掴む
ロイは渋々頷き宿を後にする。
しばらく歩き掲示板を見て人に話を聞いていた。
「くそ。全然だめだ。情報がない。この国に来れば何かわかると思ってたんだけど。」
ロイは広場の端に座り込み悩んでいた。
シロの様子は広場で羽ばたく鳥を追いかけていた。
「ほんと猫だな」
シロを眺めながらロイはつぶやく
日差しが差し込み手で日の光を遮り辺りを見渡す。
「平和だな。チェルシーはどこで何してるんだろう。」
ロイより先に旅に出たチェルシーの事を考える。
1年前
「ミオ!早く!」
青髪の少女は山岳地帯を歩いていた
「待ってチェルシー。早いよ。」
ミオと呼ばれた少女も息を切らしながらチェルシーについて歩いていた
「もうそろそろ、リュウトゥーが見えてくると思うよミオ!」
チェルシーは腰に深紅の剣を装備していた。
マナにより生成された剣は長期間自然のマナに触れさせることで物体として形成される
どんな鉱石で作られた剣よりも硬く耐久力も高いが誰でも生成できるわけではない
チェルシーはその深紅の剣を【深紅薔薇】と名付けていた
「しばらく魔物も居ないしもう安全だと思うよ」
ミオはチェルシーに伝える
ミオは金髪の少女サレンディアでチェルシーと剣術を学んでいた女の子だった
日が落ち夜を告げる肌寒い風に髪を撫でられチェルシーは空を見る
「ロイは今頃魔法の勉強してるのかな。」
チェルシーはロイの事を考える。
薪は弾ける音を立て風に揺らぐ火を眺め
時間が過ぎるのを感じる。
チェルシーは自身の手のひらを見る。
剣だこを見つめあの日の事を思い出す。
吹雪の中ロイとレオの剣を振る姿
後悔と恐怖が胸を締め付ける。
あの時もっと自分が強ければ、あの場に残って共に戦う事ができたのだろう。
ロイもパパもボロボロにならなくて済んだのだろうか。
手を強く握り再び空を見る。
一面に広がる星が綺麗だった。
「ロイ会いたい。」
そんなことを言いながらチェルシーは眠りにつく。
時は戻りロイとシロは街を歩いていた。
未だに有益な情報は得られないまま時間だけが過ぎていた。
「コルティーナの事も神族の事も全く分からないままだ。どうしようか」
日が沈み宿に戻るロイと少し眠そうなシロ
「シロ眠いのか、家はどこだ送るよ」
ロイが口を開く
「ない。家は無いにゃ」
シロは寂しそうに言った
「今までどうしてたんだ。」
「外で寝てたにゃ。」
シロの言葉に驚きを隠せないロイは仕方なく宿に連れていくことにした
「部屋は別けるぞ」
そういうとシロは涙を浮かべ頷く
各々部屋に戻る
上着を脱ぎベッドに横たわるロイは気づけば眠りについていた。
「ん。」
寝返りをすると変な感触
うっすら目を開けると目の前に膨らみがあった。
「うわっ!!」
飛び起きるロイ
「んにゃ」
目をこするシロ
「な、なんで僕の部屋に居るんだ!」
「ロイと寝たほうが温かいからにゃ」
「だからと言って僕の部屋に侵入するな!」
「いいじゃにゃいか、ロイも嬉しいにゃ」
「いや、嬉しいかどうかは別問題だ!」
ロイはシロを抱え部屋に戻し自室に戻った。
「はぁ。疲れる。」
ため息をつき再びベッドに横たわる。
朝を伝える鳥の声
窓から差し込むまぶしい日から
体に伝わる心地良い重み
妙に癒されるゴロゴロと言う声
「なんだ。重い。」
ロイは目を開ける
「重いはひどいにゃ」
目の前にシロが居た。
「またか。」
諦めた顔を浮かべ頭を撫でるロイ
喉元をさらに鳴らすシロ
二人は朝を迎えた。
第24話 神族の謎




