11話 ハモった。
10話は適当に書いて小説にもなってない わけわかめだったので削除しました。話の進行はこれで問題ありません。
自分からメメに話しかけようと決意した一月最初の登校日。
悠は一限の国語を終えて、頭が無意識に詩的になっていた。
休み時間が訪れ、さあいざと椅子を引きながら左後ろを見た時、そこで見たものはまるで違う世界線のものだった。
「ニキータとメメが話しとる……!」
吐息の薄い声で、声が漏れた。
二人は窓の逆光で妙な印象を強め、光っているように見える。
ニキータとは交友が深いし、何ともないふりで近づいて話しかけた。
二人は窓にもたれていて、メメがこちらに気づいたと思ったが、ニキータが先に、お。と言った。
「珍しい組み合わせや。」
「でしょ?福岡さんが陸上部に入ってくれるかもしれんの!」
ニキータは、芯の通った声をいつもより輝かせて悠に言った。
「え、そうなの。」
「てかさ、二人同じ中学校だったんだね!知らなかった。」
状況が掴めないまま、うん、と返事をした。
「でね、うちはそんなにスパルタな強豪でもないし、ラフやけど、みんなちゃんとしとるって言ったら、興味持ってくれてさ。」
「てかさ、持久走すごいんだよ。それでちょっと交渉してたの。一年女子一人やから。」
「ほんと。」
##############シャーーー############
実は悠も陸上部だ。短距離走。
中学までやっていたサッカーは高校でやめた。
大きくなってきて、本来のキャラクターが集団の中に溶け込めなくなって、自然と陸上という選択肢が出た。
ほかになかった。結局、走るのが好きだったという事だと思う。
メメが来るというのは願ってもないことだった。
きっと本当はそれを自分も望んでいたと思う。
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ふと優妃の顔を見ると、窓際の自分の机に触りながら、気恥ずかしそうにしていた。
「メメさん、本気?」
「まじだよ。悠、あたしのユニフォームに見とれんなよ。」
真剣な顔で冗談交じりにこう言うメメは、いつもの顔に戻っていた。
「何それ…。」
こちらも笑みがこぼれそうになったが、口を閉じながら笑った。
ニキータはちらりと2、3度、目だけこちらを見たあと言った。
「え!福岡さんがメメって、なんでメメなの?」
メメが不思議そうにこちらを見る。
「わかんない。」
「 分かんない。」
二人の声が同時に合い、三人は大笑いした。
さっきまでの冷え切った身体のことが気にならなくなった。
その後何か話したけど、楽しかったことしか覚えていない。
こういう時に限って、早くに先生が到着して席に着かなきゃいけなくなる。
最後にメメが
「わたし、マジだかんね。」
と言ってニキータが「おお。」と感嘆し、散っていった。
なんだか、この幸せをどうして見ないふりしていたのだろうと思った。
懐かしくて、なんにも重たいものがなかった。
世界は二人だけじゃないし、でもかけがえのない人が居ることも確かだ。
こういう日々がずっと続いたらと願いながら、季節は春になっていった。




