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第16話 みんなで楽しいご飯タイム...?

「なんでフォードの作る料理ってこんな美味しいんだろうなぁ...」


ぽつり、とハロルさんが言葉を落とすもそれを拾おうとする者は誰もいなかった。


というのも、みんな黙々とご飯を食べて、黙々とおかわりをしているからだ。


オカワリは最初こそ俺がついでいたのだが、冒険者の食べるスピードが速すぎて自分で入れる制度にしたのだ。


その結果、最小限聞こえていたオカワリ!の声も封じられ、静かな空間と化してしまった。


「俺としては普通のものを提供したつもりなんだがなぁ...。あ、今日はがんばった」


主に時間の面で。


仕事に賄いにと力を入れるとさすがに睡眠時間を削ったとてたかが知れている。


「んぐっ...ぷはぁ!もうこれでもかってくらい食べちゃったぁ、ね、ね、今度は魚料理も作ってよ!」


猫耳をぴくぴくさせながらミャオさんが


「俺はもっと色んな肉が食べてみたい」


犬耳ならぬ狼耳をぴくぴくさせながらシュザーさんが


そんなことを言うもんだから笑ってしまう。


この獣人コンビは見ていて癒されるんだよなぁ。


「魚ってこの辺りでは見かけないよね、やっぱ海に近い所じゃないと捕れないものなのか?」


ふと、思ったことを口に出すとメアリさんが頷きながら答えてくれる。


「そうだな、鮮度の問題もあるため、あまり流通していないんだ。料理してから運ぼうにも限度はあるからな。ただ、海の街で食べる海鮮はとても美味しいと聞く。更にそれをフォードが調理するとなると...物凄いものになるのだろうな」


ごくり、と皆同時に唾を飲み込む音がいやにはっきりと聞こえた。


因みに、メアリさんは兜を軽く上げ、首の辺りに隙間を作りそこからスプーンで料理を食べている。


食べるスピードがどうしてもゆっくりになってしまうため、メアリさんの分のご飯が無くならないよう周りより少し大きめの皿に盛り付けて置いた。そのため、のんびりと舌鼓を打っている。


あの兜の下はどんなお顔がしまわれているのか今更になって気になってきた。


「うーん、まぁ、俺はまだ成人もしてないから海の街とやらに行ったとしてもかなり後になるなぁ...」


俺が元々いた街の憲兵に捕まるとも限らないし。


まぁ、そんなことを言ったらこの街でだって同じことなのだが。


いつか、街に戻ってあの日、起きた出来事を摘発出来たなら。


そう夢を描いてはいるもののやはり現状では難しい。


「えっ、フォードさんってずっとこの街にいるんじゃないの?お店出てるし、これほど稼げてたら街を出る必要もないんじゃあ?」


レイが小さい口にもぐもぐと沢山詰めていた料理を飲み込んで喋り出す。


「いや、まぁ、この屋台はポークリオンの肉が普段の量まで捌けたらしまうつもりだし、そもそもこの街の人間でもないからな。」


「あーっ、そういやそうだったな!」


初めての出会いを思い出したのかハルロさんが叫ぶ。


「あん時のフォードはマジで悪魔か神か分かんなかったわ。確実に俺よりは強かった。」


「えっ、Aランクのチームより強い...!?」


あー、みんな俺をガン見してくる。


あの時は余裕なくてハルロさんにもかなりな態度をとっていた自覚はあるからあまり思い出して欲しくないのだが...


「あの時のハルロさんはCランクだったし、俺にも事情があってちょっと暴走してたんだよ。今じゃきっとハルロさんに勝てるわけないよ」


「それ、フォードさんがいくつの話だったの?」


こて、とレイが首を傾げて尋ねてくる


「あー、確か5歳...?」


「なんで5歳でCランクに勝てる力を持ってんだよ!!!」


総ツッコミされちゃった。


俺だって、知らない。


ただ、物凄い理不尽が襲ってきたことだけは理解している。


「俺だってまだ10歳だぞ、分からないことばっかあって当然だろ!?」


そう返すとみんな微妙な顔を向けてくる。


曰く、10歳にみえないとのこと。


失礼しちゃうぜほんと。


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