二話
二話目です。
篠崎は、時計のアラームに叩き起こされた。急いでアラームを消すと、非夢似夢な顔をしながら体を起こした。目を擦りながら起き、ゆっくりと洗面所へと下りる。
「おはよう」
「はい、おはよう」
洗面所に向かう途中に母親に挨拶をし、すぐさまシャワーを浴びる。シャワーを済ませ、再び自室で制服に着替え、着替え終えると、居間に行く。
居間に行くと、当たり前だが、テーブルに朝食が置かれいて、テレビもついていた。朝食といっても、体質上。朝はあまり食べられないため、だいたい朝はパン一切れとコーヒー一杯、スープが用意される。
制服に食べ物をこぼさないように気をつけながら食べていると、テレビのニュースでは、高齢者運転による交通事故を報道していた。最近やたらと高齢者の過失運転が報道されるが、篠崎はあまり気にしない。
朝食を食べ終え、登校の準備をし、「いってきます」と母親に言って自転車を出し、志木駅に向かった。
志木駅までは自転車で十分くらいで、志木駅から学校の最寄駅である若葉まで大体三十分。若葉駅から学校までは徒歩で八分くらいだ。
篠崎は、いつも通りの電車に乗った。すると、野球帽を被った一人の少年がこちらに小さく手を振る。
「おはよう、今日も相変わらず暑ぃな」
「んなもんだろ」
「もっと言葉を弾ませても良かっただろう、優十」
横木 優十は、篠崎が昔から知っている友人だ。
「そっか、うん、今日も暑いなぁ」
「遅いよ〜」
と、筒の抜けた会話をして小さく笑いながら交わす。横木も志木住まいで、今日はどうやら篠崎よりも早めに電車に乗っていたらしく、何しろ、横木は篠崎より駅の近くで住んでいる。
「お前、その帽子本当に好きだな」
と言いながら、篠崎は横木の帽子を指した。
「うん?あぁ、なんか、毎日被ってると、癖になっちゃって」
横木の野球帽は、中学校時代の野球部の帽子だった。中学校の時に何度か遊んだ時も、いつもその帽子をかぶっていた。
「て言うか、お前、昨日の稽古どうしたんだよ」
「言ってなかったっけ?昨日は両親の結構記念日だったから、遠出したんだよ」
「あぁ〜言ってたな、そういえば」
篠崎と横木は、小学校は違ったが、道場は一緒だったため、昔から知り合っている。
「で、どこ行ってきたんだよ」
「岩手の盛岡だね」
「ヘェ〜どうだった?」
電車が発車してから三分、残りの登校道は、横木のお土産話を聞きながら移動した。




