一話
これが初投稿する小説です。私自身、あまり自身はありませんが、どうか温かい目で読んでください。何かアドバイスや、誤字脱字、訂正点ございましたら、コメントで指摘してくだされば、ありがたいです。
「互いに、礼!」
『ありがとうございました!』
篠崎 大地は、片手で防具の濡れた紐を解きながら、もう片手で、額の汗を拭きながら、今日は蒸し暑いと、つくづく思う。道着は言うこともなく、袴だって、膝の皿の上までは汗で濡れていた。最も、篠崎が汗っかきであることもあるが、ここ最近、急激に気温が上がってきていることも大きく作用していた。
防具を片付けながら、篠崎は、夏用の道着をどこに置いたかを考えるが、とんと見当がつかない。それよりも、早く洗って寝たい気持ちが強く、また明日、考えることにする。
防具と竹刀を片付け、先生に、「ありがとうございました」と言い、自転車を漕ぎながら、悠々と家へと戻った。そして、先ほど思ったことを実行し、親に「おやすみ」とだけ言って、ベッドで仰向けになり、ぼーっとする。
最近、こうやってぼーっとする時間が増えている。篠崎は、今年で十六歳になり、高校一年生になった。今通っている高校は第一志望の高校でもあり、無事に入学できたことに満足している。だが、同時に、今の生活に関心が持てないのである。ちょっと前までは、高校入試のために、毎日勉強をし、入学だけが頭の中に埋まっている状況だった。しかし、今は、これと言った目標がない。苦労をして、行きたい高校に入学した。そのために勉強をした。それができた今、何をすればいいのだろうか。学校からは、いち早く行きたい大学、学びたい学問を決め、調べるといいと言っていたが、つい最近まで入試のことしか頭に入っていないのだから、篠崎からすれば、無茶なことだった。寧ろ、それを決めるために、この学校に入学したのだ。
篠崎が入学した高校は、国立の総合学科の学校だ。二年生になれば、四つの選択科目からやりたいものを決め、学ぶことができる。が、それは二年生からの話だ。一年生は、大まかなことは他の普通科とさほど変わらない。それに、別に、俗に言う進学校でもないため、無理難題の問題や、厳しい勉強があるわけでもない。真っ白な地図に、目的地が記されて、くるくる回り続ける羅針盤を持って航海に出ているようなものだ。それに、見る限り島や陸地は見当たらず、風や波に任せ進んでいる。あまりにも退屈だ。
ぼーっとすることを始めて三十分、篠崎はやっと眠りについた。




