戦場とは違う風景
弥子「うらっひゃあ!」〈ボボ!〉黒檀 (コクタン)、丈夫な木である。
〈ボボ〉〈ボボ〉 避ける、避ける。
水に沈む代表とも言える、丈夫な木。
それで作られた、トンファーは、重く、ツルツルしており、素早くクルクルさせるのにもってこいだ。
弥子「おらっしゃ!しゃあ、う~らあ!〈ボオ!〉シャハッラア!〈ボヒュ!〉」 遠心力を付け、とんでもない威力になっている。
小柄な体格でも、重いモノに遠心力が加わるとこれほどまでに恐ろしい武器と化す。
初咲「(く・・舐めてた・・コイツ!)」
弥子「ウラ〈ボ〉ハイ~シッシャア〈ボボ〉アラ~ハハハ〈ボボボ〉ラアア!〈ボヒョオ!〉」
初咲「(大振りな癖に・・隙が・・ない!・・それどころか・・)」
弥子「ハラ〈ボボ〉ハラ〈ボボ〉ハラ〈ボボ〉ハラ〈ボボ〉シッヤア!〈ボヒュ!〉」
初咲「(どんどん・・避け方のパターンを読まれてー?)」
弥子「(ここだ!)しゃああ・・ラハアアア!〈バギイイ!〉」 初咲の左足の脛にヒット。
弥子「ん~」〈トン〉 回転しながら飛びー。
初咲「痛~!」
弥子「ヤラハアアア!」〈バッキイイイ!〉 頭を左腕でガード。
弥子「ん~」〈スタ〉 また回転し、振り向き様に裏拳トンファーをー。
初咲「・・〈ざわ〉」少し目が合った。
弥子「や〈ゾゾゾゾゾゾオゾゾゾオオオオオオオオオ〉〈ババッツスタ〉 連続バク転で離れた。
〈ズザザ〉
弥子「!?・・!?」 何で離れたのかー。
弥子「!?・・・!?」 自分でも分からない。
初咲「・・ごめんね・・貴女・・強いから・・」〈オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ〉
弥子「!?・・!?・・」〈ガクガクガク〉勝手に震える足。
初咲「少しだけ・・本気出すから・・覚悟・・してね?」〈オオオオオオオオオオオ〉
弥子「ふ、ふ、ふ、ふ、ふ、」〈ガタガタガタガタガタ〉 震えが大きくなる。
初咲「殺しはしない・・」〈スタスタ〉
弥子「ふふ、ふふ、ふふ、ふふ、は~~~ァァあああアアアアアアアア~~~」 気合を入れ直す。
初咲「おいで?」 目が見開かれ・・怖い。
弥子「ヤハラアアア!」 ダッシュ。
初咲「・・」〈ボ〉右足の前回し蹴り。
弥子「・・」〈ボヒュ!〉 屈み躱しー、右裏拳トンファーと、左トンファー連撃。
初咲「・・」〈トーン〉軸左足で捻りジャンプし、弥子を飛び越えながらー弥子の顎にー、両手を添える。
弥子「!?〈上に飛ばれた?これじゃ、当たらない、ならー)」〈クルンボ!〉後ろに向け左肘トンファー。
より早く、初咲の両手による〈グキ〉顎上げ、膝による、〈ググン〉腰上げが早かった。
上に顎を引かれた事により、軸のコントロールが不能となり、腰に膝を擦り上げる事により、上半身は後ろに引っ張られ、お腹が出た。
〈ボ!〉肘トンファーは外れた。
人は、頭の自由が効かなければ寝転んだ状態からでも、立つ事は出来ない。
弥子「ぐえ!」 既に顎には手はない。
全て後ろ側に拳を軽く当てる。
〈ズンズンズンズンズン、パコーーーン!〉右肩、左肩、右脇腹、左脇腹、左ふくらはぎ、をやられ、ガクっと膝が傾いた所で、頭をー、奪われたトンファーで軽く叩かれた。
弥子「・・」〈トサ〉 暫く膝を着き、クラクラしてー〈ドッサアア〉前のめりに倒れ、動かない。
審判「それまで!勝者、初咲!」
群衆 《シーーーーーーーーーン》
一瞬だった。
初咲が本気宣言を出してから、2秒経っていなかった。
体がぶつかってからは、もっと短いだろう。
今まで見て来た戦いが、全て・・お遊戯に見えた。
というか、そんな連続して攻撃しなくてもという感情が群衆の中で蔓延していた。
だがー。
今タンカで運ばれている弥子の方が、攻めていた筈、筈なのにー。
初咲のあの一瞬の怒涛の攻めの方が遥かに質が悪いと。
そう思うのは何故だろうか?
恐く、有効的、かつ、スムーズかつ、圧倒的だったからに他ならない。
弥子の攻撃は何か。
何とでもなるような攻撃だったのだ。
しかし、今のは。
『 ず る い 』 そう言いたくなる程の モ ノ だった。
廊下の隅っこ、階段下。
妖美「すっごおおい!、やっばああ!やっぱ只もんじゃねえわあ」
1「おいおい・・まじあいつやべえってえ!バレたら私達殺されるってえ」
妖美「あんたは黙って!な・・さ・・」〈サアアア〉 後ろを向き、青ざめる。
名蓮寺「〈ニッコニッコ〉」
田中「〈ニッコニッコ〉
三菱「〈ニッコニッコ〉」
XX組の皆「〈ニッコニッコ〉」
島津「貴女方でしたの~・・ふふふ」
階段上から皆さんご登場。
1「あ・・いや・・あたしは・・何も・・」
妖美「この人があ!」 1を指差す。
1「な?はあ!?」
妖美「この人がああ!無理やり!あたしに~!」
島津「そうだったんですの~可哀想に~・・」
1「は!?はあ?」
妖美「はいそうなんです~そう~・・〈ギリイイ〉痛い!」 腕を掴まれ、ツボを押される。
妖美「痛い痛い~」
島津「あらあら、あらあら~そんな言い訳が通用するとお思いかしら~?後で日和さんにも誤って貰いますからね~?」
妖美「日和?・・え?退学になったんじゃああ?〈グリグリ〉いつつつつうううう?」
島津「教師達にも結構融通効かせる事が出来るのが・・OO組の特権ですわ」
妖美「ひう?」
島津「あまり・・舐めないで貰えるかしら?」〈オオオオオオオオオオオオオオオオオオ〉
妖美「ひゃい・・ひゃあい、ずびばぜん、ずびばぜ~ん、わああああん、わああああん」
島津「さて・・」
初咲「・・」〈ズウウン〉 激しく落ち込み、窓に手を付いている。
島津「・・どうやって謝ろうかしら・・」
保健室。
〈ひっぐ、ひっぐ・・んぐ・・ズビ・・〉
弥子「・・・・?」 目が覚めた。
弥子「あれ?・・ここは?」
日和「あ・・・・うわあああああん!ごめんねええ!ごめんねええ弥子おおお!」〈ドスン〉
弥子「ぐっへええ!痛い!痛いってば!何となく分かった!分かったから!痛いってばあ!日和~!もう~、分かったから、許すから、泣かないで日和ー」
その夜。
初咲の部屋。
初咲「・・」〈ぶっすー〉 ベッドの上、布団を被り、不機嫌。
島津「・・」もじもじ。 床の上、正座。
初咲「・・」
島津「・・あ・・」
初咲「何で言ってくれなかったの」 背中越し。
島津「あ・・・・、・・・・ごめんなさい」
初咲「・・信用ないんだあ」
島津「・・はい・・だって・・嘘付けないんですものあなた・・すぐ態度に出るし」
初咲「・・ふん!」 布団に潜る。
島津「ごめん!本当に!ごめんってば!」
初咲「・・」〈もぞもぞ〉 ますます潜る。
島津「・・もう・・(そうだ!)ごめんってば!・・そ・・ソメッチ」ボソっと頬を赤らめ言う。
初咲「!?」〈ガバ!〉
島津「おおう!?」
初咲「今・・ソメッちって言った・・」
島津「あ~・・言った?」
初咲「・・」〈ぶっす~〉〈もぞもぞ〉
島津「ごめんってば・・そめっち」
初咲「〈シマっち~!〉」〈ババ!〉勢いよく布団から出て、島津に飛びかかる。
島津「ちょ!?」
初咲「しまっち、しまっち~きゃはははは」
島津「いや~、ふううん、も、もう、お離しになって~」
初咲「だ~め!今日は一緒に寝よ~きゃははははは」
島津「も~あははは、やめて~くすぐったい!いやあ~、くすぐ!?あ、あ、あ、あ、うううん」
夏休み突入。
シンガポール。
商店街。
照りつける太陽。
外カフェ。
妖美「ぜいぜい・・な・・何であたしが・・こんな事・・」 大量の荷物持ち。
初咲「煩い!あんたは退学にならなかっただけマシでしょ!文句言わず、運んだ運んだ!」
名蓮司「ねえ」
三菱「・・」
名蓮司「ねえったら!」
三菱「ああ?」
名蓮司「あんた彼女いんの?」
三菱「ああ?うっせえな」 松本にお礼にと誘われていた。
名蓮司「あたしあんた好きかも、付き合ってよ!」
三菱「ッチ・・うぜえな、女がそんな軽く付き合ってとか言ってんじゃねえよ」
名蓮司「ほらほら!そういう所好きかも~」 抱きつく。
三菱「どわ!な、何なんだお前は!離れろ!」
名蓮司「嫌~だ~」 くっつく。
三菱「離れろって!」
その他数人の男達と、初咲と戦った事がある女達を誘い、団体旅行となっていた。
島津「ふふ、皆さんそれぞれ楽しそう!」
沢木「良かったよ」
島津「え?」
沢木「あなたが来てくれて」
島津「・・〈カアアアアア〉」 うつむく。
初咲「あ~~~」
島津「な!?何ですか!?」顔を上げる。
初咲「ハイ」〈パシ!〉 写真。
島津「な!?なななななな何を~?」
沢木「・・」
初咲「ふっふっふ~、沢木さん?」
沢木「はい!」
初咲「これいくらで買う?」
沢木「・・っふ・・言い値で買おう」
島津「ちょ!?沢木さん?」
沢木「あれ?怒った?」
島津「いや・・怒ってない・・ですが・・」
初咲「・・」辺りを見回す。
皆楽しそうだ。
初咲は嬉しくなった。
自然にニヤニヤしてしまう自分がいる。
松本「う~ん・・」 暑さにやられてぐったり。タオルを顔に乗せ、背もたれに寄りかかる。
初咲「ねね」 松本に近づく。
松本「ん~~?」
初咲「ほい」〈ズズ〉タオルを髪の毛の方へ引っ張り、ずらす。
松本「へ?〈パシ!〉 写真。
松本「あ”あ”~何すんの初咲いい!?」
初咲「いいじゃん!あたし以外見ないもん!」
松本「そういう問題では・・」
初咲「は~~~い!皆~コッチ向いて~」
皆『わいわい』 カメラ目線に寄る。
初咲「ほい!チーズ!」〈パシ!〉
美味しい料理。
ダンスフロア。
縮まる距離。
楽しい一日。
ドキドキしっぱなしの毎日。
6日目。
最期の日。
マリーナベイサンズホテル。
初咲、松本は夕暮れのシープールの端っこ。
夕暮れが綺麗だ。
初咲「(言うのよ初咲!言うぞ言うぞ言うぞ言うぞ言うー)」
松本は黙って夕日を眺めている。
初咲「・・(ちょっとくらい私を見てくれたって・・)」〈ぶっすー〉 少し離れる。
松本「・・?」 離れた初咲を見る。
初咲「・・」 見られた事に気づく。がー、無視。
松本「・・?何?」
初咲「・・」 無視。
松本「・・どうかした?」
初咲「・・」 無視。 夕日を見続ける。
松本「・・」 また夕日を見る。
初咲「・・」〈チラチラ〉
松本「・・君と知り合ってから・・楽しい事が続くなあ」
初咲「・・え?」
松本「本当に有難うね?〈ニコ〉」 右側の前髪が濡れて、上がっている。色っぽい男。
初咲「〈ドッキューーーン♡〉」
初咲「・・」 黙ってまた近づく。
松本「?」
初咲「・・あの・・夕日が綺麗ですね」下を向いたまま言う。
松本「え?ああ・・そうだね、綺麗だね」夕日を見る。
初咲「・・」 下を向いている。
松本「・・?・・どうしたの?」
初咲「・・夕日が・・綺麗ですね!」 今度は強く言う。
松本「・・?・・ああ・・うん・・え?何?どうしたの?」
初咲「・・はあ・・」 ため息。
2秒沈黙。
松本「・・でも初咲も負けてないよ」 夕日を見ながらー。
初咲「〈ドッキン〉え?」 顔を上げる。
松本「太陽は沈むけど・・、でも・・初咲は沈まないよね・・いつも明るいし、・・き、綺麗だし」
初咲「〈ボボカアアアアア〉真っ赤。
松本「うわ!真っ赤!」
初咲「もう!もう!もう!もう!ずるいずるいずるいい!」 近寄ってくる。
松本「へ?あの?ちょ?」
初咲「ねえ?」首に手を絡める。
松本「あの?え?」
初咲「私・・の事・・好き?」 上目使い。
松本「ああ・・ああ・・あう・・〈ボボカアアア〉」
初咲「キスしてよう・・」
松本「〈ゴクリ〉・・い・・(いいの?)」 そう言おうとしたがー。
初咲「〈プチュ〉んむ!?」 体が勝手に動いた。
夕日。
プールの端っこ。
ロマンチックな雰囲気。
初咲「・・」 涙が流れてー。
少し離れる。
松本「あう、あう・・ごめん・・いきなり!あれ?あれ?こ、これはその体が勝手にー?」
初咲「むふふ~」 下を向き、近づく。
松本「ひう!?ご、ごめんなさい!」
初咲「もう一回!」
松本「・・へ?」
初咲「もう一回~!」 おねだり。
首に手を絡めようとー。
松本「〈ゴクリ〉ハ!?ヤバイ、ヤバイ!やばいって!これ以上は!」 離れる。
初咲「え~!?何で!?もう一回!もう一回~!」 追いかける。
松本「勘弁してくれ!これ以上はまずい!」 逃げる。
初咲「何で!何でよ!もう一回くらい良いじゃん!ね~待って~」 追いかける。
松本「ホント無理!これ以上は無理~!(俺の理性がああああ!絶対持たねえええ!)」 逃げる。
初咲「待って~きゃはは」
松本「無邪気は程程にしてくれ~」 半泣き。
初咲「待って~」
三菱「ったく・・」 羨ましそうに見てる。
名蓮司「なあに?羨ましいんだあ?」 水着。
三菱「は?当たり前だろ?俺は初咲に一目惚れだったんだ・・まあ・・振られたけどな・・」 悲しそうな顔。 夕日に照らされた物静かな、闘犬のような男。
名蓮司「〈ドッキン〉・・ねえ・・」 密着。
三菱「は?な、何をー?」
名蓮司「あたし・・あんたが好き・・かもなんて嘘・・好きだよ?」
三菱「・・本気か?」
名蓮司「・・うん」
三菱「俺は・・いちいち本気になるぞ?遊ばないぜ?」
名蓮司「上等・・それでこそ・・あたしが惚れた男」 唇を近づけー。
三菱「・・分かった・・じゃあ・・」 〈スク〉 立ち上がった。
名蓮司「はら?」 〈ガックシ〉
三菱「まずはお前を知らないとな・・はっきり言ってお前はタイプではないが・・」
名蓮司「ええ~」
三菱「しかし・・まあ・・友人以上としてならば・・付き合ってやろう、キスはその後だ」
名蓮司「・・ケチンぼ!」
三菱「俺は軽くないんでな」
名蓮司「ふん!いいだろう!お前を落とす!三菱京介!」
京介「やれるものならやってみろ」
名蓮司「ふふ」
京介「ふはは」
初咲「きゃはは捕まえた~」〈バッチャアアン〉
松本「《ゴボゴボ》(ちょっ当たってる!当たってるって!!誰か助けて~!)」
帰国後ー。
夏休み期間中。
日本。
軽井沢。
島津、別荘。
島津「お店を?」
初咲「うん」
島津「洋服屋さんを貴女ね~」
初咲「変?」
島津「いえいえ、良いと思いますわ、資金は松本さん?」
初咲「うん」
島津「そうですか・・頑張って」
初咲「しまっちは?何やるの?」
島津「私はー、お茶です」
初咲「お茶?」
島津「ええ、お茶の栽培ですわ、海外で栽培、パック詰めまでして、日本や、ロシアに送ります」
初咲「へ~・・優雅だな~」
島津「そうでもありませんわ、結構土仕事が多くなります」
初咲「え?海外に行くの?」
島津「ふふ・・でないと仕事になりませんわ」
初咲「ええ~・・寂しくなるなあ」
島津「ふふ・・たまには戻りますわ」
初咲「私も行く!たまにはね!」
島津「ふふふ、お互い、まだまだ長いお付き合いになりそうですわ」
初咲「勿論だよ!ず~~と、ず~~~と親友だもん!」
島津「あら?それは分かりませんわ?」
初咲「ええ~~?」
島津「そういう風にしておきましょう、余計なフラグ、馴れ合いは・・私達らしくありませんわ」
初咲「・・うん・・そうだね・・」 いきなり格好良い雰囲気で紅茶を飲む。
島津「その雰囲気が本当の貴女?時々見せますわよね」
初咲「・・ん?そうかなあ?・・ん~?よく分かんない〈ズズズ~〉」
島津「ふふふ・・謎が多い方ね・・でもー」
初咲「?」
島津「そっちの方が面白いですわ」
初咲「えへへへ、じゃあ・・あたし・・そろそろ行くわ」〈ガチャガチャ〉 バック、ヘルメット。
島津「あら、もう?」
初咲「ん、ニューヨークに勉強に行くの、14日で帰ってくるけど」
島津「あら、ふふふ・・行ってらっしゃい」
初咲「行ってきます!」〈ブフォオオオオオン!ブロロロロロ〉
島津「(重そうなバイク・・)でも・・いいですわあ・・馴れ合いには肌が合いませんもの・・こういう関係・・う~ん・・」背伸び。
島津「さあ・・私は・・お菓子の研究でもやりますか!お菓子の種類別に合うお茶の研究を」
その半年後、経済テロが起こり、世界は混乱を見せた。
が、しかし、学園はいつも通りに運営され、初咲達にも何も影響は無かった。
松本は丁度、株の稼ぎが軌道に乗った所で、現金に変え、店を発注した所だった。
松本「危なかった・・目標が無かったら・・いつまでも現金に変えなかっただろうなあ・・」
一日一日、全自動再分配される貨幣は、現金をいくら持とうが同じなのだ。
何故なら、配られる量は同じだから。
いくら貯めようが、貯めまいが、また明日になれば再分配。
貯金の概念は大きく崩れた。
皆お金を貯めるのがバカらしくなり、使うようになった。
2年後。
初咲「うわああ・・」 新しい店の前で感動。
松本「上品な気質のデザイナーに頼んだ甲斐があったなあ」
高さは3階建て分。
一階は小物店。
2階はドレスというよりも、ドレス風な庶民の洋服店。
天井が高い。
実際、2階建てだった。
ギリシャ風の彫刻を施した大きな柱達。
煌びやかなステンドグラス達。
飛び回る天使達の彫刻。
初咲「すごおおい!・・凄いよ・・」 泣いている。
松本「・・」おかしな所がないか、注文通りか注意深く観察。
初咲「有難う!大好き!」〈ガバ!〉
松本「ちょ!分かった!うん!どういたしまして!でもね・・」 離す。
松本「まだスタートだ初咲、これから、頑張って!店長!」
初咲「・・うん!頑張る!」
松本「さあ・・って・・明日から雇った人達が来るから!商品も今日の、昼すぎに一気に来るからね?、取り敢えず、出来るだけ、手伝うよ」
初咲「はい!頑張ろう~!」奥に行った。
松本「 ? 」
初咲「取り敢えず・・音楽をかけよう!」 真空管アンプを使い、CDをかける。
初咲「レッツロール!」
《~~~~~~♪Pharrell Williams-HAPPY〉
fine。




