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勇者アレンの後日談



 次元の狭間。


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 何もない空間。


---


 時間も。


 距離も。


 存在すら曖昧な場所。


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「……」


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 勇者アレンは立っていた。


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「ここは……」


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 周囲を見渡す。


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 さっきまで。


 神崎零と戦っていた。


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 そして。


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「少しだけ本気で受ける」


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 その言葉の直後。


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 世界が反転した。


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「……」


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 アレンは空を見上げる。


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「負けたな」


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 悔しさはあった。


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 十年間。


 鍛えた。


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 剣も。


 魔法も。


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 全て磨いた。


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 だが。


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「やっぱり、あいつは規格外だ」


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 アレンは笑った。


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 昔なら。


 悔しさで叫んでいたかもしれない。


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 でも。


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 今は違う。


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「強かった」


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 それでいい。


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 その時。


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 空間が揺れた。


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「……?」


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 巨大な扉が現れる。


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「これは……」


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 扉が開く。


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 その先から。


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 一人の女性が現れた。


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「珍しいですね」


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「人間がここまで流れ着くなんて」


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 アレンは剣を構える。


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「誰だ」


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 女性は笑う。


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「神です」


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「……」


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「……え?」


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---


 神界。


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 そこは。


 零がいた世界とも違う場所だった。


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 神々が暮らす場所。


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 世界を管理する者たちの国。


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「つまり」


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 アレンは説明を聞いて頭を抱えた。


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「俺は次元の狭間を越えて」


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「さらに神様の世界に来たと」


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「はい」


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「……」


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 少し考える。


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「帰れるのか?」


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 神が答える。


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「可能です」


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「では」


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「帰りますか?」


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 アレンは空を見る。


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 元の世界。


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 仲間。


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 王国。


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 そして。


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 神崎零。


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「……」


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 少し笑う。


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「いや」


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「もう少しここにいる」


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「え?」


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「せっかくだからな」


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---


 こうして。


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 勇者アレン。


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 神の世界へ滞在決定。


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---


 しかし。


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 神々は知らなかった。


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---


 この男。


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 異常な適応力を持っていることを。


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 一週間後。


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「アレン」


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「はい?」


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「なぜ庭で野菜を育てているのですか?」


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「暇だったので」


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 神。


 困惑。


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「なぜ神獣と仲良くなっているのですか?」


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「向こうから来ました」


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 神。


 さらに困惑。


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「なぜ神龍と将棋をしているのですか?」


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「誘われました」


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 神々。


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 理解不能。


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「……」


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「この人間」


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「神界への馴染み方がおかしくないですか?」


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 一ヶ月後。


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 神界。


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 アレンの家。


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 小さな畑。


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 小屋。


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 そして。


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 庭には。


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 神獣。


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 精霊。


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 ドラゴン。


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 なぜか全員いる。


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「今日も平和だな」


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 アレンは収穫した野菜を見る。


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 そこへ。


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「勇者」


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 神界の管理神が来る。


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「あなたは不思議ですね」


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「何がです?」


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「普通、人間は神界に来たら」


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「力を求めます」


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「神になろうとします」


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 アレンは首を傾げる。


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「そうなのか?」


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「はい」


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「でも」


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 アレンは畑を見る。


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「強くなるのは、もう十分やった」


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「今は」


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「楽しく生きたい」


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 神は黙る。


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 そして。


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 少し笑った。


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「神崎零が変わった理由が」


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「少し分かった気がします」


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 数年後。


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 零たちが神界を訪れた。


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「久しぶりだな」


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 零が言う。


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「アレン」


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「おう」


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 アレンは笑う。


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 その姿を見て。


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 零は少し驚いた。


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「……」


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「何だ?」


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「いや」


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「お前」


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「神界に住んでいるのか」


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「そうなった」


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「なぜ?」


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 アレンは畑を見る。


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「野菜が美味いから」


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「……」


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 零。


 沈黙。


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 リリアが笑う。


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「零様」


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「はい」


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「勇者様も変わりましたね」


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 零は頷く。


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「ああ」


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「強くなった」


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 アレンが笑う。


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「いや」


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「俺はもう勇者じゃない」


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「今は」


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「ただの農家だ」


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 神の世界。


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 そこに住む。


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 元勇者。


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 彼の名前は。


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 後にこう呼ばれた。


---


『神界で一番愛された人間』


---


---


 そして今日も。


---


 神々と将棋をしながら。


---


 アレンの畑には。


---


 平和な時間が流れていた。

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