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目覚めたら最強でした。

 人生とは、平等ではない。


 努力すれば報われる。


 諦めなければ夢は叶う。


 そんな言葉を、人はよく口にする。


 でも。


 俺には関係なかった。


 なぜなら。


 俺は、生まれた瞬間から完成していたからだ。


「……ここは?」


 目を開けると、見知らぬ白い空間にいた。


 目の前には、白い服を着た老人。


 いかにも神様っぽい格好をしている。


「お主は死んだ」


「そうですか」


「驚かんのか?」


「別に」


 死んだと言われても、特に何も感じなかった。


 なぜなら俺には、特別な人生なんてなかったからだ。


 平凡。


 普通。


 どこにでもいる人間。


 ……だった。


「そこでじゃ。お主には異世界へ転生してもらう」


「能力は?」


「欲しいものを言うがいい」


 神様は優しく笑った。


「剣の才能か?」


「いらない」


「魔法の才能か?」


「いらない」


「強靭な肉体か?」


「いらない」


 神様が首を傾げる。


「では何が欲しい?」


 俺は答えた。


「全部」


 沈黙。


 数秒後。


 神様が震えた。


「……全部?」


「はい」


「努力して手に入れるのではなく?」


「必要ありません」


「なぜ?」


 俺は当たり前のように言った。


「できるからです」


---


 次の瞬間。


 世界が光に包まれた。


 神様が叫ぶ。


「待て! それは人間が持っていい力では――」


 声が遠ざかる。


 そして。


 俺は異世界へ降り立った。


---


「ステータスオープン」


 目の前に透明な画面が現れる。


 名前。


 年齢。


 能力値。


 スキル。


 そして。


【称号】


『創造神』


『破壊神』


『時空神』


『全属性魔法使い』


『剣聖』


『賢者』


『世界の支配者』


『選ばれし者』


『運命に愛されし者』


 ……。


 多い。


 まあ、当然か。


 全部もらったから。


「ふむ」


 俺は頷いた。


「悪くない」


---


 その頃。


 神界では。


「やってしまった……」


 転生を担当した神が頭を抱えていた。


「まさか全部と言われて、本当に全部渡すとは……」


 別の神が聞く。


「取り消せないのか?」


「無理だ」


「なぜ?」


 神は震える声で答えた。


「もう、あの世界の管理者より強い」


---


 こうして。


 世界最強の存在が誕生した。


 努力?


 修行?


 仲間との絆?


 そんなものは必要ない。


 なぜなら。


 俺は最初から最強だから。

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