表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/90

昇級試験 1

続けて投稿いたします。

宜しくお願いします。

僕たちは、それから数日グランディール家を拠点に、旅の準備や、ラングトン大学に置いてあった家財道具を運び出したりして過ごしていた。


「そして今日は、冒険者ランクの交付と、Aクラス昇進試験の日だ!」


久しぶりの冒険者ギルドの王都本部。といってもほんの3ヶ月くらいしか経ってないんだけどね。

僕は扉を開くと、以前に見た光景がそこにあった。

以前と変わらないホールに入って行く。

ただ、今回は2人と2匹ではなくて、8人と2匹でやって来ていた。


「ルゼリア、今日は付き合わせてごめんね。」


今日は、カーリーを始め皆の冒険者昇格に伴う再登録とクラスAの昇格試験の為にこの冒険者ギルドに来ているのだけど、どうせ街の方に行くのならルゼリアと会っておこうと思って呼んでいたんだ。


「タクミさん、全然大丈夫ですよ。このところ修道院での修業も順調で、もう数ヶ月もすれば大司教クラスの昇格試験にも受けれるそうですよ。」


「凄いじゃないか! 大司教クラスとなれば、大手を振って国を出て不況活動出来るようになるね。」


「はい、楽しみです! そうすればタクミさん達とも一緒に旅が出来ますからね。」


嬉しそうなルゼリアを見ているとちょっとホッとする。

ここのところ悪魔だの鬼だの真竜だのと騒がしい日々が続いてたからね、それとは無関係なルゼリアの笑顔が物凄く癒しに見える。


「ルゼリアには普通の女の子のままでいてほしいと切に願うよ。」


「え?嫌ですよ。私だって早く皆さんに追いつくために必死に神官の勉強と修業してるんですからね。タクミさん、待ってて下さいよ!」


ルゼリア、そんなに腕を曲げ、無い二の腕の力こぶ強調して頑張るポーズとらなくてもいからね。まあ可愛いけど。


『タクミ様。』


『どうしたの?エル。』


『はい、ルゼリアさんの聖人核がかなり急成長してますね。通常人が聖人核を持つのに50年以上必要なのに彼女は生まれながらに持ってたようで、その上でタクミ様の影響や、本人の努力で、次期に神核にへ変貌しそうですよ。』


『え、マジですか?』


僕の儚い希望は、本当に儚かったようだ。


少し肩を落としながら僕はギルドの建物に入る。すると思った以上に人がいてびっくりした。


「あれ?わざわざ人が少ない昼前の時間にしたのに?」


それに、ほぼ全員が僕たちを鋭い視線で見てくる。


「おい、あれがそうなのか?」

「でも、先頭にいるの女の子だよな?」

「いや、確か女の子の様な男らしいぞ。」

「じゃあ、やっぱりあれがそうなのか? う~ん確かにそう言われれば男か?」

「それにしても、みんな美人じゃねえか。」


色々と噂話が聞こえてくる。

君達、人の噂話はもっと聞こえないようにするもんだよ?

そう注意したくなるのを我慢して、受付に向かってそのまま歩く。

でも、これって僕たちが何物か知っててわざとこの時間にこのギルドに居るってことなのか?


「ねえ、タクミ君、何かあのおじさん達、タクミ君を侮辱しているようだから、一発決めてこようか?」


カーリー、ドンドン思考が野生かしてないか? シロの影響か?


「カーリー、そんな事気にしなくていいから、そんなにホイホイ威嚇しなくていいからねってトルエ! 口から火噴かないで!」


やんちゃな子供を引率する先生の気分だ。

そのへん、ヴェルデはさすがに先生していただけあって落ち着いて・・


「って呪文の詠唱しないの!」


はあ!やっぱりルゼリアにはこのまま良識のある女の子に育って欲しい!


ギルドの入口から受付までたったの20メートルくらいなのに、そこにたどり着くのがこんなに大変だとは思わなかったよ。

それでもなんとか受付のお姉さんがいる窓口まで辿り着けた。


「あのー、ちょっと宜しいですか?」


僕は、始めて来た時より数センチ身長が伸びていたので、以前は届かなかったカウンターが今では少し目が相手から見えるくらいにはなっていた。


「はい? どうしまし・た・・って! 君あの時の少年じゃない!」


僕が話しかけた受付のお姉さんが、突然驚きの声をあげた。

あー!あの時の受付のお姉さんだ。


「良かったー、あれから一度もここに来てないから、学校落ちたのかと思っちゃったじゃない。もしかしたらどこかで野垂れ死んでるんじゃないかって心配したんだよ。」


少し涙目で、優しく微笑んでくれるお姉さん。少し悪いことしたかな。


「ごめんなさい、学校入学決まってから色々大変だったんで、なかなかギルドの仕事出来なくてすみません。」


「別にそれは良いんだけど、半年間依頼を受けないと、冒険者ライセンスの剥奪もあるから、それも心配だったんだよ。」


え?そうなの?


フラムの方を見ると、そうだよと頷いていた。

危ないなあ、そういう事はもっと早く教えてよ!


「ちゃんと、最初に説明してたけど忘れてた?」


お姉さんから微笑みが消え、じと目で僕を見つめてきた。

人間そういう事もあります。

とりあえず反省して、本題の方に移りましょう。


「それで今日はですね、こちらで冒険者クラスの進級更新と、Aクラスへの昇進試験を受けに来たんですが、宜しいでしょうか?」


「へ?クラス進級? Aクラス? へ?」


お姉さんの変顔で聞き返してきた。


「ですから、王宮から僕達のクラス進級更新とAクラス昇進試験を受ける通達があったはずですが?」


僕はもう一度、ゆっくりとお姉さんに説明する。


「あの、あの! あの!、もしかしてタクミ・カーヴェル様、ですか!?」


「様は必要ないですが、そうですけど?」


「え? え! 君がそうなの?! えーーー!!」


名前までは覚えてなかったんだ。


「失礼致しました!」


急に席を立つと、背筋をピーンっと伸ばして何故か敬礼する受付のお姉さん。


「後ろの方々は、あのドラゴンスレイヤーの皆様方に、あっ? そちらのお方は、カルデ!」


バッ!!


「ん?う?」


受付のお姉さんが、カルディナの存在に気付いて名前を口走ろうとした瞬間、カーリーが一瞬でお姉さんの背後に廻って口を手で押さえ名前を伏せた。


「お姉さん、カルディナ姉様の事は内密にね。」


カーリーに耳元で囁かれ、コクコクと涙目で頷くお姉さん。


「ハア、ハア、こ、殺されるかと思った・・ハア、」


取り合えず、お姉さんが落ち着くのを少し待つ事になった。


「ん! 立ち直りました! 申し訳ありません! 職務を真っ当させていただきます!」


そう言ってお姉さんはその場を去り、奥へと消えて行った。

あれ?逃げたのかな?


それから数分、僕たちはその場に立ったまま待たされる事になった。

有り難うございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ