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終わってしまった世界  作者: 富士山汁
2/2

新しい世界




飛び交う銃弾。

渦巻く爆炎。


住宅マンションが建つ予定だった工事現場。

そんな住宅マンションの中で、殺意と狂気の溢れるバトルが繰り広げられていた。


ーど、どうしてこうなった?

周囲は銃声の音が響き渡っている。

ー私はただあの研究施設から逃げてきただけなのに。

ー出てきたものの謎の集団に追われ、ここまで逃げてきた。

黒いフードを深く被った謎の集団だ。

ー私が研究施設の中にいたのは多分、7年。予想だけど、きっと眠らされていたんだ……、知らない間に世界がおかしくなっている。どうしよう。

七歳の誕生日の日に研究施設の中の牢屋に入れられた。

そして、目が覚めたのはおそらく七年後。

何故、わかるかと言うと……目が覚めると目の前に白いホワイトボードがあった。「お前は14歳。女。外へ出ろ」と書いていた。

名前と身内のこと以外あんまり覚えていなかったから助かった。

ーそれにしても……逃げている途中思ったけど、どうして、人がいないの!?

まさか……、と嫌な妄想が駆け巡る。

私以外、もう誰も生きていないのでは?

それとも、ここは別の世界で、私しか人間がいないとか?

不安を煽るような考えばかりが浮かんでは消える。

ーっ!?

そこで、足音が聞こえた。

靴の足音ではない、まるで獣の足音のような

『グルルルルルルルルル』

「い、いやぁあああああああ!」

気づけば後ろに涎を垂らし、こちらを見下ろす怪物がいた。

私は悲鳴をあげ、逃げ回る。

ーう、嘘でしょ!?何が起こってるの?

もしかしたら、黒いフードの集団は人間で、私を助けようとしていたのかもしれない。

と、また考えが回る。

でも、そんなこといちいち考えてる暇はない。

ーすぐ、すぐ後ろにいる!

息を切らし、はあはあ言いながら必死に走っているのに全然距離をとれない

ー誰か、たすけて!


バンッ!

そこで大きな銃声が響く。

大きな銃声の音に驚き、後ろを振り返る。

そこには先ほどの怪物が血を流し倒れていた。

その後には白いマントを羽織った青年が立っていた。

「はあ、はあ、君……大丈夫?」

向こうも荒々しく息をしていた。

この人は人間なんだ。

そう思うと、安心して涙が溢れた。

「え!?ええと……な、泣かないで……」

綺麗な顔をした青年が近づいてきた。

その顔を見た時、ほんの少しだけ懐かしいという感情を抱いたのはどうしてだろう

「あなた……は?」

私の問いに青年は人の良さそうな笑を浮かべ微笑んだ。

「僕の名前は春風 勇人、14歳だよ」

「わ、私は菜峰初、同じ14歳!」

同い年の人に初めて出会ったせいかこんな状況でも胸が温まる。

「怪我はない?」

「はい、大丈夫です」

無傷だ。

「うん、それは良かった。よし、基地まで帰ろう。」

「基地?」

勇人さんが優しく微笑む

「うん、人間が力を合わせて作った基地。「ヒュータウン」」

「ヒ、ヒュータウン?なんかださい」

と言うと、彼は苦笑いだ。

「えー。いいじゃん、ヒュータウン!」

ほんと、不思議。

こんな状況なのに、笑っていられるなんて……すごい人だな。


「さっきの怪物はなに?」

私は、気になったのでさっき私に襲いかかってきたあの怪物について聞いてみることにした。

「あれ?あれはね、僕らは魔物って呼んでる」

「魔物?」

「そう、魔物。五年前、突如、世界に出現した謎の生物」

「五年前……」

「あれ、そういえば……どうして知らないの?もしかして5年間ずっと身を隠してた?」

五年前……私は研究施設の中で眠っていた。

それを青年に正直に話してみた。

「…………へえ。研究施設かぁ。」

青年は興味深そうに、話に食いついてきた

「……でも、さっき目覚めた割にはすごい物分りいいよね」

そう言われたら……確かに

うーん、と悩んでいると、

「もしかしたら、7年間分の教育とか知識を脳に入れられたのかも!」

ケラケラと楽しそうに冗談を口にする彼に釣られて私も笑う。

楽しいな、と思う。

「まあ、詳しいことはヒュータウンにある僕の家で説明するよ」

そんなこんなで話していると歩いてしばらくした所にトンネルがあった

トンネルの入口には若い男性2人が立っていた。

門番らしい。

「春風勇人です、見回りから戻りました。」

「ご苦労だった。……そこの少女は?」

門番の男性が私を指さす

「ああ……、生存者です。」

「なに?生存者だと?」

男性は目を見開き驚いていた。

すると、勇人はケラケラと笑い、

「あ、はい。……あの〜、もういいでふか?陸斗先輩に報告書を渡さないといけないので……」

陸斗先輩というキーワードが出た途端に、門番の2人の表情が凍った。

「ど、どうぞ」

トンネルはそこまで長くなかった。

トンネルの壁には呪文みたいな記号がびっしりと書き込まれていた。

「あれなに?」

と聞くと、

「あれは、魔物や死神を近づけないための結界だよ」

死神?結界?

「また、説明するね」

優しく微笑まれた。

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