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ロード・オブ・三国志X ~ 乙女ゲーム転生! 推し軍師・郭嘉の神技能を継承し、曹操を主君として、乙女軍師として征く三国覇道 ~  作者: 初美陽一
第四幕 Battle of RED CLIFFS !! ――運命を超えろ!!

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第42話 〝赤壁の戦い〟――その結末。

 私、甄嘉の私兵は現在、二千――その内の千は護衛に、もう半分は実のところ烏林うりんの地に至った当初から司馬懿殿に預け、奇襲と火計をお願いしていた。


 そして今、〝神算鬼謀〟も手伝って確定成功した計略が……なんかちょっと〝爆弾でも投げ込んだの?〟ってくらい、凄まじい威力なのは……以前のデビュー戦の時と同様、曹操様と大接近しているから、なのかな?


 ……と、とにかく! これで火計による影響は、曹操軍だけでなく、孫権軍にも及ぶことになる。

 もはや〝赤壁の戦い〟は、曹操軍の一方的な敗戦ではない。目の前の大喬さんへ、私は朗々と言い放った。


「さあ、これでアナタ達のケ……ッンン! ……お尻にも、火が付きました。戦の趨勢は、決した――もはや一個の武で、覆せるとは思わぬことです!」


「ッ。……ッ……ッッ!」


 俯き、大きな両肩を、微かに震わせる大喬さん。悔しいのだろうか、と思いきや、そうではないと知る。


「ッ、ア、ア……アッハハ! イイ、イイねぇっ……甄嘉ちゃん、アンタ最高サイコーだよ! これが腕力だけじゃねぇ強さってヤツか、ハハッ♪ 愛する妹ちゃんのため、と思って捕まえに来たケド……ちょっと気ィ変わっちゃった♪」


「へ? い、一体、何を……」


「ハーア、まあ帰るトコなくしちゃ、ウチも困るし……今回はココまで、だけどよ」


 この窮地にあって、大笑いし始めた大喬さんが――ニッ、と爽やかに笑い、指さしてきた。


「気に入ったゼ、甄嘉ちゃん――今度はウチも、個人的にアンタを奪いに来るよ。じゃあ……またなっ♪」(好感度↑↑↑)


「えっ。……え、えええ!? なんですソレ、ちょっとー!?」


 抗議する私に構わず、大喬さんは――〝小覇王〟の爆発的な瞬発力で、何と跳躍し、自身の船へ戻っていく。

 そのまま蒙衝もうしょうの速度で、あっという間に去っていくのを見送り……いまだに青い炎の如き髪を揺らす曹操様が、グッ、と力強く肩を抱き寄せてきた。


「フン。何度来ようが、同じことだ。甄嘉を、決して渡すものか――」


「スォッ……そそ曹操さま!? そっ、つっ……ツァオツァオ~!? ……んっ!?」


「――……渡さぬ。……渡さない、甄嘉は……()()の……」


 困惑の私から、曹操様への中華風な呼称(ツァオツァオ♡)が飛び出してしまう中……青い炎の如し髪が、少しずつ落ち着いていく。

 そのまま曹操様は〝Ⅹ〟の気弱な印象の、穏やかなまなじりとなり――


「……あ、ああっ! 曹操様、元に戻って……い、一時的なモノだったんですね。もう、ビックリしちゃいまし――」

「――甄嘉!」

「ビックリの追い焚き! ちょちょ、何でまた抱き着いて……ちょおっ――」


「……良かった、連れ去られず……甄嘉、本当に……良かった……!」

「!! …………」


 何とも。……何とも。

 気が強かろうが、弱かろうが、関係ないらしい。


 兵の目も気にせず、慮ってくれる、こそばゆい感覚を――

 けれど今は〝女軍師〟として、必死に押し殺し、私は献策する。


「曹操様。お心遣い、ありがたく……しかし戦況は勝利同然ながら、この烏林の地に固執し続けるのは、得策ではありません。劉備勢力の動きも気になります……治めた荊州けいしゅうでも、最も軍備の整っている襄陽じょうようまで、撤収しましょう。撤収に際し、適宜、砦を築きつつ――」


「! うむ……あい分かった、甄嘉、キミがそう言うなら、深慮しんりょあってのことだろう。よし、ならば全軍撤収、そうと決めれば曹軍ははやいぞ!」


 指揮のため、離れてしまっ……よ、ようやく離してくれた曹操様を追いかける。

 ただ、いまだ赤く燃える壁を、一度だけ振り返った。


 蔡琰の〝歌姫〟と――これは予想外だったけど曹操の〝魏武の強〟。

 そして甄嘉の――継承した〝神算鬼謀〟。


 痛み分けどころか、孫権軍には追撃の余裕もないほどの、大反撃。

 これによって、本来なら大敗戦のはずの、この運命の大戦を……



〝赤壁の戦い〟を――私たちは、乗り越えたのだった――


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