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崩壊世界で独立開業 ~怪物あふれる地球になったけど、個人事業主として地道に稼ぎます…………なお、かわいい女の子がついてきたのは予定外~  作者: よぎそーと
2章 業務拡大中

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17 これは案内であって買い物デートではない、しかし余計な目撃者に見つかると面倒にはなる

 探索者組合の中には宿舎や食堂などが設置されている。

 豪華なものではないが、生活するには十分だ。

 手に入れた食券や宿泊券で入り浸りになってる者もいる。

 住宅の購入や賃貸が難しいご時世ゆえだ。



 そんな食堂や宿舎の使い方をソウマは説明していく。

 受付から、実際の部屋まで。

 さほど難しい事ではない。

 受付で券を渡すだけ。

 宿泊の場合、宿帳に名前を記入するが、難しいやり方があるわけではない。



 とはいえ、寝るには早い時間だ。

 戻ってきたのは、おやつと夕方の間くらい。

 寝るにはまだ早い。

 なのでソウマは組合の中にある販売所に向かうつもりだった。

 消費した銃弾の補充と、あとは何かあればかっておこうと思って。



 それから、外に出て店をいくつか巡ろうと。

 これは気晴らしのためでもある。

 掘り出し物があれば手に入れたいが。



「それなら、つれてって」

 超能力ではなく、声を出してオトハが頼んでくる。

「見ておきたいです」

「なら行くか」

 調度いい、ついでに教えておくかと思い、オトハをつれていく事になった。



 販売所といってもそこそこに大きい。

 探索者が必要とするものを揃えているからだ。

 食料や日用雑貨に、キャンプ用品。

 銃やナイフといった武器まで。

 比較的小型のものはたいてい揃ってる。



 車両などの大型の機具などは専門の窓口での売買となるが。

 それ以外のわりと一般的な消耗品や工作道具などは販売所で手に入る。

 その為、下手のスーパーマーケットやホームセンターよりも広い。



 食堂と共に一般に開放されてるので、探索者以外の姿も見られる。

 このため、組合施設であるが活気がある。

「すごい」

 こういうところが初めてのオトハは、人と商品の多さに驚いてる。



 不便なところは、ここでは金銭しか使えない事。

 外とは違い、食券や宿泊券はここでは取引には使えない。

 組合が金銭での売買しかしないから仕方が無い。

 ただし、外よりは幾分安くなってる。

 比較的多くの流通を確保してる強みだ。

 それでも、大災害以前よりは割高ではあるけども。



 そんな販売所を巡っていく。

 食事以外の日用品や、懐中電灯や工具など仕事で使いそうなものも。

 使った銃弾の補充も忘れない。



「何か欲しいものはあるか?」

「いえ、特には」

 尋ねる声に、首を横に振るオトハ。

 身の回りのものは最低限しか持ってないが、即座に何かが必要という程でもない。

 無くなる前に揃えておいた方がよいのも確かだが。



 しかし、手にした1万円をおいそれとは使えない。

 今のオトハの全財産であり、ソウマからもらった貴重な給料だ。

 大事に大事にしなければと思ってしまう。



 ソウマもそれ以上は聞いたりせず、「そうか」と終わらせる。

 駆け出しの探索者の懐事情くらいはソウマも分かってる。

 薄い財布、小銭すら入ってないポケット。

 そんな人間に「何か買わないの?」と聞き続けるのも無粋なものだ。



 それにソウマとてそれほど懐具合が良いわけではない。

 即座に破産するわけではないが、仕事がなければおだぶつになりかねない。

 なので、奢ることも今は出来ない。

 今はとにかく仕事をこなして稼ぐしかない。



 買い物も、必然的に最低限の補充で終わっていく。

 使ったものを多少は買い足していく。

 贅沢は敵ではないが、まだ味方になってくれない。

(そのうちだな)

 見栄を張るつもりはないが、財布を気にせず買い物が出来るようになりたい。

 それはまだ先の事になってしまう。



 それでも販売所を巡ってあれこれ説明をして、質問にこたえていく。

 さすがに女物などは案内のしようがないが、探索者として必要になりそうな事は伝えていった。

 そんな二人を、周りの者達は微笑ましそうに。

 また、妬ましそうに眺めていた。

 後者の方は野郎が圧倒的多数である。



 そんな中の例外的な一人は、驚いて目を見開く。

 そんな彼女は、考えるよりも先にソウマのもとへと向かい、

「兄ちゃん!」

 襟首を掴んでゆさゆさとゆらす。

 身長差のせいでソウマは体をかがめるはめになる。



「やったの!

 やっちゃったの?!

 とうとう女を騙したの!!」

「……おいこら」

 割と本気でつめかける相手に、ソウマは軽く憤りと大きな呆れを抱いた。


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