大学生活① [Side.Minato]
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大学に着いて教室に入ると…。
俺がボストンバッグを持って来たからか友人である2人に
物凄く吃驚されてしまった。
「湊！なんだよ、そのデッカイ鞄！」
「本当だ！いつもはもっと小さめの鞄で来るのに！」
「……家出。」
「「は？」」
友人の質問に少し小声で言葉を紡ぐと友人からは
間抜けな声が返ってきてしまった。
「だから！家出してきたんだって！」
俺は半ば意地でも張るような勢いで
先程と同じ言葉を今度は声量を上げて発した。
「……はあ？！家出って…なにがあったんだよ？」
「……親父がうるさいんだから仕方ねぇだろ！…というか…頭堅すぎて腹立って絶えれなくなった。」
「……湊、お前って……。意外と可愛いところあるんだな。」
「はあ？！可愛いってなんだよ！ふざけんな！」
「あははは！わりぃわりぃ。」
友人の "可愛い" 発言に少し苛立ち、その友人の頭を軽く小突いた。
だけど、友人からは本当に悪いとは思っていないような謝罪の言葉が返ってきて俺はもう呆れるしかなかった。
「…家出ってことはさ、泊まるところどうするんだ？」
「本当だ！…あ、俺のアパートは無理だぞ。彼女いるから！」
友人の1人には高校の時から付き合っているという彼女がいる。
同棲を始めたのは大学に入ってかららしいけど。
「言われなくてもお前のところには行かねぇから安心しろよ。それに一応アテはある。その人が了承してくれるかはわからねぇけど。」
「へえー？！誰よ？そのアテってやつ。まさか女？」
「ひみつ！」
「なんでだよ？！教えろや～～！」
"ひみつ" だと告げると
今度は友人2人から揶揄されてしまった。
「……そういえば、湊！」
「ん？」
「こないだ声掛けてきた1年の可愛い子ちゃんとはどうなったんだよ？」
彼女いない方の友人が突然、思い出したようにそう俺に質問をしてきた。
"こないだ声掛けてきた1年の可愛い子ちゃん" とは……。
ほんの1週間程前のこと――。
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