19.深層に入る者
遅れましたが更新です!
仕事が忙しくなりさらに不定期ですが頑張ります!!
『オラァァァァァァァァ!!』
「....うらぁぁぁぁぁぁ!!」
ドゴォォォォォォン!!
ダイダラとウルフェンがぶつかり合う。
俺たちは2日後に控えた共同戦線による同時ダンジョン攻略に向けて訓練を始めていた。俺は以前に考えた2対2の摸擬戦を実施させていた。
『チョロチョロと動いて目障りね!!「氷結障壁」!!!』
「そんな遅い攻撃じゃ、届かない....です!!」
2組は激しい戦闘を繰り広げる。ダンジョンのボス部屋なので広さもちょうど良く、お互いに全力が出せる。俺はボスのアサシンベアを使い、自分のスキルを試した。まず「死霊魔法・極」により、アサシンベア・深層とオーク・半深層が召喚できるようになった。一定の力があるボスは一度倒せば召喚できるようになるようだ。
『ガァァァァァァァァァ!!』
召喚したアサシンベアは正直言って化け物級の強さだった。同じアサシンベアを弄ぶかのように殺し、子熊をいとも簡単に食い殺していく。
「これが召喚した「深層」の魔物の力か....。化け物じみているな。だが今後国を敵に回すかもしれないんだ....。貴重な戦力になるな。」
自分自身も含め、かなり強くなったとは思うが、国王とその軍勢を相手にするとなると、まだまだ足りないだろう。1レベルでも上げ、1人でも多くの戦力を手に入れる。俺は攻略までの2日もかかさずダンジョンに潜った。
「....!!ぐぅぅぅぅぅぅぅ.....!!」
『さっきまでの威勢はどうした!?このまま押し切ってやるよォ!!』
横を見るとダイダラが押されている。やはり「銀剣の舞」を防ぎながらウルフェンの相手をするのは相当きついようだ。
「まだだ....「完全なる肉体」....!!」
ここぞとばかりにスキルを発動。ダイダラのスキルは全ての攻撃を無効化するというかなりチートじみたものだが、クールタイムが1時間ほどあるのがかなり痛い。
『なっ、攻撃が効いてねぇだと....??な、なめるなぁぁぁ!!』
ウルフェンが防御姿勢を取ろうとするが遅い。ダイダラのハンマーがウルフェンを襲う。
「.....終わりです!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ドゴォォォォォォォォォン!!
物凄い音と共にウルフェンが灰になる。勝者はダイダラ。深層ダンジョンを乗り越え、一段とたくましくなるこいつに俺も感心している。ウルフェンは灰になったが、何度でも召喚できるので問題ない。
『きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
どうやらこっちも終わったようだ。
かなりボロボロにはなっているが、勝利したのはエルニャ。本当にただの奴隷にするのは勿体ない。そういう意味では出会わせてくれたウイルフェンに感謝しないとだな。
そして物凄いことに気が付いた。俺自身は召喚した魔物を倒しても経験値などは得ることができないが、ダイダラ、エルニャの2人は経験値を得てレベルアップが可能だった。
これはかなり革命的で、俺の使役する魔物は最低でもCランク上位、その他もAランク中位だったりとダンジョンに潜って闇雲にモンスターを倒すよりも圧倒的に効率が良い。俺はダイダラとエルニャに魔物を召喚し続ける。2人はそれを倒し続ける。これで無限レベリングが可能なのだ。
このシステムを発明してから、2人のレベルは恐ろしい勢いで上がってゆく。もう2人だけでも「賢王の墓」くらいは攻略できるレベルだろう。俺はどんどん強くなる2人を見て笑う。
「よし、今日は疲れも溜まっただろうからおしまいにしよう。明日なんだが、2人にはまだ「深層」に染まっていないダンジョンを攻略してもらう。今のお前たちなら正直ボスでもいけるだろう。ダンジョンはそうだな、「クロシキの森」にしようか。」
「....ウス!ご期待に沿えるよう頑張ります。」
「私も....全力で行く!!」
2人とも気合が入っていて頼もしい。
俺は今日の夜に先に「クロシキの森」に行き、レベルを上げつつスキルを獲得する方針に動く。
「まだまだ序章だ...。俺はこのスキルで無限に強くなれる。国王やランカーズ、いや、シュウにすら届きうる最強を目指すんだ....!!」
その頃。
「ガルガン!!なんでいつまで経ってもボスに辿り着かないわけ!?」
「ちぃぃ....!!うるせぇな!!道案内とかそっち系はあいつに任せてたから俺がわかるわけねぇだろうが!!おい!ゲステス!!お前がナビしろや!!」
言い合いをするのはナスタとガルガン。リンドの前世の知識と努力の末手に入れたこの世界の知識。どちらも失ったランカーズはダンジョンをスムーズに進められなくなり、国王からの信頼を徐々に失いつつあった。
「申し訳ありませんガルガン様。私攻撃魔法のスキルゆえ....探知などはできないのですよねェ....。」
ゲステスが申し訳なさそうに言う。
「どいつもこいつも使えねぇ....おい!!!荷物持ち!!お前なんとかできないのかよ!!」
ガルガンが声を上げる。するとリンドの代わりに入ったフードを被った荷物持ちが喋り始める。
「この道は左だよ!僕を信じて進んでみてほしいな。ガルガンクン。」
「てめぇ、誰に向かって口きいてんだよ!!」
ガルガンは態度が気に入らなかったのか荷物持ちに掴みかかる。
フードが外れて顔が露わになった。そこにいたのは、
「アハハハ、気に障ったならごめんよ。でもこっちが当たりだってのは確定なんだ。魔力でわかるからね!行ってみようよ!」
シュウだった。
ランカーズ一行は道なりに進むと偶然か必然なのか、またもや行き止まりの先に宝箱があった。
「....てめぇ、あの箱取りにいってこいよ。」
ガルガンが指示を出す。
「いいの!?レアものが入っててもあげないからね!じゃ、お言葉に甘えてっと.....」
ガコッッッッッッッッ!!
やはりというか、落とし穴があった。シュウはそのまま落下していく。
「俺たちに嘘の道を教えた罰だよバーーーーーカ!!アッハッハッハッハッハッハ!!」
ガルガンはリンドの時と同様に大笑いする。
「にしても多いわよね、罠。なんでなのかしら。」
「ナスタ様。すでに攻略済のダンジョンでは、こういう危ない道は塞がれてるのですよ。クックック。」
「....神の子が再び戻らんことを祈る。」
ナスタ、ゲステス、シアンも続けて喋る。あの時と同じように、また何事もなかったかのようにダンジョン攻略に戻っていった。
シュウは穴に落ちたが、「神域」の翼で羽ばたき着地した。
「ふーん、これが国王サマや山城クンが言ってた「深層」かぁ。確かに普通の人間は立ってもいられないような魔力が流れてるね。でもこんなところに本当にいるのかなぁ....転生者。」
シュウは「深層の大迷宮を駆け抜ける。そして例のボス部屋。そこには確かに骸骨になったアルス、桐原 蓮がいた。
「わ!本当だったんだね。国王サマも酷いことするよなぁ。ほいっ、「神域魔法・魂呼び」。」
骸骨に向かって魔法を放つと、金色の眩しい光が骸骨を包む。そして光が止んだとき、そこにいたのは人間だった。
「.....ここは。「深層」なのかな。」
桐原 蓮がいたのだった。
「やぁ、桐原クン.....で、あってるかな。僕は柳 修一。シュウでいいよ!君は僕の魔法で一時的に魂を現世に戻してるんだ。ここで君に何があったか、詳しく教えてくれるかい?」
「.....同じ日本人の転生者なんだね。いいよ。僕が受けたこと、この場所のこと、全部伝えるよ。」
2人の転生者はこうして話をしたのだった。




