いったんおわりだね。第1部はな。
「美優!!!美優ったら!!!」
怒鳴り声で気が付いた。
「こ・・・ここはどこ?」
「次に私は誰って言い出すんじゃないでしょうね?」
・・・誰だ?
「まさか?」
「まさか何?」
「キャプテン?」
あたしは目を開けた。青い空。回りにはユニフォームを着た仲間達。
「頭を打ったんだ。今担架を運んでくる。」
あたしは立ち上がった。
「大丈夫です。何ともありません。それより試合は?」
「勝ったぞ。おまえ。立って大丈夫なのか?」
「ええ。」
あたしは周りを見た。普通にあたしの世界だ。イシュは?ドラヘは?・・・・もしかしたら夢?
「大丈夫なようでしたら挨拶をしますが。」
遠くで声がする・・・
試合後,皆でバイキング。ぼんやりしているあたしを病院にいかせようとしてたけど。医務室でちょっと見て貰い,大丈夫だと言うことになったから・・・
あれから1ヶ月。あたしにはなんの力もない。テストはぼろぼろだったし・・・飛べないし・・・指輪もない・・・一瞬の時間に見ていた夢だったとしてもあまりに鮮明に残ってるよ。
高校の近くの白龍神社に行ってみようか・・・・・そんなことを思ったよ。
夏休み前の最後の金曜日。明日から合宿だからって,少し早めに部活が終わったから・
神社は覚えているのと同じ。少し薄暗くて少し壊れてた。じゃらじゃらと鈴を鳴らす・・・
「遅いぞ。」
は?
濃い臙脂の服を着た美少年がいた。
「何ぼけっとしてるんだ。おまえ、これを忘れていっただろう?届けにいたんだ。」
くいって渡されたもの・・・
『指輪』
「ドラヘが焦ってたぞ。」
「ドラヘ・・・」
「大丈夫か?」
「まさか・・・あんた・・・イシュ?」
「おいおい。」
あたしは思わずイシュに飛びついた。涙が出てくるよ。
「イシュ?イシュ?」
「おいおいおいおい・・・」
「何を泣いておるのじゃ?」
まさか?ドラヘ?
あたしは顔を上げたよ。うそ・・・ドラヘだあ!!!フラメもいる!!!
あたしが落ち着いた後で,
「俺はこっちの世界に留学することになったぜ。」
って。
「この神社を拠点としてこの世界のことをいろいろ学習していくつもりだ。」
神社の裏手の社務所跡をちょいと改造して家にしたんだって。フラメとドラヘを夫婦にしたてて,自分はその子ども。こっちで1年生活してまた戻るって。
「俺も,おまえの言ってる高校とやらに通う。」
いやいや・・・こんな美形が入ったら大騒ぎだよ。
とりあえず,夏の間は沢山あちこち案内できるね。
「あたし・・・力がないよ。」
って言ったらイシュはびっくりしてた。でも,ドラヘが,
「そりゃあ指輪をおいてったからじゃろ。」
って。指輪をはめたら何だか力があふれる感じ。
「指輪があると秘められた力を引き出しやすくなるんじゃ。」
「そのうち指輪がなくても魔法を使えるように,訓練をすると良いぞ。」
なんか楽しい夏になりそうだね。
「明日だが・・・」
「ゴメン。合宿なんだわ~~~」
「なんだって?」
・・・・・
「ふうん。」
「そうだ。そこでであったことにすれば良いぞ。怪しまれずに済むじゃろ。」
出会ってる暇があるのかなあ?
「その辺は任せろ。」
ふうん。
いずれにしろ,これからまたワクワクすることが沢山待ってるって事だよね。うん。楽しみだよ。
みなさん。また会おうね。
「この指輪・・・」
「人には見えんよ。」
「じゃあいいか・・・」
読んでくださった方。ありがとうございました。
今後はこちらの世界で二人いろいろな出来事に出会っていきます。またそちらでお目にかかりましょう。




