表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/25

第20話 私、棚から牡丹餅ですか?

堀田伊織

ほったいおり

芽衣のクラスメイト。オーボエパート。

ふわふわキラキラ女子。



 オーディションをが終わった。私は三宅先輩とともに、Aメンバーに入ることができた。てっきり、落ちるのかと思っていた。実力で三宅先輩が選ばれることは明らかだった。オーボエは私と三宅先輩しかいない。Dの部のことを考えると、私は落ちるのだと心のどこかで思っていたのかも。


 練習に手を抜いていたわけではない。自分なりに、一生懸命だった。自分の100%を出すことに、全てを注いだ。それでも、『落ちて当然』と思っていた。それを自覚したのはAメンバーに選ばれてからだった。


 なぜ、選ばれたのか。その答えが欲しかった。明日から、前を向くために。私はじっとしていられず、職員室に向かった。


「失礼します。藤先生。オーボエ1年の堀田です。」


「堀田か。どうした?」


「あの、オーディションのことでお伺いしたいことがありまして」


「ほう、なるほど。答えられることであれば。1度聞きましょうか」


「私、なぜAメンバーに選ばれたんでしょうか。オーボエが1人だと少ないから、という理由ですか。正直、三宅先輩より遥かに劣っているのを自覚しています。選ばれた理由が、わかりません。」

 止まらなかった。話し出したら、決壊したように溢れた。


「まず、オーボエが2人必要だったのは事実だ。知っての通り三宅は上手だけれどつい最近まで1年生で、先輩についていく立場だった。そんな三宅をいきなり1人にするよりは、堀田がいた方が良い」


 やはり、そうだったのか。その役割で選ばれたなら納得ができるかもしれない。


「ただ、堀田。ちょっと勘違いしてるよ」


「え?」


「そういう編成ができるのは、堀田がこちらの考えるラインを超えてきたから。そもそも、実力がなければ選ばない。」


「そ、そういうもんなのですか。」


「そういうもんなのですよ。ある程度のラインを超えなければ、編成以前に選ばない。実際に、オーボエは合格者を出さなかったこともある」


「合格者を出さなかった!?Aの部にオーボエを乗せなかったってことですか!?」


「そういうこと。無理矢理乗せることも出来たんだけどね。でも、他の楽器の人数を増やした方が有意義だ、っていう結論になった。」


 藤先生がそこまで思い切ったことをしているとは驚いた。気が良く、優しそうな先生というイメージだった。オーボエが1人も呼ばれなかった時、どんな空気になったのか。想像もできない。したくない。藤先生はものすごい勇気を振り絞ったのだろう。


「改めて。堀田はちゃんと自分自身の力でオーディションに合格した。良い音をしてた。そこは自信持って良い。こう見えて、入部してからの成長とか、短い間だけどちゃんと見てるんだよ。」


 藤先生の言葉が真っ直ぐと届き、泣きそうになる。


「ただ、自覚している通りまだまだ改善点は多い。相当大変だと思うけど、頑張ってください。」


「ありがとうございます...!!!」

 笑顔の藤先生に、私は深々と一礼した。




「いおりん、こっち。」


「いおりん、おつかれ〜」


 いつもの場所で、めいめいとあやめ様が待っていた。2人も、Aメンバーに選ばれていた。藤先生の言葉を聞いて舞い上がっている自分の気持ちと、2人への祝福を込めて、私は2人に飛びついた。


「いおりん??」


「え、なになにいおりん!どうした」


戸惑う2人に、先程の出来事について話し始めた。


ご覧いただきありがとうございます。

毎日22時までに3エピソードずつ更新しています。

感想・レビューなどが励みになります。お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ